三浦守治『剖検法』(三春堂、一九〇三年一一月二〇日二版)。善行堂の前からバスに乗り三条で降りてブックオフ、河原町の古本屋をのぞいて寺町へ。しばらくぶりで三密堂の均一。二百円コーナーは、ワケアリながらも筋のいい本が混ぜてある。これもそんな一冊。初版は明治二十七年。木口木版の挿絵が素晴らしい。ルーペで観察すると二版の図はどうも活版らしい。初版の木口木版を覆刻したのだろう。もう少しエグイ図版もあるがそれはそれで美しい。
図は「ナウヴェルク氏ノ原図」(ヴのところ実際はウに撥音の◯)と明記されているものがいくつかある。Ludwig G. C. Nauwerck ではないかと思うが、ドイツ語のサイトはよく読めないし、あまりヒットもしないので断定はできない。
三浦守治(一八五七~一九一六)は明治期の病理学者。陸奥国田村郡御木沢村(福島県田村郡三春町)生まれ。なお磐城国としているサイトもあるが磐城国は明治になってからの区分なので陸奥国の方がいいのだろう、なにしろ安政生まれだ。東大医学部を出てライプチヒ大およびベルリン大で学び、明治二十年に帰国。帝大医科大教授となり日本における病理学・病理解剖学の基礎を築いた。歌人でもあり、歌集に『移岳集』(心の華叢書、竹柏会、一九一五年)。
掲げることは差し控えるが『マゾヒストたち』の頭蓋骨にブラシをかける男の図に似た挿絵も載っていて驚いた。