先日久しぶりで「ちとせ」にお邪魔した。生田耕作氏の弟さんが先代のご主人で、その子息が『sumus』同人の生田誠氏。生田誠氏が京都にいたころには、ここで趣味人の会が開かれていたため、けっこう馴染みになっていたが、氏が東京へ去ってからは、足が遠のいていた。以前にも書いた事があるかもしれないが、『ARE』の終刊記念会をここで開いた。それが一九九八年一〇月一〇日。その日の二次会(キャラメルママ)で『sumus』の創刊と方向が決まったようなものである(そのとき決まったわけではないが、きっかけとして)。
今は誠氏の弟さんが包丁を握っている。先代の頃には京大人文研の人達も頻繁に出入りしていたという。ときおりエッセイに「ちとせ」の名前が登場しているのに出くわす。代が替わると味が落ちる事、京都でもいくつもそういう店を知っているが、ちとせは違った。今もちゃんとした質を受け継ぎながら、リーズナブルな京料理屋として、ちょっと隠れ家的な雰囲気を保っている。四季おりおりに出かけたい店だ。
京都市東山区縄手四条下ル 電話075-561-3515