姫路の素敵な古本屋とはこちら「小さな町 TREE HOUSE」、民家を改造して古書・カフェ・ギャラリーを経営している。ツリーハウスブックストア。二階が古書店。一階のカフェにも古書があるようだが、今回は時間の都合もあってのぞいていない。二〇〇四年開店で古書組合には入っていない(思案中とか)。おおざっぱに言えば、元町のトンカ書店に傾向が似ていなくもない(トンカさんよりも、もう少しストレート)。絵本が柱になっているところは口笛文庫と似ていなくもない。要するに、今どきのセンスがいい古本屋さんのひとつの典型である。
四冊ほど買ったなかで、個人的には『昭和十三年十二月現在京都帝国大学文学部卒業生名簿』(京都帝国大学文学部、一九三八年)と『昭和九年六月現在京都帝国大学文学部学生名簿』が拾い物という感じだった。どちらも数百円。とくに前者は重宝である。まず小野松二をチェックすると、昭和二年英文科卒業となっている。小さな○印で選科生を区別しており、同年卒業の寿岳文章にも○印がある。また先日「
竹村英郎詩集」で触れた竹村英郎(日出男)を卒業生名簿から探してみたが、載っていなかった。卒業していないようだ。
『POETRY19』(永坂田津子、一九六七年八月)これは百円だったが、レクスロス小特集。片桐ユズル、中山容、ケネス・レクスロス、ゲーリー・スナイダー、まさき・よしひろ等が登場している。永坂はこの当時、東京成徳短期大学で教えていたようだ。本名は山田田津子。永坂に関しては「
芦田の毎日」に追悼文が出ている。タイプ印刷の書体が活版とはまた少し違って味わい深い。
いずれにせよ、姫路にこの古本屋ツリーハウスがあるのは心強いかぎり。
◯姫路市本町68 電話079-284-8844 木曜定休