高橋広江『ヴァレリイの世界』(生活社、一九四三年九月二五日再版)。初版は一九四三年五月二〇日。ここで注目したいのは、この装幀の模様。佐野集成080、096、104 と見比べて欲しい。そこでは生活社の「生活選書」のカバーデザインがそのまま築地書店の「築地選書」、そして主婦之友社の「生活研究会蔵版」に流用されていることが分かるわけだが、しかし「築地選書」の『中車芸話』が一九四三年九月五日発行というのはどういうことか(?)。
わざわざ「生活選書」のカバーデザインを築地書店に譲って、生活社は新たに上の図のような「生活選書」のカバーを制作したということになる。装幀についての記名はなし。ハードカバーでなく単なる紙装にこのジャケットがかかっているだけ。これはまたまた謎が増えた。
なおジャケットと扉では「ヴァレリー」となっているが、本文では「ヴァレリイ」、奥付では「ヴアレリイ」。
÷
北村知之氏が神戸新聞(2009/08/16)に書評を執筆したと海文堂書店F店長よりファックスあり。「書評デビューしました」と。森榮枝『ミカン水の歌』(編集工房ノア、二〇〇九年)を取り上げている。いいかんじに書けている。文末のシメはこう。
《「ミカン水の歌」の物語は、読者に「普通じゃのう」と語りかけながら、当り前のことを教えてくれる。》