板倉鞆音の熱心なファンであるKYOさんより手製の板倉鞆音訳『クラブント詩集』を頂戴した。これは未完のまま原稿として残されていたもので、公刊されていない。その原稿のコピーについては「
古本ソムリエの日記」に出ているので参照されたし。それをMさん(古本メールでおなじみの)がテキストデータ化し、さらにそれをKYOさんがプリントアウトして綴じたものである。まさにプライヴェット・プレス。
クラブント(Klabund, 本名 Alfred Henschke)はドイツの小説家・詩人(1890-1928)。この詩集を今初めて読んだていどの知識。つまらない感想だがボードレール風だと思った。短い作品を一つ掲げる。これは今流行のHaiku(俳句)に近いと思う。
初冬
世界中が風をはらむ
秋が木から落ちる
おれたちは
夢のなか
初めての白い雪……
雪をふむ者は雪をけがす
おれは目をそらす
自分の心が目に浮かぶのだ
ネットでクラブントの書影を拾ってみた。参考まで。雰囲気がある。

Der Marketenderwagen. Ein Kriegstagebuch. Erich Reiß Verlag, 1916

Moreau. Erich Reiß, 1916

Die Krankheit. Eine Erzählung. Reiss, 1917

Dreiklang. Erich Reiss, 1919

Der letzte Kaiser. Fritz Heyder, 1923

Weib und Weibchen. Dr. Eysler & Co, 1924

Peter the Czar. G. P. Putnam's Sons, 1925

Rasputin. Phaidon Verlag, 1929
ちなみに『パンテオン』八号(第一書房、一九二八年一一月)に龍胆寺旻訳「クラブント三章」が掲載され、『カスタニエン』七号(京大独逸文学研究会、一九三四年六月)に田川基三訳で「萬霊節(クラブント短篇集)」と「バルトロメーウスと青年(クラブント短篇集)」が発表されたのが日本での早い紹介のようだ。同じ七号で板倉はリンゲルナッツを訳載している。