
『風』第三年第九号(風社、一九三五年九月二五日)。鮮やかな表紙は野口弥太郎(独立美術協会)。編輯人・発行人は山本保信(東京市世田谷区玉川奥沢町三丁目)、ただし印刷所は京都市坊城通五条下ル・西川太郎吉。どうやら関西系の同人雑誌のようだ。
目次に見える有名人は生田花世だろう、『青鞜』同人で夫は詩人・生田春月。どういう繋がりかは不明ながら、立命館の国文学者・大井広、金沢大学の英文学者・大沢衛、英文学者・益田道三、国文学者・小島吉雄らの名前が並んでいる。野口弥太郎は関西学院の出身なので、そいう関係もあるかもしれない。
広告頁には大井広『歌集悲心抄』(言海書房)とともに野田理一『詩集願はくは』(向日庵私版)が載っている。野田理一は荒地同人。湯川書房から二冊著作を出している。湯川さんも向日庵の寿岳文章も関西学院出身である。

『創作人』第十二集(八大文芸部、一九五四年三月二〇日)。「八大」は九州国際大学の前身「八幡大学」のことで一九五〇年に設置された。発行人は酒井重和と木原昇。川端康成に関する著書などもある小沢正明が「月の岬に」と題して海軍小説を寄稿している。
古書店の均一台に同人雑誌ばかり何冊か放り込んであった。おそらく同じ人物から出たものだろうと思っていたが、今、この『創作人』を見ると小沢正明から小島吉雄への献辞があった。そして『風』の目次に名前がありながら該当頁が抜き取られているのが小島吉雄である。小島の書庫から出たものだと考えていいだろう。
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朝日新聞の四月二二日に佐久間文子女史の文章が載っていた。ファンなので切り取っちゃいました。