古絵葉書を頂戴したので、二枚ほど紹介する。上は「比叡山[八瀬口]ケーブルカー」、下は「比叡山(坂本口)ケーブルカーより琵琶湖を望む」。八瀬口は、京都側で、大正十四年に京都電燈が開業させた。京都電燈は電力会社だが、嵐山電車軌道も経営していたし、昭和二年には鞍馬電気鉄道をも設立している。昭和十七年に京都電燈が解散するにともなってその鉄道事業は京福電気鉄道に受け継がれたそうだ。滋賀県側の坂本口の方は、比叡山登山鉄道(現・比叡山鉄道)として創立され、昭和二年に営業を開始した。ということだからその頃の絵葉書だろうと思われる。
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『文献継承』(
金沢文圃閣)11〜13号(二〇〇八年二月、六月、一二月)。金沢文圃閣の本といっしょに届いたもの。13号では岡崎武志氏が「新書は何でもありの器だ」を執筆している。また書物藏氏の「戦時読書運動の決定的瞬間:堀内庸村と国民読書」ははなはだ力作である。