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ちくま3月号

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これは昨年の三月、ナゴヤブックマークに参加するため名古屋に着いて、まずは古本屋を巡ろうと名古屋駅から中央線に乗り換えてJR鶴舞駅へ向った、その車中でスケッチした兄妹。「ふるほんのほこり」は紙魚を飼う古本店主のお話。

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『読む人』(みずのわ出版)を買ってくださった方よりの読書カードが届いた。

《「ちくま」でおもしろいと気づいてーーそれが出会い。あとがき文がいい。赤ん坊から年寄りまで、こっそり描いている。いや、描かれた人の中には気付いている人もきっと。6頭身の前身像なども。表情がリアルなのは男性で、女性はやや理想的美型(?)わざとか、やや素人っぽい(描き方)なのがよい。》(神戸市、男性73歳)

÷

都合によりブログ更新をしばらくお休みします。
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by sumus_co | 2010-02-24 20:59 | 装幀=林哲夫

アクション・コミックス No.1

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『アクション・コミックス ACTION COMICS』創刊号(DC Comics, Inc., 1938)が百万ドルで売られたというニュースを見た。新品同様の状態(グレード8.0、very fine)。セールスはComicConnect.comの Stephen Fishler が取り仕切った。売り手はニューヨークで有名な個人コレクター。買手は同社の顧客で、以前もっと状態の落ちる創刊号を購入していたそうだ。

一九三八年、アメリカのコミック雑誌界でオリジナルな作品を集中的に出版していたのはセントール(Centaur)とナショナル・ペリオディカル・パブリケーションズ(National Periodical Publications 後のDetective Comics)の二社だけだった。

同年、ナショナル・ペリオディカルの新しいオーナーとなったドーネンフェルド(H.A.Donenfeld)は編集者のサリヴァン(Vincent Sullivan)に何か新しいキャラクターを見出すように命じた。

同じ頃、マックルー・シンジケート(McClure Syndycate)で働いていた十代の編集者メイヤー(Sheldon Mayer)は、クリーヴランド出身の二人の少年があちこちの出版社に売り込んだものの、どこも買ってくれなかったという、クリプトン星からやって来たスーパーヒーローを使うことを思いついた。

しかし上司のゲインズ(M.C.Gaines)はそのキャラクターがいけそうだと思いながらも新聞配信用には向かないとして、サリヴァンに紹介した。サリヴァンはすぐにそのヒーローの魅力を認め、新しく創刊する『アクション・コミックス』の目玉にすることに決めた。

そしてスーパーマンが自動車を持ち上げている絵を表紙にした創刊号が一九三八年春ごろに出版された。しかし、当時、それはちょっと突飛で風変わりすぎたようだ。読者たちがただちに喝采して飛びついたというわけではなく、売上げもパッとしなかった。しかし徐々に火が点き始め、四号目あたりから部数もどんどん伸びて五十万部に迫る勢いになったという。

以上マイク・ベントン(Mike Benton)『THE COMIC BOOK IN AMERICA』(Taylor Publishing Company, 1993版)より。ここからスーパーマンはアメリカ合衆国とともに世界征服(?)に乗出すわけだが、そもそもは昭和十三年の出来事だったのか……。
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by sumus_co | 2010-02-24 20:53 | 古書日録

近代大阪の出版

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吉川登編『近代大阪の出版』(創元社、二〇一〇年二月一〇日、装幀=上野かおる)。よくまとまった江戸から明治にかけての大阪出版の通史があり、また青木嵩山堂、金尾文淵堂、立川文庫、プラトン社、創元社の各社についての論述あり、大正期大阪の「出版文化展」や『大阪パック』の輝文館を中心にした漫画出版に関する論考も収められ、大阪出版の実力と限界がよく分かる一冊となっている。

目次などは創元社のサイトにて
http://www.sogensha.co.jp/book/2010/01/post-175.html

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これは青木嵩山堂の広告。大阪心斎橋筋博労町と東京日本橋通一丁目はどちらも出版書肆としてはこれ以上ない立地である。建物の違いが大阪と東京の違いを物語るように見える。この大店が大正十年頃に突然、営業をやめた。その理由はどうやら初代会長青木恒三郎が出版業を見限ったからのようである。いさぎよい最後なのだろうか。

廃業したといえば、関東大震災直後に華やかだったプラトン社の終焉は、雑誌発行の赤字が重なってメイバンク野村銀行から支援を打ち切られたことによってあっけなく訪れた。『キング』に対抗しようとして無理を重ねたため、耐え切れなくなっていたようだ。大正十一年から昭和三年までの活動であった。小野高裕氏の論考は淡交社本よりもかなり読みやくまとまっている。

一方、今も健在な創元社について執筆している大谷晃一氏はこう書いている。

《理想は高く持っているが、決して無理はしない。そんな良策の性格が、創元社を手堅く永続させる。が、その半面、より大きな出版社へと成長させなかった理由でもあった。》

出版に限らないが、とくに出版はギャンブル性が強いから、勝ちに行くか、負けない戦い方をするか、一長一短ではある。
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by sumus_co | 2010-02-23 21:16 | おすすめ本棚

鶴見良行の自筆原稿/大学生とマチに出よう

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エビと人間と南スラウェシの海辺風景
鶴見良行の自筆原稿とフィールド・ノート

2010年3月1日 初版第一刷発行

著者 鶴見良行
編者 森本孝
発行所 みずのわ出版

210×148mm

ジャケット パミス 雪 四六判Y目100kg
表紙 パミス 白 四六判Y目200kg
見返 OKミューズファイバーバナナ みどり 四六判Y目120kg

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大学生とマチに出よう
2010年4月1日 初版第一刷発行

著 者 安渓遊地 安渓貴子
発行所 みずのわ出版

210×148mm

表紙 里紙 せいじ 四六判Y目170kg
オビ 里紙 せいじ 四六判Y目70kg
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by sumus_co | 2010-02-23 17:11 | 装幀=林哲夫

松風

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『八雲』第四卷第二号(八雲書店、一九四九年二月一日、表紙=岩田専太郎)より、稲垣足穂「松風」。テキストは『稲垣足穂全集』第十二巻に収録されているが、この挿絵が後年の売れっ子挿絵画家・高沢圭一らしくないタッチで面白い。

「松風」は足穂の神戸モノ。仲間たちとの関わりが一人の女性との交渉を軸に描かれた作品。意図してだと思うのだが、登場人物のイニシャルが重なっていて分かり難い。「T」と「I」が何人もいる(本人も「T」と「I」と両方で登場)。ただ、大正から昭和にかけての神戸の周辺の空気みたいなものはよく伝わってくる。

「スマの浦つて何のことか知つてゐますか」
 Iの肩へ手を廻して、私は口に出した。
「知つてゐます」
「ではシスターは……?」
「きいてゐます」
「スマの浦とのちがひは?」
「一人と二人……でせう」
「そんならレスビアンラヴとは……?」
「……」
「それで」と私は云ひよどんで、「あなたとY子さんとはいつもいつしよにゐるが……さういふことは……」
「ありません」
 はね返すやうな口調である。

「シスター」は塩田勝『流行語・隠語辞典』(三一新書、一九八一年)にも「シス」として立項されている。ところが『モダン流行語辞典』(実業之日本社、一九三三年)には

《シス 英語の Sister(シスター)の略。姉妹のこと。》

としか出ていない。また、どちらにも「スマの浦」は見えない。こんなときにと少しは集めてある小型の隠語辞典類を引っぱり出した。正岡容『明治東京風俗語事典』(ちくま学芸文庫、二〇〇一年、元版は一九五七年有光書房)、てるおか・やすたか『すらんぐ 卑語』(光文社、一九五七年)、『隠語全集』(刑務協会、一九五二年)のいずれにもない。仕方ないのでググってみたらすぐに判明。明治末頃の女学生の間で流行ったようである。

それにしても、昭和三十年前後にスラング辞典が多いのは偶然か、世相を反映しているのだろうか。国会図書館をざっと検索すると、昭和十年前後にも隠語と付く本は少なくない。要するに戦争を隠語がはさんでいるわけだ。
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by sumus_co | 2010-02-22 21:21 | 古書日録

ライカ

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 格別カメラが好きというわけではないが、中学生の頃から何台も使ってきた。ちょうど売り出し中だったハーフサイズ・カメラ(要するに三五ミリのフィルム一コマに二枚写真が撮れる)が最初に買った機種だったような気がする。

 自動車に熱中していた時期でもあり、田舎の国道の脇に陣取って、ごくたまに通る珍しいスポーツカーや外車をパチリパチリやったりしていた。

 これまで短期間にもっとも枚数を撮ったのは大学時代だろう。デザイン科の女友達のために夏休みの宿題としてフィルム百本分を撮った、というか無駄にした。百本となるともう手当たり次第、犬猫はもちろん電信柱とか雲とか雑草とか、なんにでもカメラを向けたのだった。今となっては貴重な記録である。

 この戦前のライカは古美術商の知人から譲り受けた。沈胴式というのか、レンズの筒を手で伸ばしたり縮めたりできる。手動ズーム(じゃないですね)。まだ使えるらしいが、フィルムを巻き付けたりするのが面倒なので使ったことはない。

 しかし機械は放って置くとダメになる。動かなくなったライカを肌身離さず持ってレンズやレバーをいじって生き返らせた話を聞いたことがあるが、そんなところは少し人間に似ているのかもしれない。

 ちなみに本当に百本撮って提出した学生は他に誰もいなかったそうだ。
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by sumus_co | 2010-02-21 20:39 | 貧乏こっとう

杉浦康平のデザイン

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臼田捷治『杉浦康平のデザイン』(平凡社新書、二〇一〇年二月一五日、装幀=菊地信義)。杉浦康平……エディトリアル・デザイン界の巨人といっていいだろう。そのシュミセンのように深くも高い杉浦康平をコンパクトにまとめてみせてくれた臼田氏の力業、いや編集力にまず脱帽する。新書の内容としてはおそらくこれ以上は望めないほどの出来栄えと思う。今後何度も参照する一冊になりそうだ。巻末の主要参考文献も周到である。

巻頭カラー口絵を見てビックリ。「第8回東京国際版画ビエンナーレ」のポスター。これは今も郷里の書斎にかかげてある。銀紙(フォイル?)に刷られていて、それまでまったく見たこともないような表現力に当時は打ちのめされたし、今も圧巻のままだ。代表作だったか。

また本文のいちばん最後に杉浦康平の全作品と蒐集資料が武蔵野美術大学資料図書館に納まることが決まったと書かれている。柳瀬正夢もそうだが、他にもいろいろ入っており、同館はかなりな収蔵のレベルになってきたようだ。
http://www.musabi.ac.jp/library/

個人的に杉浦康平と言えば、埴谷雄高『闇のなかの黒い馬』(河出書房新社、一九七〇年)を最も好きな装幀本のベストテンに挙げると思うし、国書刊行会のセリーヌは『文字力100』にも取り上げた愛着のある造本。それらの他に手近の棚には何かないかと探したら、この講談社現代新書が何冊か挿してあった。このシリーズが本屋に出現したときは驚いた。

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たまたま手にしたのがこの『現代思想を読む事典』(今村仁司編、一九九三年七刷、装幀者=杉浦康平+赤崎正一)。パラパラッとめくっていると、気になる言葉が目にとまった。杉浦デザインとは無関係ながら、昨日会った編集者氏が、著者たちが分かり難い横文字を濫発する悪弊を嘆いたときに、舌をかみそうな「ヴァルネラビリティ」という単語を例に挙げた。そのときは「ははは、その通りですね」と聞き流しておいた。その「ヴァルネラビリティ」が目に飛び込んできた。

昨今流行の、かどうか定かには知らないが、飜訳もけっこう出ており、あの今ではなんでもご意見番になってしまった内田樹先生のご専門でもある、エマニュエル・レヴィナスの用語だったのだ。

ヴァルネラビリティ(可傷性・暴力誘発性)vulnerability

感性を享受(jouissance)と可傷性(vulnérabilité)の二つの様態に分けて……以下略。レヴィナスはフランスのユダヤ人(リトアニア出身)・エリートだから「ヴュルネラビリテ」と言うべきだろう(どっちにしても舌を噛みそうなのは変らないけど)。で、一般の仏和辞典での意味は「もろさ、傷つきやすさ」である。簡単な言葉なんだが、レヴィナスによってそこに込められた意味は屈折している。
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by sumus_co | 2010-02-20 21:11 | おすすめ本棚

100000t

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京都ハリストス正教会の前を通った。北海道に来たみたい? ソテツはないか。

本日は珍しく市中の某ホテルにて某出版社の某氏と打ち合わせ。近ごろはそうとう重要な用件でもメールですませるのが当り前の時代に几帳面な方である。その帰り道、寺町まで足を伸ばして、いつもの尚学堂の他に、わりと最近できた「100000t」をのぞいてみた。レコード、CDが中心だが、古本も予想以上の品揃えだったし、値段もおだやかだった。チラシも各種もらえる。こんどはCDも見てみよう。

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歩道にこんな杭のような看板が立っている。細い階段を三階まで上がるのだ。文庫本を二冊とこのガルシア=マルケスのペーパーバックを買った。

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『The Autumn of the Patriarch』(AVON BOOKS, 198?)。元版初版は一九七五年、バルセロナの Plaza & Janes。米国初版は一九七六年、Harper & Row。AVON BOOKS の初版は一九七七年である。これには刊行年が記されていない。一九八二年ノーベル賞受賞とあるからそれ以後なのは間違いないだろう。ガルシア=マルケスのほとんどの作品は新潮社から飜訳が出ているようだが、この『族長の秋』は集英社が取った(一九八三、文庫一九九四)。『百年の孤独』は物語の復権というか面白かったなあ。
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by sumus_co | 2010-02-19 21:02 | あちこち古本ツアー

佐野繁次郎エッセイ集成

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実現するかどうかは分からないが、佐野繁次郎のエッセイをまとめようとしている。といっても西村義孝氏が、である。氏が新たに収集したコピーなどをひとそろい送ってくれた。

飲食の話、ファッションの話、パリやニューヨークの話、芸術論というか芸談、小説風な随筆など、戦前からあちらこちらの雑誌に発表している。文章は雑なのだが、しゃべりのリズムで読ませてくれる。

たとえば「タバコ」という短文。上の写真に写っているもの。日本専売公社東京地区センター発行の『SMOKING』に掲載された。

《タバコ、いつも二十本入を、手のついたのと、もう一つポケットに入れておかないと、ちょっと不安みたいである。
 ボクのように、ちょっとつけて、すぐ消す人間はボクだけか、と思っていたこともあるが、実際はわりあいにいる。日本人にも外国人にも。
 机のまわりに、もえつくしたための黒い線のあるうちも、ボクとこだけではない。
 ホテルの部屋へ初めて入った時、そんなのをみつけると、あっやってやがる、という気がして悪くない。》

『婦人画報』昭和八年十二月号には「食ひもの自慢」を寄稿し、東京の天ぷらのうまい店を紹介している。花長(はなちょう)、あしべ、はげ天、天菊が《うまい》店。天民、天安、みさご、が《いい方》。これにはパリの魚がまずいという枕がある。

《この間も友人がパリーから慨いて来たが鮪が魚屋に出たのでみなでとんでゆくと首にリボンがかけてあつてそれに『この次の金曜日に切ります』と書いてあつたさうだ。首にリボンをかけた鮪なんて考へただけでもおかしいが、それをその次の金曜日に買つて来ると黒砂糖の羊羹を切つたやうでみんな腹がおかしくなつたさうだ。》

フランスのマグロといえば、先日、フランスが地中海産「黒マグロ」の販売禁止に賛成する方針を示して話題になった。フランスは漁業国でもあるから、これには関係者はショックを受けたようだった。

フランス語では「黒マグロ」のことをトン・ルージュ(thon rouge)すなわち「赤マグロ」と呼ぶ。身が赤いから。英語ではブルーフィン・ツナ(bluefin tuna)=「青ひれマグロ」。面白い。

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大阪中央区平野町のギャラリー・プチフォルムの看板。

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by sumus_co | 2010-02-18 21:05 | 佐野繁次郎資料

HANDBOOK OF THE JAPANESE LANGUAGE

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『KELLY & WALSH'S HANDBOOK OF THE JAPANESE LANGUAGE』(ケレー、ウオルシ商会、一九一六年一一月一五日三版)。著作兼発行者は小林米珂。住所は横浜市中村町一五四九番地。発行所の「ケレー、ウオルシ商会」の住所は横浜市山下町七八番地。

小林米珂はデ・ベッカーという外国人で鎌倉に貸家を九軒持っていたという。高浜虚子や菅虎雄がそれらを借りていたこともある。横浜歴史年表には《1892(明治25)年10月16日, 帰化米人小林米珂が市役所へ出頭し納税手続(帰化人納税)》とも。

奥付にはこう書かれている。

明治二十九年二月十日印刷
同四十一年二月十五日発行
同四十一年九月二十日再版
大正五年十一月十五日三版

これは悩ましい記載である。AbeBooks で調べると、同じタイトルで一九〇二と一九〇四年の版がヒットした。内容も同じようだが上記のどれにも当てはまらない。序文の末尾に1898と記されていることからすれば、最初の明治四十一年がじつは三十一年の誤植ではないかと疑われるが、それでもまだ印刷と発行は二年空いている。むむむ。

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最初の方のページ。外国人旅行者が知っておくべき簡単な言葉が並んでいる。
Thank you のところに

Arigato(Kobe and neighbourhoodーoki ni)

とあるのが面白い。「おきに」は神戸の近隣で使われるのか。ローマ字なので明治時代の日本語の発音がけっこう今とは違っているのが分かる。この辞書も月曜日に善行堂で入手した。

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小林米珂について柳居子翁より御教示を賜った。なんと明治三十七年、モルガンとユキの結婚式が小林宅で執り行われたとのことである。駐日米国総領事エドワード・C・ベローズも参列していたそうだ。詳しくは翁のブログにてお読みいただきたい。ベッカーはかなりの顔役だったのだろう。

http://plaza.rakuten.co.jp/camphorac/diary/200701200000/
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by sumus_co | 2010-02-18 20:24 | 古書日録