善行堂へ向って歩いていると、古本メールのMさんが隣の竹岡書店の店頭に貼り付いて何か買っていた、かと思うと、サッと善行堂に入った。追いかけてみると「サインしてください」と店主に求めている。『関西赤貧古本道』(新潮新書、二〇〇四年)を見付けたのだった。さすが目敏い。
町家古本はんのきの中村氏も来ていたので世界文学社の資料を渡す。蟲文庫を訪ねたことを興奮気味に語る。岡山は他の古本屋も充実しているようだ。善行堂は本がかなり増えている。階段が上がれなくなっているし、テーブルの上にも周りにも山積み。棚よりもまだ値段のついていない平積みの方へ目が行く。そのなかに一冊スッバラしいものがありました! また波屋書房の本も買わせてもらったし、古本まつりを前にしてはずみがついた(といっても今回は所用にて初日だけ参戦の予定)。
その後扉野良人氏が制服姿(僧衣)で来店、出来上がった看板を前に1日のイベントの打ち合わせなど、店主と。そこへ黒岩比佐子さんと牛津太郎先生が登場。黒岩さんは関学主催の講演会の帰途立ちよられた。明治本はもちろんのこと、その他いろいろ話は盛り上がった。なかでは『柳田泉の文学遺産』の部数を教えられて驚いた(黒岩さんは第一巻の解説を書いておられる)。これは古本者なら買っておくべき貴重な本になりそうだ。しかしいちばん声が高くなったのは原稿料の話、とうていここには披露できないフリーライターとして舐めた辛酸の数々……。赤貧ライター覆面座談会を本すれば、ぜったい売れる。
いやあ愉快な半日だった。……と、と、上の本はロアルド・ダールのペーパーバック。デザインが面白いので何もなければ買おうかと思ったが、大収穫があったので、また今度にしておいた。