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小野十三郎全詩集

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最近必要があって入手した『定本小野十三郎全詩集 1926-1974』(立風書房、一九七九年、装幀者=多田進)。拙著『文字力100』風に撮ってみた。多田進氏のレイアウト、造本(判型、用紙、組も含め)が全詩集の類いにはそれまでなかった(?)ようなスマートさである。

この本には、寺島珠雄による詳細な「小野十三郎年譜」が付されている。もうこれは評伝と言ってもいいほどの出来映え。当然ながら、小野はこの本の刊行後も長寿を保ち、一九九六年に九十三歳で歿するが、寺島の年譜記述も止むことがなかった。

全詩集以後は『小野十三郎著作集』第三巻(筑摩書房、一九九一年)に、生年から一九九〇年八十七歳まで収録され(全詩集よりも簡略な記述)、さらに小野歿後の寺島珠雄『小野十三郎ノート』(松本工房、一九九七年)にも「小野十三郎年譜 著作集以後」が収録され、完結(?)を見た。

全詩集のなかではやはり『大阪』(赤塚書房、一九三九年)の諸作が飛び抜けている。ある高みに達した感じだ。

2008年の最後を飾る一冊。ということで正月もブログは休みません。
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by sumus_co | 2008-12-31 18:05 | 古書日録

petit à petit

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27日にスカパーで放送された「Edge 2」の録画DVDを知人より頂戴した。さすがテレコムスタッフのベテラン・スタッフだ。うまくまとめてあった。実際にはこの何十倍もの映像を撮影したわけで、よくぞここまで絞り込んだな、という感じである。三十分、あっという間。四十五分番組でもよかった(欲張りですが)。

知人が同封してくれた本ではなく本の姿をした紙匣である。お手製だとのこと。お見事! プティタプティ(petit à petit)は「少しずつ」。

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by sumus_co | 2008-12-31 17:41 | 古書日録

花森安治の編集室

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唐澤平吉『花森安治の編集室』(晶文社、一九九七年、ブックデザイン=平野甲賀)。先頃、花森の話題が続いたのをいい機会に、買いそびれていたこの本を入手した。新刊で注文したところ「品切れ」との返事だったため日本の古本屋を通じて購入した。(ただし現時点ではまだ晶文社のHPに載っている)

とても読みやすい文章で一気に読了。晩年の花森安治の下で六年間働いた唐澤氏の体験談がなんとも面白い。品切れはもったいない。『暮しの手帖』がどうして成功したのか、花森安治とはどういう人間だったのか、内部からのまなざしで実感することができた。

戦前から戦後にかけて花森は変化していない、ブレていない。これは間違いないようだ。その象徴が花森が大政翼賛会時代に使っていた仕事机であろう。その古い木の机を『暮しの手帖』のスタジオでも使用していた。机が気に入っていたとか、そういうことではおそらくない。戦時中その机で行った仕事に「職人」としてプライドを持っていたということだろう。そのためかえって戦前戦中の仕事について口を閉ざしていたのかもしれない。

ワンマンで強引な花森論理についてもあれこれと語られている。著者は、ある意味、花森を大きな存在としながら、数々の逸話によってその普通人の側面を読者に認めさせようとしているかのようだ。むろんどんな偉人だって人間なのだから当り前のことでもあるが。

とくに興味を引かれたのは、ソウテイにどういう文字を当てるか、という花森理論。正確を期すため全文引用してみる。

《「幀という字の本来の意味は掛け物だ。掛け物を仕立てることを装幀という。本は掛け物ではない。訂という字はあやまりを正すという意味だ。ページが抜け落ちていたり乱れているのを落丁乱丁というが、それを正しくするだけなら装訂でいい。しかし、本の内容にふさわしい表紙を描き、扉をつけて、きちんと体裁をととのえるのは装訂ではない。作った人間が釘[ルビ=クギ]でしっかりとめなくてはいけない。書物はことばで作られた建築なんだ。だから装釘でなくては魂がこもらないんだ。装丁など論外だ。ことばや文章にいのちをかける人間がつかう字ではない。本を大切に考えるなら、釘の字ひとつもおろそかにしてはいけない」》

出典が記されていないから、これは唐澤氏の聞書きと理解しておくが、はっきりいってこじつけそのもの。《装丁など論外だ》と言う、その「丁」という字は《釘の形で、釘の初文》(『字統』)なのだから釘と同じで、釘のご先祖さん、クギの形を現した象形文字。だから論理的に考えて、もし本が建築だからクギを使うというなら「装丁」の方が本当であろう。

「幀」が掛け物というのはその通り。だが、だからダメというのもあまり賛成はできかねる。クギよりも絵絹(元来は枠に張った絹絵が「幀」の意味だった)の方が、巻物や和本を考えた場合、明らかに妥当である。実際に花森もソウテイのために多くの絵を描いているのだし。「装訂」についてはまったく同感。長沢規矩也の説に従う辞書が間違っている。

もうひとつ文字のこだわりで引用すれば、忠臣蔵の蔵は旧字の「藏」でないとだめだったそうだ。藏にはカギが付いているから、という子供みたいなリクツによって、である。むろん旧字のカギのように見える部分は武器の象形でカギとは無関係(花森が白川静を読んでいたら、とても面白がっただろうに!)。その一方で難しい漢字を使うことを極度に嫌ったというからもうメチャクチャである。

ただしかし、そんな強引な「親方」のメチャクチャさが、今の雑誌に失われているのかも知れないな、とあらためて考えさせられたのも事実である。

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早乙女貢氏が亡くなられた。作品などではまったく存じ上げない作家だが、大衆文学研究会の重鎮であったため、『喫茶店の時代』で研究賞を頂戴したときの授賞式の会場でお話させていただいた。まさに文士の出で立ち(紋付袴)、物腰だった。控え室で、中山義秀の思い出を尾崎秀樹の遺族の方々や伊藤桂一氏らとされていたのを、かしこまって拝聴したことを記憶している。御冥福を御祈りする。
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by sumus_co | 2008-12-30 21:07 | 古書日録

昏睡季節(ふたたび)

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『初版本』終刊号(人魚書房、二〇〇八年十二月三十一日)に掲載されている大地達彦「詩集を掘り出す」というインタビューに『昏睡季節』が登場していた。この詩集については以前も(http://sumus.exblog.jp/7446903他)何度か触れてきたが、この記事には驚かされた。

《大地 小さな当たりはいろいろありますが、大当たりとなると、十年くらい前に島根の古本屋で見つけた吉岡實の『昏睡季節』(昭和十五年、草蝉舎)ですね。この本です。
編集部 最初から凄い本が出てきましたね。しかも見事な極美本だ。裏にレッテルが切らずに残っている。「百部限定一万三千円」。『昏睡季節』が一万三千円!》

さらに「用紙は友情の餞け/編むは出征の感激」と題された当時の新聞記事切抜きが挟まれているというのも珍しい。他の詩集もすべてウルトラ級の掘り出しばかり。しかもここ数年間、地方の古書店でというから、なんともかんとも……。それにしても大地氏のみならず『初版本』に登場する人たちの深い探索には感嘆するばかりである。

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『VIKING』696号(VIKING CLUB、二〇〇八年十二月三〇日)、中尾務氏の連載「VIKING(九)」に「らんぼお」が登場している。富士正晴が「VIKING号航海記6」で、上京したときに『近代文学』の編集者の前で、『VIKING』と『近代文学』と「どっちが後までつづくと思いますか」と問われて、「それはVIKINGやね」と答えたという逸話を検証しているが、その場所が神田の「らんぼお」だったというのである。

これについて中尾氏は当時その場にいた中田耕治に手紙を書いて問い合わせた。その返答によれば、場所は「らんぼお」ではなく「ラドリオ」だった。

《「ラドリオ」の〈細長いテーブル〉の右に原通夫、平田次三郎、本多秋五、佐々木基一、埴谷雄高、荒正人、山室静、左に安部公房、中田耕治、富士正晴、野間宏、中村真一郎、椎名麟三と並んでいるところで、原通夫の発言があり、〈富士さんが「それはVIKINGやね」と答えたことは、よくおぼえています〉とのことであった》

年月日については、一九四八年か九年というところを、中尾氏は富士のメモより一九四九年一〇月二五日と特定している。手帳にはこう書かれているそうだ。

《ランボオ(午后三時)スルガ台下/コレ以後1時スギ/佐々木、本田。/山室》

そこで小生の『喫茶店の時代』から「らんぼお」の閉店時期が昭和二十四年四月頃という引用が挟まれている。この時期については『森谷均追悼集』(森谷均はらんぼおの店主、出版社・昭森社の社主)の年譜を根拠にしたものである。

ただこれについては異論がないわけではない。「神保町系オタオタ日記」によれば、《昭和24年6月9日消印の埴谷雄高の野間宏宛書簡に「ランボオ」が出てくる》し、《草野心平全集第12巻所収の年譜の昭和24年10月の欄に、「「歴程詩の会」(神田・らんぼお)を開催》という記載があるらしい。

そして、富士の手帳が第三の証言となってくると、いずれもラドリオとの混同だと簡単にすませていいものかどうか。もう少し決定的な証言が欲しいのだが……。
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by sumus_co | 2008-12-29 20:28 | 喫茶店の時代

少年の頃 竹久夢二

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讃岐で買った『家庭』(精美堂、明治四十二年五月一日)第一巻第三号。日本女子大学校の編集になる雑誌。一九〇九〜一九一一まで刊行されたようだ。巻頭は創立者で校長の成瀬仁蔵「婦人と国民」。第六回卒業生の記念写真も掲載されている。明治のお嬢さま方である。購入の決め手は竹久夢二のエッセイが載っていたこと。

『夢二画集 春の巻』(洛陽堂)が発行されるのは同じ明治四十二年十二月、これがよく売れて、夢二時代が始まるわけだが、まだこの頃は一介の挿絵画家だったろう。二十四歳余である。岸たまきと結婚して長男をもうけたのが前年で、この年には離婚している(ただし翌年たまきと再婚する)。

「少年の頃」(夢二は明治十七年生れなので、明治二十年代になろう)の思い出として三つの小文が記されている。ひとつ目は、播州から年老いた巡礼が四国遍路へ向かう途中で無料の宿を尋ねられ、大師堂へ案内してやるというもの。

ふたつ目は姉との思い出。夢二の絵そのもののような描写である。

《姉と裏の丘へのぼりました。いつものやうに樫の木の下に茣蓙(ござ)を敷いて、二人で並んで坐りました。夏の日光が梢や葉の間から洩れて、姉の頬のあたりをチラチラと射しました》

みっつ目はお腹が痛んだときに飲まされる富山の置き薬セメンエンへの恐怖。花が咲く頃にやってくる越後獅子。どちらも北の方から来るのが不思議だったこと。

《「シモンズ」というやはり医者の宣教師がおりました。シモンズが作りました薬の中に「セメンエン」というのがありました。私、子供のころ病気をしますと、富山の売薬がいつもあり、その中から飲まされたものです。その中に「虫下し」のセメンエンがあったのを覚えています。セメンエンは今でも富山の池田屋という古い薬屋さんにあり、作っております。これはシモンズが作った薬です。》(神奈川県立保健福祉大学長・阿部志郎氏の講演録より)

ツムラの大正時代の医薬品」にセメンエンの袋が出ているが、そこには「SANTONINE」と表記されている。サントニンは中央アジア原産の薬草で、虫下し、下痢、腹痛、発熱、消化などに効果があるとされるようだ。
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by sumus_co | 2008-12-28 21:30 | 古書日録

北園克衛と政田岑生

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北川純氏よりコメント欄にてご質問をいただいたので、お答えしておく。カギコメだったが、公開にてお答えしたい。

ご希望の写真は上図。『海鳴り』19号(編集工房ノア、二〇〇七年六月一日)掲載の鈴木漠「書肆季節社愛惜」より、《1957年9月広島市内で。北園克衛(手前)と政田岑生(中央)/(堀内れい子氏提供)》。『洪水』の創刊メンバーを中心に行われた「第一回構成詩展ー詩と写真とデッサンによる新しいタブローへの参加」と銘打った盛大なイヴェントが催されたときのもの。昭和三十二年九月。

なお北川氏に関する記事として、架蔵の『洪水』第6冊(一九五九年十一月一日)には下記のように記されている。記者は大塚啓也。

《北川純は、関西で始めての季刊総合誌を編集する。すでに資金的なバックアップがあり、針生一郎、広島では松元寛や「洪水」「存在」グループにおけるスパーク・ヤンガーの原稿がとどいている》

《北川純が企画並びに造本する豆本詩集シリーズ第一冊目として、大塚啓也の「意味論」等が予定されている》

当時のことをぜひ記録されておかれるように希望したい。
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by sumus_co | 2008-12-28 13:39 | 古書日録

ちくま

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『ちくま』(筑摩書房)一月号より表紙画を担当させてもらうことになった。デザインはこれまで通り吉田篤弘・浩美のご両人。世界の奈良美智の後を受けるということで、けっこうキンチョーした。奈良氏の表紙、好きだったし。小生でよろしいのでしょうか、という健気な心境だった。

編集長のA氏は、ちくま文庫を編集していた(している? 最近では、青木正美さんの『古本屋群雄伝』もA氏の担当だったらしい。某氏によれば、優秀だと盛んに青木正美さんが褒めておられたとか)。岡崎武志氏の古本シリーズなども手がけている。一風変わった趣味人だと思う。むろん古本者である。かつて単行本では大川渉さんの『文士風狂録』(二〇〇五年)にも間村俊一さん装幀で本の油彩画を提供させてもらった。

八月中旬、打ち合わせのためにわざわざ京都の拙宅まで足を運んでくれた。三年前に一度お会いしていたが、ドアを開けると、坊主頭にバスキアのTシャツ(ユニクロ)という、すばらしい出で立ちで、一瞬、声を失った。携帯電話も持たないらしい。それで編集長が勤まるのか。問題なく勤まります、とのこと。

ということで、一月号からの『ちくま』はA編集長のカラーでリニューアル(本文レイアウトも変更になっている)。内容も、出版社のPR誌のなかでは今いちばん多彩で充実しているのじゃないだろうか。

http://www.chikumashobo.co.jp/pr_chikuma/0812/
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by sumus_co | 2008-12-26 20:39 | 古書日録

本の雑誌 2009年1月号

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『本の雑誌』2009年1月号(本の雑誌社)を久々に買った。「坪内祐三の読書日記」に『佐野繁次郎装幀集成』についての言及があったからだ。

《十一月三日(月) きのうの東京堂での私のトークショーに出席していた西村義孝さんからもらった『佐野繁次郎装幀集成』(みずのわ出版)を眺め読む。サブタイトルに「西村コレクションを中心として」とあるように、これは、西村さんの集めた佐野繁次郎装幀本の図録集だ。西村さんを私は、吉田健一本のコレクターとして知った。十年ぐらい前だろうか。西村さんは、いわゆる何でもかんでもという古本マニアではない。一作家集中主義だ。その西村さんが、「佐野本を探す蒐集のきっかけは『sumus』の2号(2000年1月20日発行)特集「画家の装幀本」の中の一つ林哲夫「佐野繁次郎」」だったという。それが僅か十年足らずでこのコレクション。西村さんは特別の金持ちでなくごく普通のサラリーマンなのに、凄い人だ。》

坪内さんはいち早く、そして、つねに『sumus』を支持してくれた人である。西村氏の凄さについても前々から口にしていた。素直によろこんでおこう。

それにしても同じ日記に、『図書』の岩波新書創刊70年記念号「私のすすめる岩波新書」のアンケートは、回答謝礼が広辞苑最新版だとあるのには驚いた。手許にあるその『図書』を見ると218名の回答が載っている。一人三冊岩波新書を選ぶのだが、そのなかでもっとも多くの人が挙げたのが『バナナと日本人』である。九人。

小生、岩波新書はそんなに架蔵していないけれど、すぐに思い浮かぶ印象深かったタイトルは下記の通り。

・漢字 白川静
・画家と画商と蒐集家 土方定一
・京都 林屋辰三郎

『漢字』は松岡正剛氏が『京都』は南川高志氏が挙げている。土方は忘れ去れているようだが、美術の見方を広げてくれた好著だと思う。ちなみに坪内氏は謝礼の広辞苑が場所をとりそうだから断ったそうだ。

この『本の雑誌』の巻末にある椎名誠「今月のお話」を読んでいると、休刊しなければならないほど売れ行きが落ち込んでいると書いてあった。なんとか今回は休刊は思いとどまったものの、そうとうキビシイらしい。坪内日記の立ち読みしかしない者がどうこう言う筋合いではないが、続けて欲しいものである。
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by sumus_co | 2008-12-26 20:15 | 佐野繁次郎資料

文学会議 第四輯

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日本文芸家協会編『文学会議』第四輯(大日本雄弁会講談社、一九四八年、装釘=花森安治)。1輯 (昭22. 4)〜9 輯(昭25.7)まで刊行。カギコメ様より花森安治についてさらにご教示いただいて、郷里の書棚から持ち帰ったもの。カギコメ様はこのように書いておられる。

《小生は「歴史日本」を1、2、3の各巻1冊ずつもっています。表紙の絵はみな同じのようです。翼賛会時代、装釘が花森安治の実名でわかっているのは中山富久「放列」だけで、他にあるのか小生把握できていません。雑誌への寄稿では「国語文化」と「宣伝」がありました。》

中山富久『放列(バアタン砲兵戦記)』は育英書院、一九四三年刊行。戦後の花森に真っ直ぐつながるデザインだ(佐野繁次郎のテイストをもっと繊細にした感じのイラストである)。タイトル文字がいい。このあたり探索して行けばまだ出て来ないとも限らないから楽しみが増えたというもの。ソムリエ氏あたりに見つけてもらいたい。

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一週間ほど帰郷していて、咽をやられた。風邪のようだが、鼻水や熱はなく、カラ咳が出る。いろいろ留守中に頂戴していた書籍類などはぼちぼち紹介してゆきたい。讃岐ではいつもうれしい収穫のあった古本屋が店売りをやめたので、面白味が半減した。それでも、何冊かは買った。こちらも近々報告します。
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by sumus_co | 2008-12-25 21:01 | 古書日録

美のおもちゃ箱

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百点美術館編『美のおもちゃ箱』
編集顧問=粟津則雄
装幀=巌谷純介
2009年1月10日発行
芸術現代社

かつて福島市に開設されていた百点美術館の主宰者・河野保雄氏のコレクションをもとにしてまとめられた画文集である。ガラス絵なども含めた愛らしい小品を、粟津則雄、原田実らのエッセイとともに収めている。作品図版はすべてカラーで百点近くあり、岸田劉生、長谷川利行、竹久夢二、谷中安規、川西英、小山田二郎、駒井哲郎、清宮質文、脇田和、鶴岡政男、恩地孝四郎、谷内六郎などなど。ほとんど知られていない作品ばかりと言っていいだろう。じつに新鮮だ。表紙は初山滋。個人的には、清宮のガラス絵、鶴岡の水彩デッサン、駒井の版画などは「盗んでも欲しい」作品。いつか小生も所有する小さなコレクション(古本以外のものです)をこんなふうに画文集に編んでみたいものである。絵や彫刻の楽しさ、コレクションの楽しさを再認識させてくれる一冊と思う。
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by sumus_co | 2008-12-25 15:01 | おすすめ本棚