岡崎武志編『古本検定』(朝日新聞出版、二〇〇九年)が届いた。すごいなあ、古本でこんな問題ができるんだ。古本というか本のあらゆる側面すべてに渡って知識が無いと答えられない。その奥深さが古本の魅力でもあるのだが、底知れぬ古本世界を実にコンパクトに示した一冊だと思う。これをもとにして勝ち抜きでヘイ・オン・ワイ(イギリスの古本村)を目指すという古本クイズ番組でもやってほしいくらい。参考までに初級の頁をかかげてみた。奇数頁に出題、その裏に答え。巻末には業界初(?)の古本クロスワードもある。
なかでも傑作は「中級Q2 天牛書店」。
《天牛書店の創始者・天牛新一郎の孫・高志がアメリカでの修行ののち帰国、アメリカ村(周防町)に斬新な古本屋をオープンさせる。この店の特徴として正解のものを、次から三つ選べ。
1 入口に「ビリケン」像が立っていた
2 店内に神社の鳥居と祠があった
3 本棚をすべて真っ赤に塗った
4 天井が吹き抜けになっていて空が見えた
5 店員はすべてツナギを制服としていた
6 店内にコカコーラの自動販売機があった 》
(正解を知りたい方は本書をお買い求めください。ウンチクも五問ほど出題させてもらっています)
クイズの他に、久住昌之、喜国雅彦、丸尾末広のマンガ、穂村弘、吉田豪、鹿島茂という猛者たちへのインタビューも収録。鹿島茂氏のパリ古本話は桁違いである。《十九世紀の集めるべき本はみな集めちゃった。古書市の棚を見ても「僕のうちの方があるなあ」ということなんだねえ》。または「和書では何を集めていますか」という問い(北條一浩)に《資料として、昭和年代のグラフィックな本や雑誌をよく集めているね。あとは日本人のパリ体験もの。でも、それも集めきっちゃったね》、集めきっちゃいましたか……。