題 名=1946文学的考察
発 行=昭和22年5月31日
著 者=加藤周一 中村真一郎 福永武彦
発行者=中野達彦
印刷者=小島順三郎/株式会社秀英社
発行所=真善美社
東京都港区赤坂溜池町30番地
装 幀・カット=故六隅許六
タテ=209mm
すでに紹介しているが、これは気に入っているので、扉も見ていただこう。
大西巨人『地獄篇三部作』(光文社、二〇〇七年)にこういうくだりがある。
《『分析文化』は、例のごとく、「ミニュイ・ポエティク」の連中(泣村死一郎、砂糖渋一、服長丈低)が、フランス語とフランス人作家批評家の名前とドイツ語とドイツ人作家批評家の名前とイギリス・アメリカ語とイギリス・アメリカ人作家批評家の名前とを、知った限り無闇やたらに並べ立てているのには、閉口した。しかし、落語式に言えば、彼らは、たしかに僕なんかよりも「学がある」ようだ。》
『綜合文化』、「マチネ・ポエティク」、中村真一郎、加藤周一、福永武彦、というふうに読み替えればいいのだろう。ふつうに書けば《ヨーロッパの文学への造詣の深さを印象づけた》(ウィキ「中村真一郎」)ということ。