本日はメリーゴーランドへ一箱古本を持参した。みかん箱ひとつだからまあ何とか運べる。会場の寿ビルがなかなかレトロな建物(写真は下にアップした)。昔、よくこの上階の画廊へ足を運んだ。今も画廊はあるが、別のような気がする(?)。メリーゴーランドも同じフロア(五階)。昔はエレベータはなかった。今はちゃんと奥に備えられていてラクチン。すでに段ボールがかなり積み上げられており、明日の古本市を待っていた。
その帰途、三密堂へ。均一が入れ替わっていたので楽しめた。いろいろ目移りしたが、明日のこともあるし(大阪ですがな!)、控えめに『祖書健鈔抜萃』第六(毘尼薩台巌、村上勘兵衛、一八八二年)を一冊。日蓮宗の聖言集。原版は明暦四年(元治元年、一六五八)だそうだ。抜粋者の毘尼薩台巌(びにさつ・たいごん、1829‐1909)は京都深草瑞光寺の住職。村上勘兵衛は慶長創業の平楽寺書店。
問題は内容ではなくてこの印刷。金属活字である。明治十五年は活版がぼちぼち一般化し始めた頃だろう。この本も奥付は木版のまま。写真は一頁目だが、いきなり誤植の訂正が頁の右下にある。版心(頁の左端の文字が書いてあるところ。袋綴じの和本はここにタイトルや丁付などを印刷する)の巻数の印刷が間違っているのを正している。刷り直すよりここに刷加える方が簡単だったということだろうか。
活字の形も稚くていいが、またこの組み方はなんとも味がある。今では絶対と言ってもいいぐらい、まず考えられない文字組だ。それに一行二十文字(!)、十二行。
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Mさんよりさっそく天神さん、四天王寺の報告あり。
《天神さんの百均報告です。四天王寺にするか天神さんにするか、悩ましい選択でしたが、ソムリエさんが四天王寺からと言っておられたので私は天神さんから。いつも通り途中まで沢山積み上げましたが、結局買ったのは10冊程でしょうか。「季刊銀花」が2冊、初山滋の特集号と「湯川の限定本」掲載号。『近代奇人伝』梅原正紀は持ってるはず、『未完の告白』第一書房は函に入って状態も良でそろばんや書店のレッテルあり、『シャーロック・ホームズ秘聞』長沼弘毅カバー、『南蛮更紗』新村出函壊れ、『明星』第九巻第一号大正15年7月、佐野装本で『少年の橋』後藤紀一等でした。百均台でうろうろしていたら四天王寺から流れてきたソムリエさんにばったり、手がちぎれそうなほど袋をぶら下げて。遅めの昼食をソムリエさんとはんのきの中村さんと一緒に。中村さんは『南蛮更紗』を見て林さんがはんのきの店頭で買われたことを覚えておられました。その後四天王寺に回りましたが百均台では何も拾えず、ちょっと気になっている『近代劇全集第拾壱巻独逸編』を300円で買っただけでした。》
ちょっと迷ったのだが、今日はメリーゴーランド搬入の他にも、煮詰まっている仕事があって出られなかった。なんとかひと山越えたので、明日は出陣じゃーーー!