黒岩女史の最新作である。それにしても目覚ましい女史の活躍には驚くばかり。黒岩女史の著作はつねにイメージが先行している。お嬢さまというテーマがあって本書ができあがったのではなく、お嬢さまの写真が掲載された雑誌や絵葉書があってテーマが浮かび上がってきたのではないか。だから女史の選ぶ図版はいずれも選りすぐりなのだろう。女史の美的センスのなせる技にちがいない。
古書の森日記を拝見していても美しい図版や装幀にめっぽう弱いように見受けられる。もちろん資料探索の力量も文章の正確さも備えておられるから、これは鬼に金棒というもの、あ、鬼ではありませんが、とにかく凄いです。