百万遍で松屋の牛丼を食した。250円に惹かれて。感想はひかえる。吉岡書店の二階へ。戸口入ってすぐの脇に図録を縦に入れた箱がある。いつもは素通りなのだが、今日はそこがみょうに気になって、いくつかパパッと繰ってみた。すると『美術グラフ』(時の美術社、一九七〇年九月一五日)の「作品紹介/モランディ」という記事を発見。モノクロ口絵八点と肖像写真、紹介文は一頁だが、これは嬉しかった。
そしてもうひとつオマケが洲之内徹の現代画廊の広告。このデッサンは靉光。そして奥にある百円均一の棚へ直行のつもりが、絵葉書のコーナーで足が止まった。ここもいつもならスルーなのだ。丁寧に見てみると
大沢昌助の戦前の絵葉書が九枚ほど出ていたので買い占める。牛丼パワー!
ゆるい坂をえっちら登って善行堂へ。久しぶり。『sumus』13号増刷記念に同人六人サイン本をつくることになった。そのために集合。店内に買い取った本がどっさり積まれていて驚く。古本屋みたいだ……。東京組三人のサインが入った『sumus』13号に黙々と署名する。コメント欄でおなじみの田中氏が来店、三人で雑談しながらサインを続ける。
しばらくすると扉野良人氏も七ヶ月の子息とともに合流。お昼寝中だったので氏は胸にだっこしたままサインする。三十分ほどでお目覚め。少々人見知りを。古本(宇野亜喜良の絵本とか)を見せても泣き止まない。そろそろ稀覯本を見せると泣き止むようにしつけなきゃ(!)
湯川書房の本が入ったと見せてくれたのが吉岡実の『神秘的な時代の詩』(一九七五年六月一日、限定百五十部、No.84)。湯川書房の住所は摂津市正雀本町になっている。
書套というのだろうか、笹爪はなく紐で結ぶ。笹爪があれば帙(ちつ)と称するとも。吉岡実の署名がすばらしい。他にも『季刊湯川』の揃いもあった。