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慈善週間![]() ![]() ![]() マックス・エルンスト『慈善週間または七大元素 Une Semaine De Bonté Ou Les Sept Éléments Capitaux Roman』(J.-J.-Pauvert, 1963)より。昨日の木口木版からの連想で取り出してみた。久しぶりのジャン・ジャック・ポヴェール版。 また、近々(7月30日〜9月13日)パリのオルセー美術館で「マックス・エルンスト『慈善週間』コラージュ原画、Max Ernst "Une semaine de bonté" - les collages originaux」という展覧会が開催されることになっている。見たいなあ。 『慈善週間』は一八四点のコラージュで構成されており、一九三三年の夏、エルンストがイタリア北部のヴィゴレーノ(Vigoleno)に滞在したときの成果だそうだ。大衆小説、自然科学雑誌、通販カタログの挿絵を切り抜いて貼り合わせ、まったく別の絵を作った。しかもそれらの素材はほとんど全て木口木版画である。ひと昔どころか何十年も前の挿絵(そうでないとコピーライトがうるさいだろう)、これがまた雰囲気を盛り上げている。 この画期的な「コラージュ小説 roman-collage」は、暗示的な章題と短い詩句の引用が付されているだけでテクストはないのだが、絵を追って行くと粗筋らしきものが見えてくるというか、読者が勝手に作り上げればいいようになっている。 本としては翌三四年にジャンヌ・ビュシェ(Jeanne Bucher)から五冊セット、816部限定(16部は用紙が違うようだ)で刊行された。検索してみると、800部本が二冊ヒットして、US$ 4233.72 と US$ 5824.17 である。 他にも『百頭女』、『カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢』などのコラージュ小説があり、かつてはいずれも河出書房から刊行されていた。今かろうじて『百頭女』『慈善週間または七大元素』の二点は巌谷国士訳で河出文庫に入っている。文庫版は『百頭女』しか架蔵しないが、改めて見直してみると、その巻末には瀧口修造の文章が収録されており、こう書かれていた。 《昔、始めて見たときの「百頭女」は静かな炸裂のように私の若さをゆるがした。その出現は、時知らずの暗黒の大密林で出遭う沈黙の稲妻のようなものであった。》 《このような絵本は、できることならもう一度埃りのなかへ眠らせて終い、幕末の長崎か京都あたりの本屋から秘かに入手するとか、でなければ最近ニューヨークの古物商「タイムアウト」の片隅から不図見付けたと思わせるようにしたいものだが。》 ニューヨークの古物商「タイムアウト」についてはご教示を待つ。ちなみに『百頭女 La femme 100 têtes』は「サン・テット=百の頭」(100 têtes)が同じ発音で「sans têtes」(頭なし)になるというダジャレ。だから「Les Sept Éléments Capitaux Roman」も文字通りの意味の他に何か含みがありそうだが……。 ÷ 夏場のパリはフライト料金も高いし絶対無理。溜息、と思っていると、アイルランドへ行くという友人がメールをくれた。ハリポッターがらみですかな? 関係ないか。以前、アイルランドへ旅行した知人が、不思議なことを言っていた。団体でバス旅行したらしいが、同行の人達はみんな海外旅行の猛者だったそうだ。「世界各地を観光して歩いて最後にたどりつくのがアイルランドらしいですよ」と。ほんとかどうか知らないが、アイルランド、一度は訪ねてみたいものだと、そのときから思っているのである。
by sumus_co
| 2009-07-16 22:06
| 古書日録
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