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インドの犬![]() 丸山創『インドの犬』(湯川書房、一九九七年二月二八日、装本=加川邦章)。天地書房の均一台で見付けましたので差し上げますと某氏より頂戴した。著者は『アリゼ』『乾河』『かおす』同人と巻末略歴にある。『アリゼ』は湯川書房で制作していた。このシャレた絵柄は、作者の名前が見えないので、湯川さんの作品だろう。加川邦章は湯川さんの装幀名である。 もうひとつ湯川さんのこと。『風の旅人』38号(ユーラシア旅行社、二〇〇九年一〇月一日)に望月通陽氏が「ぬるい目玉」という題で湯川さんを追悼する文章を書いておられる。二十五歳のとき、染物屋を目指していた望月氏の元へ現れた湯川さんをマタイ伝第四章十八〜二十節のイエスになぞらえている。 《斯て、ガリラヤの海辺をあゆみて、二人の兄弟、ペテロといふシモンと、その兄弟アンデレとが、海に網打ちをるを見給ふ、かれらは漁人(すなどりびと)なり。これに言ひたまふ『我に従ひきたれ、然らば汝らを人を漁(すなど)る者となさん』かれらは直ちに網をすてて従ふ》(米国聖書協会、一九三三年版より) 文中「ペテロといふシモン」とあるのは英語版(AMERICAN BIBLE SOCIETY, 1877)を見ると「Simon called Peter」となっているから「ピーターと呼ばれるサイモン」という意味のようだ。ちなみにアンデレはアンドリュー。これを踏まえて望月氏はこう書いている。 《そして私の岸辺にも、そうなのだ、ひとりの男が現れた。湯川書房主、湯川成一。》 《湯川さんはある所で私の染めたのれんを見たそうで、気まぐれな勘がはたらいたのだろう、その時製作中だった限定本、加藤周一『美しい時間』の差し箱の染めを依頼にやって来た。先に、白いシャツ姿をダンディズム、と書きはしたが、当初の印象は、どこか、よれよれ、に近く、そのよれよれ振りが飄々というダンディズムなのだと気付くには、まだくぐるべきいくつもの波が、私に必要だった。 それから早速仕事の話を進めながら、さほどの時ももたなかったように思う。畳に並べた数点の染め布から、あごの細い、野蒜(のびる)を思わせる顔をゆっくりと上げると、静かに、平淡に、そのくせきっぱりと、こうのたもうた。 「一冊全部染めて、本を作りませんか。」 つまり、「我に従いきたれ」と、こう言うのである。出した茶すら飲み干さぬ間に。》 『spin』04の編集をしているとき、若き日の湯川さんの写真をある方より見せていただいたことがあった。それはまさによれよれの白シャツ、黒のジャケット、なにより驚きは長髪だった。まさにジーザズ・クライスト。湯川さんの心酔者を何人か知っている当方としてはイエスになぞらえたのは妙想だと思う。そういう人(「特殊な」を付すべきか)を惹きつける徳のようなものを身に着けておられた。 それにしても先日も書いたけれど、湯川さんは直観的というか、思いつきを直ぐに実行に移せる人だったし、そういう状態に自分をつねに置くようにこころがけていた。一般書の出版に手を出したのは、その意味で湯川さん的ではなかったのかもしれない。あるいはそれも思いつきだったのか。 ÷ まったく偶然だが、昨年の十月十四日にも湯川さんのことを書いている。今気付いた。 http://sumus.exblog.jp/9687879/ ■
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by sumus_co
| 2009-10-14 21:18
| 古書日録
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