十時に到着。みなさん開場前から並んでおられ、それがまた長蛇の列で、後から来た者は待たされる。それでも六、七分くらいで入場。ここは百円均一がないのであわてても仕方がない。順番にブースを見ていると、ある店主に声をかけられた。目録で注文した品物が当ったという。よっしゃー。発送を指定していたので、会場には持って来ていないというが、まったく問題ない、送って下さい。
しかし、これでいっぺんに探求パワーが低下する。欲しい本はあれこれ見つかるものの、これが百円だったらなあ、とかそんなあり得ない溜息ばかり。なんと佐野繁次郎寄稿の『美ノ國』が見つかった。佐伯祐三の遺作展示についての感想。佐野にとっても重要な文章だ。うううむ、これがけっこうな値段。文章自体は図録に引用されていて読めるため、後ろ髪を引かれながらあきらめる。
手ぶらで出るのもシャクなので、中谷孝雄『同人 青空・日本浪漫派』(講談社、一九七〇年)をレジへ。『群像』初出でそちらは読んだ。ただかなり加筆したとあとがきにあったため買う事に。淀野隆三が頻繁に出てくる。
扉野良人氏に会う。ブッダハンドとゴッドハンドの闘い見られなくて残念だったなあ……。
結局は水明洞の店頭にしゃがみこむことに。勧業館へ向う「みなみ」さんに背中から声をかけられた。それにしてもさすが水明洞だ。佐野繁次郎資料を三点見つけてしまう(別項参照)。とくに『美術の秋』(朝日新聞社、一九三二年)は貴重である。『第6回現代日本美術展』(毎日新聞社、一九六四年)も、この人がこんな絵を描いていたのか(!)という驚きの連続。しかも全体から異様な熱気が感じられた。六〇年代パワーに注目すべし。
初めて入る和食の店でランチを食べ、寺町の額縁店で出来上がった額装を受け取って帰宅。