『KELLY & WALSH'S HANDBOOK OF THE JAPANESE LANGUAGE』(ケレー、ウオルシ商会、一九一六年一一月一五日三版)。著作兼発行者は小林米珂。住所は横浜市中村町一五四九番地。発行所の「ケレー、ウオルシ商会」の住所は横浜市山下町七八番地。
小林米珂はデ・ベッカーという外国人で鎌倉に貸家を九軒持っていたという。高浜虚子や菅虎雄がそれらを借りていたこともある。横浜歴史年表には《1892(明治25)年10月16日, 帰化米人小林米珂が市役所へ出頭し納税手続(帰化人納税)》とも。
奥付にはこう書かれている。
明治二十九年二月十日印刷
同四十一年二月十五日発行
同四十一年九月二十日再版
大正五年十一月十五日三版
これは悩ましい記載である。AbeBooks で調べると、同じタイトルで一九〇二と一九〇四年の版がヒットした。内容も同じようだが上記のどれにも当てはまらない。序文の末尾に1898と記されていることからすれば、最初の明治四十一年がじつは三十一年の誤植ではないかと疑われるが、それでもまだ印刷と発行は二年空いている。むむむ。
最初の方のページ。外国人旅行者が知っておくべき簡単な言葉が並んでいる。
Thank you のところに
Arigato(Kobe and neighbourhoodーoki ni)
とあるのが面白い。「おきに」は神戸の近隣で使われるのか。ローマ字なので明治時代の日本語の発音がけっこう今とは違っているのが分かる。この辞書も月曜日に善行堂で入手した。
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小林米珂について柳居子翁より御教示を賜った。なんと明治三十七年、モルガンとユキの結婚式が小林宅で執り行われたとのことである。駐日米国総領事エドワード・C・ベローズも参列していたそうだ。詳しくは翁のブログにてお読みいただきたい。ベッカーはかなりの顔役だったのだろう。
http://plaza.rakuten.co.jp/camphorac/diary/200701200000/