産経新聞大阪版に連載した「古書さんけい堂」を大幅に増補して100編とした単行本を編集した。昨年夏から秋にかけておおわらわだった。十一月初めに創元社にデータを渡し、本日ようやくゲラが届いた。初校はPDFで済ましているが、やはりプリントしてみないと分からないところもある。
さんけい堂のときは三人(熊田司、宮内淳子、小生)で交替の連載だったのを、新たに依頼し、総勢二十一人の執筆となっている。関西の版元ばかりを、原則として一編一社(一部重複している版元もあるが)、明治初年の版元不明(橋爪節也)から一九八〇年代のエディション・カイエ(季村敏夫)まで、百年余を概観するという少々大胆な目論見。とにかくフルカラーなので本の絵本のようにめくって楽しいものをこころがけた。たぶん五月ごろ配本予定。
装幀も小生がやらせてもらうが、函入りで、今どき珍しい豪華版になる予定。これは創元社・矢部社長の意向。どうせ作るなら中途半端なものよりもキッチリとした本物をという見識だ。産経連載に目を留めて創元社を説得したのは
『古書往来』(みずのわ出版)の高橋輝次氏である。これも二年越しの企画だが、高橋さんのあの古書や出版に対する一種独特の情熱には頭が下がる。
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『sumus』まるごと一冊晶文社(特集名はこれに決定します)特集もほんとうの大詰め。南陀楼綾繁氏のインタビュー原稿の直しを待っている状態である。詳しくはあらためて発表するが、1973年版晶文社図書目録を完全復刻収録、「晶文社SCRAP通信」(書店用の営業通信)の一部を再録。ゲスト、同人の原稿。インタビュー二本。アンケート回答も50人を超えた。中村勝哉と小野二郎が晶文社を創業したのは昭和三十五年二月三日。創業五十周年。残念ながら創業日には間に合わないが、たぶんふつうに進めば、二月末には配本できるのではないかと思う。発売元をみずのわ出版に受けてもらったので、地方小などの取次経由で配本する予定。いましばらくお待ち下さい。