マン・レイ・イスト氏の労作『Ephemerons : Traces of Man Ray』(Silver Paper Publishing, 2008)が届いた。というか、じつは持参していただいた。もったいないことであるが、阪急の駅で二駅の距離なので、ティー・タイムにお招きしたのだった。本文の執筆はおろか、組版からレイアウト、入力、プリントアウト、製本まで、すべてマン・レイ・イスト氏が独力で完成させた、智慧と力の結晶である。いろいろな仕掛けもたっぷりあって、じつに楽しい本。いつか、均一の本の間にマン・レイ関連のエフェメラでも挟まっていたら、即、参照できる!(といってもそんなチャンスはまずないだろうけど)。
赤い紙の頁は探求書(エフェメラ)、情報提供を待つ、というリストが44件並んでいる。本文のリスト最終番号は5286である(これはグループ展のパートが5000番台になっているためでした、個展は555番まで、合計841点のデータ収録です)。恐ろしきかな、コレクター魂。
まだ全冊の製本が終わっていない段階なのだが、氏はもうすでに次の著作・造本に思いをめぐらせておられた。そちらもかなりセンセーショナルな内容になること間違いなし。昭和初期における日本人とマン・レイの邂逅がひとつのテーマとなって果てしなく広がって行く。完成が待ち遠しい、といっても二年後を目標とされているようだが。
『Ephemerons : Traces of Man Ray』についての詳細は氏のブログ「
マン・レイと余白で」を参照されたし。