三月二十一日、十時にホテルを出た。地下鉄で栄から矢場町まで。
パルコ東館四階の「リブロの大古本市」をのぞく。予想以上の選りすぐりの出店内容で、おもわず棚をなめるようにチェックしてしまった。古本オコリオヤジもけっこう売れていてひと安心。
パルコから西へ歩いて名古屋市美術館へ。開館二十年記念の展示をやっていた。ここは美術館にありがちな無駄の多い、使い勝手の悪い建物だ。例えばコイン・ロッカーのスペースがとても狭い。それに反して苛つくような無駄な空間。ただ、展示内容は悪くなかった。荒川修作、河原温、桑山忠明の三人のコレクションからスタートしたと説明されていたが、赤瀬川源平、浅野弥衛、山本悍右、下郷羊雄などなかなか印象深かった。キーファーの大作も良かった。三岸好太郎・節子夫妻の作が並べて展示されていた。節子の絵はタピエスばりにこってりと塗り込んだいい仕事だと思ったが、ヘラヘラッとうすく塗っただけの好太郎の貝の絵の方により充実感があるのはどうしたものか、才能の違いとはこういうものか。ごく小さなフリーダ・カーロの「死の仮面を被った少女」も凄かった。それにしても、昨日見た県美術館とこの市美術館のコレクションを合わせれば、質的にも向上するし、訪問者としても有り難いと思うのだが……、まあ、いろいろあるんでしょう。上の写真は館外に設置されている山口牧生の作品にとまる雀。