西村氏より最新の佐野資料蒐集情報が届いた。『セルパン』(昭和8年7月1日発行、第二十九号)に掲載された堀口大学「新油絵展を見る」に、佐野繁次郎「自画像」の紹介と図版(上図)がある。
《佐野繁次郎[五字傍点]氏の出品は力作揃だ。この人、在来の錬達した技法に、近来とみに力が加はつて来た。複雑を要約した単純な力強い線だの、人物の表情を単刀直入的に現はす歌舞伎俳優の隈を思はせるやうな明暗の布置等に独特の努力と研究を見せてゐる。如何にもエペントルといふ感じのするしつかりした作をなす人だ。バツクの白茶いろの美しさには、何時もながら眼を奪はれる。》