車で少し離れた某百貨店まで。広大な団地の中心にある。妻が買物をしている間に山田稔『スカトロジア(糞尿譚)』(講談社文庫、一九八〇年五刷)の元本にはない追加の数篇「ヴォワ・アナール」などを読む。そのなかで「ウンコッロ・クラッター氏の世にもすばらしき体験」に書かれている直腸内視鏡検査の様子に吃驚した。
《次はいよいよ先に豆電灯のついた直径三センチほどの金属の管を穴にさしこむのです》
直径三センチ(!)。ほんとに3cmかどうか分からないが、これは未来社版の『スカトロジア』出版後に届いたファンレターからの引用だから、一九六〇年代後半のことだと考えていいのだろう。「ファイバースコープ付胃カメラ」が登場したのは1964(昭和39)年だそうだから初期のものか。最近ではスコープの直径は11mmのものもあるし、「経鼻内視鏡」は直径5.9mmだという。
『山口憲二郎作品集』(TBデザイン研究所、二〇〇八年、デザイン=羽毛田徹夫)。山口憲二郎氏の追悼集である。『gui』の同人でグラフィックデザイナーとして活躍されていた。作品は多岐にわたるが、やはり目が止まるのは同人雑誌や詩集の装幀だ。藤富保男『風一つ』(思潮社、一九七四年)、奥成達『サボテン男』(思潮社、一九七四年)、高垣憲正『人工天体』(TBデザイン研究所、一九七八年)、『樣』(芸術一番館、一九七四年)などなど。写真の頁は右が『山村雅昭写真集』(TBデザイン研究所、一九七六年)、左上が平岡正明『魔界転生』(TBデザイン研究所、一九七七年)他。