季節外れの『クリスマス・ストーリー』(DELACORTE PRESS, 1967)。著者はキャサリン・アン・ポーター(1890-1980)、挿絵はベン・シャーン。ポーターはテキサス生まれのジャーナリスト、エッセイストであり小説も書き社会活動家でもあった。小説『愚か者の船 Ship of Fools』はベストセラーにもなっている。スペイン風邪で死にそうになったり、何度も結婚離婚を繰り返し、左翼運動にも近づいた。メキシコでデイエゴ・リヴェラの周辺にいたらしいし、ヨーロッパで暮らしていたこともある。とにかく波瀾万丈の生涯をすごしたようだ。
本来はメソジストだったが、最初の結婚(十六歳)を機にローマン・カソリックに改宗。結婚が破綻してからはほぼ無宗教で通したらしい。最晩年の十年間はローマン・カソリックにもどったという(以上ウィキによる)。ということは一九七〇年ごろからだから、この本が出版されたときにはまだ宗教には帰依していないと思っていいのかもしれない。ただその雰囲気は少しある。
本の内容も、少女が母のためにクリスマスのプレゼントを買いに行くのにつきあって、少女といろいろ会話をするのだが、少女はもうサンタ・クロースを信じていない。でも、彼女の母親が信じているから、母には信じていないとは言えないのだ。現代のクリスマスが宗教行事でもキリスト教以前の習俗でもなく、単なるお祭り騒ぎになっていることを指摘しながら、必ずしもそれを否定せず、子供と大人の逆転を描いていろいろなことを考えさせる。
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連休中の京都はかなりの混雑だった。ただ退潮も早く、今日あたりは道路もすでに空いていたように思う。昨日は何も考えずに金閣寺の近く(西大路通)通ってしまって軽い渋滞にまきこまれた。駐車場へ入る車の列が何百メートルも続いていた。おそらく市中の東西南北の大通りはいずれも混雑していただろう。カーナビも知らないような裏道を通ると、いつもなら商用車やタクシーが抜けて行くのだが、こんなときには誰も通っていない。帰りは注意して道を選んだらスイスイだった。