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ROMANtische Seiten

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絵葉書「ROMANtische Seiten」(bk-edition, photo=Stephan Kocher)。

都合により、しばらくブログを休みます。
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by sumus_co | 2011-10-31 19:23 | 古書日録

ぼくの古本探検記

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高橋輝次『ぼくの古本探検記』(大散歩通信社、二〇一一年一一月一日、装幀=朝日久美子、装画=林哲夫)がようやく出来上がった。高橋さんから「まだできないんですよお、どうしたんでしょうね」というファックスが何度も届いていたので、きっと喜んでおられることだろう。内容は『古書往来』(みずのわ出版、二〇〇九年)の続編というか、テルツグ節とでも呼ぶべき円熟の古本エッセイが堪能できる好著になっているように思う。

テルツグ節の特徴。まずは古本との遭遇・邂逅を叙述するところからはじまり、書物の内容をわりあいに詳しく引用紹介し、いもづる式に追記を重ねるというスタイル。ひとりボケ・ツッコミも適度に挟まれ微苦笑を誘う。テーマは古書、出版、埋もれた作家、詩人、画家などに言及したエッセイや雑誌、追悼集などの資料の発掘・探求である。とにかくウルトラ・マイナー・ポエットが好きなんだ、高橋さん。

それぞれの文章に必ずつけられる枕ともいうべき発見譚の一例を。

《秋は大規模な古本展が目白押しである。だが、私は遅れをとってばかりで、どうも近頃、初日の朝から行って競って掘出し本を探そうという意欲に欠けているようだ。十月下旬に開かれた四天王寺古本祭りの際も、初日の午後おそく、ようやく出陣した。
 どの店だったか覚えていないが、黒っぽい本がぎっしり並んでいる間に背のごく薄い本が挟まれていたので、どんな本かと抜き出して見ると、それはあっさりしたブルーの枠の中にタイトル文字だけが書かれた表紙の、小寺正三句集『月の村』(まるめろ叢書1、大阪、星雲社、昭和二十三年)であった。私はとっさに思い出した。この著者は大分以前、梅田、萬字屋書店の均一本コーナーで入手した『へそまがりの弁』(全線社、昭和六十一年)というエッセイ集を出した人だと。》

《さて、この句集をひらくと、見返しに「かがまりて人をながむる秋祭 正三」と自句が直筆で書かれている。さらに日野草城が「著者へ」を寄せ、伊丹三樹彦が序を書いている。これはいいぞ、と思ったが、値段の表示がない。恐る恐るレジに持っていって尋ねると、三〇〇円也。私はしめしめと思い、急いで買い求めた。》

は、は、まるでおのれの姿を見ているようだ(苦笑)。この一篇(「大阪の俳人、小寺正三の人と仕事」)の「追記」は一つだけ(二つ三つは当り前なのに)。

《神戸、三宮での所用から帰る途中、久々に春日道[ママ、春日野道]で下車し、商店街の中にある勉強堂さんをのぞいた。街の古本屋さんだが、時々面白い本もまじっているので、寄るのが楽しみだ。そこで、うれしいことに、『続・紙魚放光ーー尾上蒐文洞追悼集』(尾上静男発行、湯川成一装幀、限定一五〇部、平成八年)を安い値段で見つけることができた。こんな貴重な本が売れずに残っていたのは不思議な気がする。》

ほんと、勉強堂さんはいい店だ。そこで見つけた『続・紙魚放光』に小寺正三も寄稿していた。小寺が同人雑誌(『大阪作家』?)の赤字を埋めるために蔵書を処分して尾上蒐文洞と親しくなり、蒐文洞が堀辰雄の色紙を高く買い取ってくれたという思い出。

他には「十三の詩人、清水正一の生涯と仕事を追って」がいかにも高橋さんらしい追求で、がぜん『清水正一詩集』(編集工房ノア、正・一九七九年、続・一九八五年)が読みたくなる一篇。以前ここでも少し触れた『犬は詩人を裏切らない』(手毬文庫、一九八二年)はほんとにいいエッセイ集。

ところで今検索していると『君に会いたい』(ザ・ジャガーズ、一九六七年)の作詞者が清水正一だとあった。若さゆえ苦しみ 若さゆえ悩み……。十三の詩人と同一人物だろうか? 雑誌『Po』の清水正一特集を元にした高橋さんの記述はこの件に触れていない。

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造本などもこれまでの高橋さんの著書とはひと味ちがう。さすが大散歩通信社。本文のインキがアズキ色なのには意表をつかれた。けれど、馴れるとけっこう読みやすい。

表紙画は街の草さんの店頭に立つ高橋さん。バラしてしまうと、背景と人物は別々に描いてイラストレーター(描画ソフト)で合成してある(アニメの手法ですね)。高橋さんの立ち位置をどこにするかでちょっとデザイナーさんは悩んだ(?)ようだが、通りの奥の建物が見える方がいいでしょうというコンセプトでこの形になった。高橋さんご本人はどう思っておられるか、この似顔絵はそれそうとうに苦心した。自慢じゃないが、似ています。

クリケット日和(大散歩通信社の日常)
http://d.hatena.ne.jp/cricket007/
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by sumus_co | 2011-10-31 16:32 | 装幀=林哲夫

拝受多謝

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『箱組葉月』No.006(roco morrisgumi inc. 二〇一一年八月一日)。『箱組』No.004はかつて紹介したが、いつもながら写真もいいし、収められた文章もいい。吉上恭太さんの「サウダージ ぼくとギターと音楽と」ますます快調。

『紙魚』No.44(書物屋、二〇一一年一〇月二〇日)。孜孜としてつとめるという仕事だ。《いよいよ「新潟県戦後五十年詩史」の執筆を始める時期がきたようだ。一九四六年から一九五五年までの十年間の県内詩人の動向は概ね把握できたと感じている。》と鈴木良一さんが巻末に書いておられる。

『AMENITY』第29号(静かな街を考える会、二〇一一年九月三〇日)。塩山芳明さんの「新・富岡「騒音」日記」が例によって痛快。夜九時の防災無線放送の中止が市長の交替によってアッサリ復活した。《金に汚く女好きと言われているが、前岩井賢太郎市長が、凄く立派な人物に思えて来た。民主党推薦候補だからとロクに背景を調べもせず、とんでもないロクデナシ野郎に夫婦で投票したモノと、遅すぎる反省を胸に……》。この述懐は全国でいろいろな人が抱いている気持ちに共通するのかもしれない。

辰野隆著作四冊。まったく知らなかった二冊と文庫で読んだ『フランス革命夜話』の元本と持っていたが手放した『凡愚問答』(角川新書、一九五五年一二月一〇日、表紙画=アンリ・ルッソオ)を頂戴した。『凡愚問答』の「政治家ぎらい」にはこうある。《少年、青年時代には、政治家という群をことごとく敵として憎み通した。壮年期から初老期までは、政治家群を軽蔑しつづけた。今後、死ぬまでは、そういうどぶねずみ群を唯々無視することになるだろうと思う》。辰野は明治二十一年生れ。好人物だったとはいえ、昭和二十二年まで東大の教員だった。政治家ぎらいにはこの世代のインテリ官僚の心情が要約されているようにも、その無力さが吐露されているようにも思われる。

コーヒーについても記されているのでメモしておこう。

《銀座のあるコーヒー専門の店で、小さなカップにコーヒー一ぱい七百円というのがありますが、それを飲む客があるそうですよ。
ーー江戸には昔から土一升金一升という諺もあるが、コーヒー一ぱい七百円とは、ぼりにぼったもんだね。
ーーところが銀座にはもう一軒古くからある喫茶店があるんですが、そこの主人は昔は科学者だった、まことに人品のよい老人で、その主人が言うのに、どんな佳い種を使っても、コーヒー一ぱいは五十円以上はいただけません、と断言しているんです。これは本音ですね。だから、七百円払ってコーヒーを飲む奴は馬鹿か狂人かということになるのです。》

文中《古くからある喫茶店》はきっと「きゅーぺる」だろう。七百円の専門店は、さてどこだろう? 高いコーヒーを出して有名になったのは「茜屋」だが、昭和四十年代に五百円だったらしいから(佐藤哲也『コーヒー入門』保育社、一九七四年版)、昭和二十年代の七百円はそうとう高額だったはず。
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by sumus_co | 2011-10-31 14:53 | おすすめ本棚

ゴタ派

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百万遍での一冊。この表紙にハートを掴まれてしまった。少々高かったし、ビニール袋でぴったり封じられていた。中を見れば気持ちも違ったかもしれないが、破ってまで見るほどでもないし、かえって見ない方がスリルがあるか……などと、その函の前にしゃがみこんでウンウン呻吟していると、季村敏夫さんが通りがかったので、これ幸いと教えを乞うたが、季村さんでも知らないとおっしゃる。ゴタ派、どこかで……。これを置いて帰っては後でぜったいに悔やむだろうと思い、購入することにした。わざわざ領収書をもらった(というほどの額でもなかったが、百円単位でもなかったので)。

ゴタ派のタイトルについては中を見るとすぐに疑問氷解。

《「ゴタ派」の題名が示すとほりに、同人もいろいろまちまちで、従つて主義も主張もゴタ派である。
 因にこの名は、東京の小山清氏の許可を得て、同氏の短篇「ゴタ派」から戴いた。発刊に際し、「我儘、活発な作品を期待」するといふ激励のお便りに接した。また表紙はゴタ派の溜場クールの末吉春南氏の御好意を患はした。》

《註(小山清氏によると、古本屋仲間では、棚に並べてまともに商品として扱へない代物のことをゴタといふさうである)》

奥付は次の通り。

 ゴタ派 
 第一号
 (定価 五十円)
 大阪市福島区吉野町一丁目一三五
 編集兼/発行人  盛川宏
 印刷所 サイガ孔版
 発行所 ゴタ派発行所
 昭和三十三年四月一日印刷
 昭和三十三年四月十日発行

目次は以下のようになっている。執筆している四名に加えて四反田誠己が同人に名前を連ねている。といっても、ネット検索ではほとんど情報が得られない。ただ「盛川宏」という名前では数々の釣りの本を出している著者がいる。その盛川氏は一九三二年生れ。もしこの盛川氏と同一人物ならば二十六歳のときの同人雑誌ということになる。「逃げたい風景」は小説家志望の青年の奇妙な女性との関係をテーマとした一種のアプレ小説。織田作というか椿實をちょっと連想させるもの、悪くない。

 頓狂なる足 朝名荒一
 逃げたい風景 盛川宏
 打込まれた楔 新井弘実
  詩
 ニーワラの人間達 林 久仁
 (他一篇)
 ゴタ派後記
 表 紙 末吉春南
 カツト 林 邦男

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後記にも出ている末吉春南が主人だったという「茶房クール」が気になる。住所は市電野田阪神電停前西側。ゴタ派の例会通知の会場となっている他に囲み広告も載せている。

 COFFEE
 TEA ROOM KOOL
 [46]1727
 NODAHANSHIN, DENTEIMAE

たとえば「野田阪神の踏切」という詩を書いた桑島玄二は昭和三十年前後、尼崎あたりに住んでいた(詳しくは調べていませんが)。クールにも出入りしただろうか? などと想像をたくましくしたくなる。
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by sumus_co | 2011-10-30 15:34 | 古書日録

平出隆によるエクリチュールとしての造本

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百万遍からの帰途、メリーゴーランドに立ち寄り、平出隆展を見た。装幀家というか造本作家としての平出隆の作品は独特の地位を築いているように思う。かつて吉岡実という詩人であり編集者であり装幀家だった天才がいたが、平出隆はその衣鉢を継ぐ才能だといえよう。吉岡の場合もそうだが、専門家でないからこそできることがある、より高い次元へ踏み込める、そう再確認できる展示だったと思う。

via wwwalnuts叢書全9冊入り(平出隆による切手のオリジナル構成、消印入り)の函が壁にずらり。切手の貼り方はそれぞれ。注文すると平出氏よりメリーゴーランド宛に投函されて消印が押される。メールアートでもある。分売もしている。

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◉via wwwalnuts exhibition 平出隆によるエクリチュールとしての造本
 10月28日〜11月9日

 メリーゴーランドKYOTO
 http://www.merry-go-round.co.jp/kyoto.html
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by sumus_co | 2011-10-30 11:17 | もよおしいろいろ

百万遍青空古本まつり

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汗ばむくらいの一日。九時半過ぎに百万遍の交差点で田中さん、デコさんに会う。「早いですね」と言ったら、臨川書店が九時から開店していたのでとのこと。昨夜ツイッターで九時開店になったという情報が流れ、八時過ぎから並んでいる人がいたとか(!)。実際、すごかったらしい。後で、某先輩が騒ぎまくっていたと某先生からうかがった。

今年は百円均一テントが復活したが(納涼と同じく東北チャリティー)、なんとその開店は十二時からだという。ひねりましたな。それまでは主にシルヴァン書房さんの均一台で遊ぶ。
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百円均一テントが開いた。人が押し寄せてとうてい中には入れそうもない。ちょっと台の置き方を考えて欲しいものだ。

古本猛者の大先輩に久しぶりにお会いしたら、がんセンターに入院されていたという。ところが調べるとガンではなくて、カビが肺に入って悪さをしていたらしい。とりあえず、かたまりになっていたものは取り除いたが、どこでまた増殖するか分からず、安心はできないとのこと。古本のカビが取り付いたのかもしれないと笑っておられた。そのためしばらく黒っぽい古本の集まるところから離れておられたそうだ。といいながらその間ブックオフを百軒以上しらみつぶしに廻られたというから、もう業としか言いようがない。「そっちの病気は直りません(笑)」。

こちらがテントの入口付近でウロウロしている間に、十分とたっていなかったろうが、その方は両手で三十冊ほど抱えておられた。カビより恐ろし古本菌!
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出町柳へ向かう途中、臨川書店の前を通った。もうすっかり荒らされ残骸ばかりかと思ったら、まだまだ拾える。これは困った。ジャン・ジャック・ポヴェールのあれが百円とは、プレィアドのマラルメ全集は五百円。え、クロソウスキー二百円、といったぐあい。日本文学の初版本もかなり思い切った安値で出ていた。そりゃ、ならびますね。
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by sumus_co | 2011-10-29 16:35 | あちこち古本ツアー

京都のシェフにならう お料理教室 ごはん・おやつ

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行司千絵『京都のシェフにならう お料理教室 ごはん・おやつ』(青幻舎、二〇一一年一一月一日、デザイン=北尾崇)。京都新聞の行司さんからこんな可愛い料理本が贈られてきた。いつも本を贈って紹介してちょうだいとお願いするばかりなので、今回はぞんぶんに(というほどでもないですが)ご紹介申し上げたい。

本の内容はまったくもってタイトル通り。すばらしく過不足のないタイトルのつけ方だ。今どきはネット検索を意識して書名や論文の題名にも検索語をちりばめるのが当り前。その意味ではお手本のようなタイトル(とまずタイトルを誉める、ただ「ならう」は漢字でもよかったかも。旧仮名遣いに馴れていると「京都のシェフになろう」と読めてしまう……ってそんなヤツいないか。あいや、なろうでも問題ないかも)。

《本書ではあこがれのお店のシェフに、おうちで作ることのできるレシピを考案してもらいました。和食、イタリアン、フレンチ、中華料理の4分野のおかずと、洋菓子、和菓子のおやつで構成しています。お店の技術を惜しみなく披露してくれた「おうちごはん」と「おうちおやつ」。基本「き」にあたる48レシピです。》(はじめに)

お手本を示してくれるのは、瓢亭、イル ギオットーネ、ボルドー、四川、オ・グルニエ・ドール、塩芳軒。え〜、小生、瓢亭の前を通ったことがある。ボルドーには住んでいた(フランスの街の方です)。かろうじてオ・グルニエ・ドールと塩芳軒は何度か賞味させてもらっている。それだけなので興味津々で読みふけった。レシピはもちろん、シェフの紹介と懇切な解説がついていて、その文章が読みやすい。ある種の名文といえるほど。

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それぞれのシェフの料理解説のなかから印象に残る言葉を引用してみる。なかなか、やっぱり料理は哲学だ。

瓢亭、高橋氏。

《子ども時代は苦手な食べ物が多く、好きな食べ物といえば焼き魚とハンバーグでした。さばのみそ煮は、東京で学生時代を過した時の懐かしい味のひとつ。実は京都から東京に出た時、初めてさばのみそ煮を食べました。今は店のまかない料理として定番的存在。》

イル ギオットーネ、笹島氏。

《ナポリタンはイタリア料理として知られていますが、実は日本独自の料理です。僕が料理で最も大事にしているのは、日本ではぐくまれた「うまみ」を重ねることです。このレシピも市販のトマトケチャップを使うのに、「うまみ」の相乗効果を利用して逸品に仕上げます。》

ボルドー、大溝氏。

《[牛肉の赤ワイン煮ブルゴーニュ風]この料理に出会ったのは70年代。当時、日本ではデミグラソースで作るシチューしかなく、赤ワインも高級で、料理に使うことはありませんでした。フランスでこのソースを食べてみると、日本で食べたボテボテとした味とは違い、軽い舌触りなのに、奥深かったです。》

四川、斎藤氏。

《担々麺は「近鉄大飯店」で修業中に見ながら覚えたレシピです。当初はラードを入れていましたが、健康志向などで味は時代とともに変化しています。》

オ・グルニエ・ドール、西原氏。

《小学校で食育指導をする時、プリンを必ず作ります。洋菓子の基本材料を使うことに加え、命を凝縮した材料に感謝してほしいから。卵は子孫のひなを返すため、牛乳は子牛に栄養を与えるため、砂糖は大地のうまみ。人間が強引に取ったものなのです。》

塩芳軒、高家氏。

《おはぎのおいしさはひとえにあんこ。でもあん作りはとても難しく、京菓子の粒あん作りでも2日間かけます。家庭で作れるように炊飯器を使って、「炊飯」のスイッチを計3回押すだけで作る方法を考えました。》

妻は料理に対して一家言がある。「ぎょーじちゃんが、こんな本出したよ、どれか作ってみたいのある?」と尋ねたら、ハラハラハラとめくっていって、三品を選び出した。

・鶏ミンチと大根のリゾット

・中華風水炊き・ピリ辛ソース

・とら焼

うンまそー。近々わが家でもこれらのメニューが食卓にのぼるのではないかと期待している。行司さん、とってもいい本、サンキュー。

青幻舎
http://www.seigensha.com/
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by sumus_co | 2011-10-28 21:42 | 京のお茶漬け

カイエ ドオル

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上野憲男さん宅で拝見した『カイエ ドオル』第一号(カイエ ドオル社、一九五七年、表紙画=パウル・クレー)。貴重なものだが、拝借して複写させていただいた。編集人は島田しず子(嶋田しず、画家)。題字、挿絵、広告の文字を佐野繁次郎が描いている。

巻頭は林芙美子『放浪記』よりの抜粋。編集後記にこうある。

《えを佐野先生にお願いしたのも、林先生が生前、お約束のあった事、両先生から承っておりましたので、両先生に厚く御礼申し上げます。》

佐野は林芙美子の単行本の装幀を戦前から戦後にわたって何冊も手がけているが、「お約束」とはどういう意味だろう。『放浪記』再刊の際には挿絵(装幀?)を引受けるということだろうか。初版は改造社の新鋭文学叢書(一九三〇年)として刊行されており、デザインはいかにも構成主義ふうのもの。
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次の石原慎太郎の挿絵は島田しず子。この時期には佐野とほとんど同じような絵を描いていたことが分かる。装幀本にもそっくりなものがある。島田はこの後、婦人画報へ移り、パリへ派遣されて、そのまま住み着いてしまうのだが、島田がパピリオを出た後、上野さんが採用されたという流れになるようだ。
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by sumus_co | 2011-10-28 20:14 | 佐野繁次郎資料

宮本常一と芳賀日出男があるいた九州・昭和37年

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題 名=宮本常一と芳賀日出男があるいた九州・昭和37年
    宮本常一写真図録 第3集
発行日=2011年10月25日
著者等=宮本常一、芳賀日出男
監 修=森本孝、高橋延明
発行所=みずのわ出版
装 幀=林哲夫
用紙等=
 カバー ミルトGA スノーホワイト 四六判Y目135kg
     特スミ1° 特色1°
 表 紙 ハーフェア コットン 四六判Y目180kg スミ1°
 見返し わたがみ きなり 四六判Y目135kg
 本 文 MTA+-FS 菊判T目93.5kg


【刊行記念トーク】
宮本常一の写真にみる島の暮しと文化
http://sumus.exblog.jp/16217366/
開催日時 2011年11月3日(木・祝) 15:00~17:00(開場14:45)
開催場所 東京堂書店神田本店 6階
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by sumus_co | 2011-10-28 14:14 | 装幀=林哲夫

黒田三郎追悼

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『歴程』No.258(歴程社、一九八〇年四月一日)。京都へ戻る新幹線で読んでいた。会田綱雄も一文を寄せている。

《昭森社の近くに、兵六という居酒屋があって、むかしから球磨焼酎をおいていたので、わたしはひとりでときどき呑みに行ったが、そこで一度偶然、黒田三郎と隣りあわせたことがある。二十年ぐらいまえのことではなかったか。話しているうちに、黒田三郎が謙虚なはにかみを見せながら歴程にはいりたいが、と言った。思いがけないことだった。わたしは感激して、翌月「歴程」同人会に出席したおり、同人になる意志が黒田三郎にあることを伝達した。》

臼井愛子の「「ラドリオ」から」も貴重な文章だ。

《日暮時お向の二階の笑声が富山房の塀にひびいて私の耳に入ってきます。又森谷さんと何人かの方で酒盛が始まったのでせう。
 時間とともに店はお客様でにぎやかにタバコの煙、思い思いの語らい、店にはシャンソンが流れています。そんな所へ森谷さん、大村さん、うしろよりニコニコ顔で入ってらっしゃった黒田さん何時もお酒を飲んでいらっしゃる時は楽しそうですね。
 或夜私がカウンターの中で働いて居りますと突然「ガシャガシャン」とガラスの壊れる音にびっくり外に飛出て見ますと昭森社の硝子戸がはずれガラスはメチャクチャ、路上にたれかが倒れて居るではありませんか。私は急ぎかけより「だいじょうぶですか? あら黒田さんこんなにお酔いになって、しっかりして下さい」私は腕を貸し「サーお立ちなさい」併し一所懸命起しても又倒れてしまいます。
 よくよく見ますと、ズボンが下まで落ちて、而もベルトの前は掛けたままです。そのため足にからまり十三階段より落ち戸外にまで転げ出てしまったのでせう。幸い怪我もなさらず「どうもありがとう」とニッコリ、それとも苦笑いか暗闇に消えて行かれました。》

森谷さんは昭森社の社主・森谷均、大村さんは大村達子、昭森社を切り盛りしていた女性である。この追悼文集には多くの詩人が文章を寄せているのだが、いちばんすごいとおもったのは娘の須田ユリによる「「かなしい西部劇」」。身内のことだから凄いというだけではなく文章も上手い。いつものごとく泥酔して帰った父黒田三郎が、ねぼけて「インディアンが来る!」と騒ぎ出す。

《私が「お父ちゃま、テレビの見過ぎよ」と否定し、弟もきてもう寝ましょう寝ましょうとせき立てると母も「そうよ、インディアンは石神井までは来やしませんよ」父は耳も貸さずに、私にライフルを出せと言い出した。》

《「灯りを消せ」、「保安官を呼べ」、「その死体を片ずけろ」とやたらと命令を出し、自分も千鳥足で、あちこちぶつかりながら動きまわっている。そのうち何だかホッホッホッと奇声を発しているので、見ると父は今度はインディアンの側にまわったらしい。片足とびに跳びはねる恰好が振っている。》

何十分かそれが続いた。

《あとでトイレに起きて行くと、辺りは静かになっていて、玄関脇に父があお向けに倒れ、刀折れ矢尽きた態で何かうわ言のように言っている。傍らにかがみこんでいる母に向って、「わしのことはいいから、光子お前ら逃げろ。俺の馬に乗って、早く、逃げるんだ」と、まだやっていたのだった。
 あの西部劇ごっこの夜のように、「俺を置いて行け」という父の言葉に叱咤されて私達は今、父を一人だけ見捨ててきてしまった。そして私たちは互いにそのことに触れないように知らん振りして暮している。けれど、あの可愛[ママ]そうな父親を独りだけ、人っこ一人居ない場所に置いてきぼりにしたという意識が、心の深くに刺のように突きささって、日が経てば経つほど、動けば動くほと[ママ]疼くのだ。》

妻光子の文章も容赦なくて素晴しいが、引用は最後の一文だけにしておこう。詩人の妻はこうでなきゃ。

《若し冥土への便があれば、私は夫に言づてを頼みとうございます。
"たとえ誰一人あなたの詩を読む人が居なくなった時でも、あなたの妻は、最後に残る黒田ファンです"》
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by sumus_co | 2011-10-27 21:25 | 喫茶店の時代