LOUISE FAURE-FAVIER『SOUVENIRS SUR APOLLINAIRE』(GRASSET, 1945)。ルイーズ・フォール=ファヴィエ『アポリネールの思い出』。アスタルテ書房のフランス書棚に、筋はいいが、状態のあまりよくない本がひとまとめに入った。東京の個人から買い入れたそうだ。そのなかから何冊かもらったうちのひとつ。
フォール=ファヴィエは小説家であり航空紀行作家のようだ。第一次大戦前夜、一九一二年頃にアポリネールやマリー・ローランサンと知り合って親しくつきあった。パリのサンルイ島に住んでおり、アポリネールやメルキュール・ド・フランス社の人々を招いてパーティなどを繰り返していた。サロンの若き女主人であったようだ。
アポリネールはルイーズのアパルトマンへしげしげとやってくるようになり、彼女はアポリネール専用の椅子を窓際に置いた。サンルイ島の西の端にあったようでその窓からユルサン(Ursins)通にある粉袋を引っ張り上げるための腕木の突き出た切妻屋根のかつてジャン・ラシーヌが住んでいた家が見えたそうだ。
そして夜中の十二時になると、近隣の寺院の鐘がいっせいに十二を打つ。ノートルダム、サン・ジェルヴェ、サン・ポール、サン・セヴラン、サン・ニコラ・ヂュ・シャルドンネ、サン・ルイ・アン・リールそしてサン・ジュリアン・ルポーヴル……。
パリの大晦日は新年に向ってにぎやかに過すようである。パリ中の寺院の鐘が除夜の鐘よろしく鳴り響くのだろう。
アポリネールの絵画詩「鳥と花束」。
それでは良い年をお迎えください!