林蘊蓄斎の文画な日々
by sumus_co
カテゴリ
古書日録
もよおしいろいろ
おすすめ本棚
京のお茶漬け
東京アレコレ日記
佐野繁次郎資料
宇崎純一資料
渡邊一夫の本
青山二郎の本
spin news
読む人
パリ古本日記
写真日乗
あちこち古本ツアー
装幀=林哲夫
著述関連
画家・林哲夫
雲遅空想美術館
淀野隆三関連
喫茶店の時代
うどん県あれこれ
貧乏こっとう
ほんのシネマ
以前の記事
2017年 09月
2016年 11月
2016年 01月
2014年 02月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
more...
フォロー中のブログ
フランス落書き帳
フランス美食村
退屈男と本と街
ニューヨークの遊び方
gyuのバルセロナ便り ...
奥成達資料室blog版
空ヲ洗フ日々 十谷あとり
浅生ハルミンの『私は猫ス...
古書渉猟日誌
bookbar5
わたしつくるひと
猫額洞の日々
トスカーナ オリーブの丘...
フォロニアム
昨日の続き
モンガの西荻日記
往来座地下
天音堂★山口ヒロミ工房_...
NabeQuest(na...
フランス古道具 ウブダシ
Mの日記@古本T「たまに...
日常と夢の記憶
Gallery Shim...
and so on...
亡兎観現世
石のコトバ
ボローニャに暮らす
糸巻きパレットガーデン
Kumatetsu Ga...
Muntkidy
Lenzgesind
奈良 智林堂書店  
うらたじゅんの道草日記
高遠弘美の休み時間・再開...
ネジ式
さし絵のサイン
机の上で旅をしよう(マッ...
森のことば、ことばの森
新潟絵屋Blog
オックスフォード便り
白 の 余 白
Madame100gの不...
ツレヅレナルママニ(みど...
関西の出版社
めぐり逢うことばたち
古本万歩計
りはびりカメラ
ムッシュKの日々の便り
Books & Things
ちらしDMコレクション
ネコと文学と猫ブンガク
daily-sumus2
メモ帳
お問い合わせはこちらまで

本を散歩する雑誌 [スムース]
洲之内徹略年譜
『書肆アクセスの本』
ほんまに日記
恵文社一乗寺店
Calo Bookshop & Cafe
貸本喫茶ちょうちょぼっこ
BOOKONN
奥付検印紙日録
とらんぷ堂
書肆砂の書
みずのわ編集室
みずのわ放送局
エエジャナイカ
蟲文庫
古書日月堂
海月書林
田中栞日記
古書の森日記
日用帳
なえ日記
lady pippon
古書現世店番日記
海ねこ的日々の暮し
m.r.factory
ナンダロウアヤシゲな日々
内澤旬子・空礫絵日記
四谷書房日録
森茉莉街道をゆく
ねこそぎ記念
本の街日記
リコシェ
旅猫雑貨店
津田明人
北方人日記
柳居子徒然
駅前糸脈
日々のあわ.。o○
晩鮭亭日常
空想書店書肆紅屋
bibliomaine mod
autographes et …
BiblioMab
Le blog de Yv
Le Monde
Gibert Joseph
bnf
BRITISH LIBRARY
Galaxidion
Library of Congress
Strand Bookstore
The Book Design Review
penguin blog
Mark Simonson Studio
modernmechanix
くうざん本を見る
神保町系オタオタ日記
ma-tango
jun-jun1965
書物蔵
スローラーナー
本はねころんで
漁書日誌
城戸朱理
町家古本はんのき
古書ダンデライオン
Kanecoの日記
吉岡実の詩の世界
qfwfqの水に流して
古本屋ツアー
清水哲男
Automat svět
細馬宏通
中野晴行
古通・編集長日誌
昭和初期抒情詩と江戸時代漢詩のための掲示板
喫茶・輪 
古本ときどき音楽
本と暮らす
ウロボロスの回転
表現急行
tundowの日記
盛林堂日記
フクヘン
ですぺら
花森安治の装釘世界
文壇高円寺
ぶろぐ・とふん
medievalbooks
マン・レイと余白で
okatakeの日記
古本ソムリエの日記
最新のトラックバック
京都印刷発祥之地 記念碑建立
from 印刷見聞録|からふね屋|京都
本を散歩する雑誌 [スム..
from 相互に旅をする人
土曜日のブックオフ
from 古本万歩計
[書評][詩歌に寄せるエ..
from 読書百篇
第33回西荻ブックマーク
from 西荻ブックマーク
北野武似の少年は夏休み、..
from 月の風ノート
【ライト兄弟】についてブ..
from 最新キーワードチェック!
『田辺茂一と新宿文化の担..
from じんぶんや「紀伊國屋書店と新宿」
美の名言
from 美の名言
横尾忠則の小説
from Mの日記@古本T「たまにはス..
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


<   2008年 09月 ( 21 )   > この月の画像一覧

ゴスペル

b0081843_2023457.jpg


おしゃれな詩集を頂戴したので紹介しておく。佐藤わこ『ゴスペル』(トランジスター・プレス、二〇〇七年、装丁=しのやま小百合)。ラジオピープル・ブックス第1号。トランジスター・プレスの設立宣言書のような折畳まれた紙が入っていた。これがなかなかいい。

《小さくてもものおじせずに液晶画面からは伝わらない生でホッとな言葉をガツンと発信する本や雑誌を作りたい。本は商品だという商業出版とはちがう、もう一つの道を探ってみたい。だって本は友達!》

《インディーズ、スモールプレスの元祖は、ホイットマンやエミリー・ディキンソンだという文章を読みました。ホイットマンは、葉っぱを1枚1枚とじるように詩集を作っていた。トランジスター・プレスは Leaves of Poets 「詩人の葉」という詩集のシリーズを作りたい。手のひらの上に、美しい葉っぱをそっととどめておきたい。そんな気持になるような詩集を作りたい。》

《[帝国よりも大きくゆるやかに vaster than Empires and More Slow](ル・グィンの短編より) かつてトランジスター・ラジオが小さな高性能ぶりで世界の人たちに支持されたように、へなちょこモードだけど大きくゆるやかに一生続けられる出版活動をしたい そんな気持でがんばらないと。それでは!》

『ゴスペル』は横書きで左から真ん中まで日本語の詩集、裏から(といってもどっちが裏だか表だか)真ん中までがその英訳(あるいは日本語訳なのかも)という変則的な組版。要するに表紙が天地逆になるというわけだ。じつは小生も、昔、似たような形式の本を作ろうとしていたことがあったのだが、結局はボツにしてしまったので、「やるじゃない」と思うのだった。

そうそう、この詩集、サンフランシスコのシティライツ書店にも並んでいるそうだ。
[PR]
by sumus_co | 2008-09-30 20:54 | おすすめ本棚

本の狩人

b0081843_19433791.jpg


山口昌男『本の狩人 読書年代記』(右文書院、二〇〇八年、装幀=大森裕二)。「若き無名時代の書評から円熟期の読書論まで」と帯に書かれている。そう、初期の、主にアフリカに関する本を批評している文章はちょっと痛烈だ。よく言えば、誤訳を細々と指摘しているところがいかにも若々しくて新鮮、批判されている著者からすれば、直接言ってくれという感じか。

山口氏は言うまでもなく古本猛者。本書でも古本についていろいろと語られている。なかで「書店で面白い本を探すための私の方法」(1990)などはさすがと唸る。麻布高校での教師時代に女性にもてる生徒からそのもてる秘訣を教わったそうだ。

《どうして、そのように的確に古本が手に入るのかとよく訊ねられる。そのときには大体、昔の生徒の女性についての答えを換骨奪胎して答えることにしている。「こちらの気配を察して本が呼ぶのです。本も、書店の建物、気配、書棚の状況などをひと目見て、この本屋には何かあるな、とこちらも気配を察する。そのうえで前に身を乗り出して来る本があるのです」と、さしずめ女性であればドン・ファンの口調であるが、相手が本であるからホン・ファンと言うのだろう》

アッチャ〜、そういえば駄洒落がお得意でした。このあとに、満州事変勃発前夜を論じる原稿を執筆中、何か資料はないかと池袋西武の古書店に足を運ぶ話が続く。目録注文はすましていたが、目録に出ていない面白い本が出ているかもしれない、と思ったのだそうだ。

《置いてある他の本から、何かありそうだなという気配を感じた次の瞬間、群司次郎正著『ハルピン女』(雄文閣、昭和八年)という本が目の中に飛び込んで来た。群司次郎正は『侍ニッポン』というニヒルなチャンバラ・モダニズム小説を書いて一世を風靡した人である。この人が事変勃発のときハルピンにいて、脱出するいきさつを書いたものの他、ハルピンを舞台にした国際スパイ小説から成っているのがこの本なのである》

たしかにこういうことは古本者なら誰しも大なり小なり経験していると思う。求めていると現れるという不思議。それにしても群司次郎正(グンジ,ジロウマサ)の本はみんなかなりな古書価が付いていて驚く。

この他古本話では、神田神保町を歩いていて、ピエール・デシャルトル『コンメーディア・デラルテ』という英訳本に出会い、そのため中世の狂言にすっかり魅了されてしまった、またミハイール・バフチーン『フランソワ・ラブレーと中世・ルネッサンスの民衆文化』にも同様にして北沢書店の書棚の下段の片隅で出会い、それらの体験が「道化の民俗学」に結実するというあたりも、強烈な古本力だなあと感心しきりなのである。
[PR]
by sumus_co | 2008-09-29 20:48 | おすすめ本棚

文壇ゴシップ

b0081843_2033618.jpg


昨日の『現代』昭和十一年十月特大号より「文壇ゴシップ」。新居格、岡本一平、長谷川時雨、片岡鉄兵、に続いて登場するのがこの人。

b0081843_204153.jpg


井伏鱒二である。晩年の丸い顔しか知らないと、かなり意外なインテリ美青年だ。ゴシップの内容は、林芙美子が井伏に会うと、挨拶代わりに「あれ、どうなさつてるの?」と言うことについて。すると井伏は「五ケ年計画です」と答える。そのココロは? 林がフランスから帰ったとき、井伏が「そんな土産はいらないから、風呂桶を呉れ給へ」と要求したのだそうだ。

『風呂桶を?』
『洋行して帰つて来て、あんたも偉くなつたんだから、もつと、立派な家へ引越さなくちや駄目ですよ』
『?』
『古き壷には古き酒、立派な家には、それにふさはしい大理石の風呂桶、あんな鉄砲風呂なんぞ呉れてしまへ』
たうとう風呂桶をせしめてしまつた。
 が、井伏君、稼いだ金は飲代。いつになつても湯殿を建てない。さては?『五ケ年計画』と云つて逃げてゐるものだとわかつたのである。

……とさすが井伏らしい(?)行状だが、これですぐに思い出したのが、先に紹介した市川慎子さんの『おんな作家読本』(ポプラ社、二〇〇八年)、そこに林芙美子邸の風呂場の写真が出ていた。それがこちら、浴槽は大理石ならぬ総檜だとか。

b0081843_20174897.jpg


ついでにもうひとつ「新語流行語」を紹介しよう。

《マークする 
印をつけるーーといふ英語。即ちねらひ打ちのこと。ベルリンのオリムピツク陸上競技の華一万メートル、五千メートルで、俄然、男をあげた我が選手村社講平は、フインランドの強豪数名にマークされて、残念ながら四等に落ちた。[略]転じて、『君はあの断髪をマークしてるんだらう?』『いや、違ふ。』などと盛んに使はれる。》

《ダツシュ
英語の突進。[略]新聞のスポーツ欄に盛んに使はれる。転じて『あいつア、ダツシュがきく』と、云へば、相当厚かましい意》

《ゼツタイ
絶対のことだが、片仮名で書かぬと気分が出ない。松竹大船あたりの映画人と十分も話してゐると、このゼツタイが矢鱈に飛び出す。『水戸光子は美人だね。』『あツ! あれや、ゼツタイだ。』『今晩、躍りに行かうか。』『うん、ゼッタイだ。』『ここの便所はキレイだね。』『あツ、ゼツタイだ。』》

《ターキーを観る
松竹レヴユーの女王たるターキー水の江の驚嘆すべき人気から、ターキーはレヴユーといふ同意語に転訛してしまつた。[略]『今度のターキーで、江戸川蘭子がとてもいいんですつてね。』『ええ』てな調子。》

ちゃっかり松竹の宣伝になっている。我々にとって水の江滝子といえば「ジェスチャー」のおばさん。本名は三浦ウメ(後に水の江滝子に改名)で、今また話題になっている三浦和義は甥にあたるそうだ(実子説ありとか)。あまりにも人気が高かったためか、その後半生はかなり波が荒かったようである。本年九十三歳のはず。
[PR]
by sumus_co | 2008-09-28 20:03 | 古書日録

當世喫茶店打診

b0081843_20365779.jpg


讃州堂は入ってすぐのところに古雑誌の棚がある。戦前戦後の娯楽雑誌が相当数並べられている。値段はそこそこ。高くはない。敗戦直後のペラペラの『文藝春秋』、安井曾太郎の表紙、など200円くらいなので、何冊か買ってもいいかな、と思って、雑誌の山をひっくり返していると、この『現代』昭和十一年十月号(大日本雄弁会講談社)が出てきた。中味をざっと見渡す。巽洽太「當世喫茶店打診」が目に留まった。いちおう喫茶店については手の届く範囲内で(というのもカフェー喫茶関係の資料はベラボウに高価になっているからだが)蒐集しているため、これは購入と決める。

b0081843_20551559.jpg


これまで『現代』は手にしたことがなかったが、全体には綜合娯楽雑誌という感じの内容。ベルリン・オリンピックが終わった直後の号なので、ドイツに滞在していた武者小路実篤の「オリンピツク見聞記」もあり、四年後の東京オリンピック開催が決まっていたため「オリムピック商売往来」なる記事もある。

《ドイツの今度のオリンピツクのやり方は、極度の鳴りもの入りで成功した。何処までも今のドイツ式を発揮してゐる。開場式でも、ドイツの体操を見せる時でも、実に大げさで、統一がとれてゐる。金目を惜しまず、芝居と音楽がお手のものなので、それを極度に生かした。》

このように武者小路は書いている。現在に続く派手な演出はナチスドイツの創始だったのか! その経済効果については後者にこう書かれている。

《総売上金は実に七百五十万マルク(邦貨で一千七十万円)の巨額に上つた。独逸のオリムピツク組織委員会はこの大会準備のために会場設備その他に約六百五十万マルクを支出してゐるが、それらの設備は丸残りになつた上に、ほかに現金で利益が百万マルク(邦貨で約百四十万円)の勘定になるわけで、こんどのオリムピツクの儲け頭だ。ヒトラー総統を始めホクホクと御機嫌なのも無理からぬ次第である》

円を現在と比較するとすれば、五千倍から一万倍ていどだろう。モノによって差が出るが、単純に140億円の純益と考えるのがカンタンでいい。

その他、小ネタにいろいろと面白いのがある。あらためて紹介するとして、邦枝完ニの連載「お傳情史」の挿絵を掲げておこう。絵は小村雪岱、言わずと知れた「おせん」「お伝地獄」などの名コンビ。大正時代に雪岱は資生堂の意匠部にいたそうだ。なるほどとうなづける。

b0081843_21225190.jpg

[PR]
by sumus_co | 2008-09-27 21:33 | 喫茶店の時代

ことでん松島二丁目

b0081843_2015947.jpg


サンフランシスコからいきなり日本のローカルへ移動する。ことでん(琴電)志度線の松島二丁目駅、その直ぐ手前にただならぬ古書店あり。蟲文庫さんの蟲日記でも絶賛されている讃州堂書店である。

《比較的広い店内に、手入れの行き届いた、かっちりとした本が、しっかり隙間なく並んでいる。しかも値段は安め。そう、私が古本屋を始めた時に目指したのは、こういう店でした。もう羨ましくって仕方がない。よし、蟲文庫もぼちぼち頑張るぞ。とあらためて心に誓う。》(蟲日記より)

b0081843_20194358.jpg


灯台下暗し、何年か前に南陀楼綾繁夫妻に教えられて、おっとり刀でかけつけた。高松刑務所のすぐ南側。競輪場も武道館あるし、そうそう日本一の品揃えを謳う宮脇書店の大きな店舗(倉庫のような)も近所になる。まあ、新開地と思っていいが、この店の周辺は木立もあったり、取り壊し間近の古ぼけた長屋が並んでいて、かなりレトロな雰囲気なのだ。それもいい。

一度目、二度目には掘出しと思えるような本を見つけたけれど、ここ何回かは、そう跳び上がるほどのものはない。棚に馴れた。ただ全体的に値段はおだやか。文学書も美術書もその他のジャンルも網羅している。洋書もけっこうある。ということで、今回嬉しかった一冊は衣更着信の詩集『孤独な泳ぎ手』(書肆季節社、一九八三年)。これまでも言及してきたように衣更着は同郷の荒地の詩人。ずっと郷里で英語教師をしていた。「郷土文芸」のコーナーに『庚申その他の詩』(書肆季節社、一九七六年)署名入り千円とともに並んでいた。それも買ってもよかったのだが、すでに所持しているし(某書店でやはり署名入2500円だった)、次の楽しみというか、誰か別の人に買ってもらった方がいいかもしれないと思い、棚にもどした(たぶん誰も買わないだろうね)。

b0081843_204347100.jpg


書肆季節社の本も、安ければ、手に入れたいわけで、要するに一石二鳥。書肆季節社の政田岑生さんは湯川書房の湯川さんと親しかった。湯川さんはかなり政田さんの本造りに影響を受けているようだ。湯川書房の本を装幀したことも度々あると聞いた。ただ、湯川本には政田本ほどの几帳面さはない。ゆるいのが湯川さんらしい。
[PR]
by sumus_co | 2008-09-26 20:52 | うどん県あれこれ

夢のカリフォルニア・続

《ダウンタウンからノイ・ヴァレーの友人宅へ行く際に、ミュニ・メトロという路面電車のJラインを利用します。この線路の脇に、ずいぶん長いこと立ち寄っていない古本屋があるので、友人訪問の帰り道で途中下車。書店の名前はアードヴァーク》《書棚は大衆小説。ポスターがなかなかいい味出してます。》

b0081843_14432356.jpg

b0081843_14433735.jpg


《バークレーのシャタック・アヴェニュー沿いにあるハーフ・プライス・ブックスへ。名前の通り特価本屋さんです。ジャンル分けが細かいです。児童書も豊富》《「ランゲージ・アーツ」も、よりどりみどり。詩集の棚もそれなりに充実してました。エリザベス・ビショップ、ロバート・ブラウニング、バイロン、カミングズ、エミリー・ディキンスン等が見えます。 特価本でこれだけ揃っちゃってるんだからなぁ、となごむことしきり》

b0081843_14453755.jpg

b0081843_14455184.jpg


《いよいよ書店めぐりのフィナーレということで、バークレーのユニヴァーシティー・アヴェニュー沿いにあるセレンディピティー・ブックスへ》《外から見るとおしゃれな体育館みたいですが、中は複雑に入り組んでます。基本的に2階建てではあるんですが、古書のぎっしりつまった書棚の迷宮。とにかくここは古書の量が半端じゃありません。右を見ても左を見ても本、本、本・・・しかも基本的に黒っぽい本ばかり。もちろん分野別・時代別・作家別に場所は定められているのですが、そのすべてはとても紹介しつくせません。わたし自身これまでに足繁く通っている古本屋ですが、常に未踏の領域に出会う感じ・・・。生憎この日はオーナーのピーターがスペイン旅行中ということで再会を果せませんでしたが、彼の片腕ナンシーに久しぶりに会うことができました。お互いの近況について話した後、「今どのくらい在庫があるの?」と聞くと、「わかりっこないわよ。詩集だけならまあ20万冊程度かしらね」とのこと》

b0081843_14473146.jpg

b0081843_14474713.jpg

b0081843_14475947.jpg

b0081843_14482129.jpg


《まさに古書の桃源郷。この日買ったのは、1970年代に出版されたチャップブックの詩集1冊、20ドルなり。こうして今回のベイエリア古書めぐりは、大団円(?)を迎えたのでした。》
[PR]
by sumus_co | 2008-09-25 14:50 | あちこち古本ツアー

夢のカリフォルニア

みなさま、ただいま戻りました。「フリスコで古本三昧、楽しかった〜」と言いたいところですが、讃岐へ帰郷していただけです。もったいをつけてごめんなさい。お詫びに「通りすがり」さんのサンフランシスコ書店事情をもう少しお楽しみください。讃岐での報告は後日。

÷

グリーンアップル・ブックスという古書店、場所はクレメント・ストリートの506番地(グーグル・マップで「Clement St, サンフランシスコ, CA, アメリカ合衆国」と検索)。《1階は小説、美術書、写真集等。いわゆる稀覯本の類はあまり見かけませんが、なかなか楽しい品揃えです。絵本が充実していまたことが印象に残りました。そしてお目当ての2階奥へ。詩のコーナーがそこにあります》《総じてこの書店、驚くほどの質と量というわけではありませんが、なかなかがんばっている感じではありました。なにより普通に配架されている古本の値付けは穏やかで、この点に好感。わたしは10ドル未満の詩集2冊を購入しました》

b0081843_177228.jpg


フィッシャーマンズ・ワーフのバーンズ・アンド・ノーブル(日本で言うと紀伊国屋みたいな感じ?の書店)。《2階フロアの中央エスカレーター脇の位置に、ずらりと詩集の棚が並んでいたからです(この写真の左側にも、まだまだ詩集の棚が並んでいました)。ところが今回足を運んでみたら、詩集のセクションはフロアの太い柱の陰に追いやられており、棚数もなんと3つのみ。これだけでもよく残っていてくれたと言うべきか・・・で、かつて詩集棚がずらりと並んでいた場所には何があったと申しますと——そうです、やはりMangaでした》

b0081843_179294.jpg


サンフランシスコから足を伸ばしてバークレー。カリフォルニア大学バークレー校でファカルティーのポエトリー・リーディング。それを楽しんだ後で、大学近くのテレグラフ・アヴェニューをぶらりと歩く(グーグル・マップで「Telegraph Av, Berkeley,サンフランシスコ, CA, アメリカ合衆国」)。《日本の洋販の経営肩代わりも功を奏することなく、コディーズは完全撤退を余儀なくされた模様です。建物自体が残っているだけに、なんとも痛ましい限り》

b0081843_17173143.jpg


《しかし・・・このお隣の古本屋モーズ・ブックスは健在! 燦然と輝いております。モーズは4階建ての古本屋。2階に上り入口側を見渡すとこんな感じ。在りし日の創業者モー・モスコヴィッチの肖像が壁の上のほうに掲げられています》《棚のそばのカートには、まだ並べられていない詩集の山がぎっしり》《わたしは、シティライツの出したポケット・ポエッツ・シリーズ版のW・C・ウィリアムズ詩集『地獄のコーラ』(コーラはペルセフォネーの異名)を買いました》《コディーズが店を閉めた際には、モーズもやばいのではないかと囁かれていました。かつては、新刊本のコディーズと古本のモーズ間の相乗効果が要だったので。しかしモーズ、なかなかどうして、がんばってくれているではないですか。バークレーの底力を見た思いでした》

b0081843_17182020.jpg

b0081843_17183727.jpg

[PR]
by sumus_co | 2008-09-24 17:24 | あちこち古本ツアー

シティライツ書店

b0081843_13231382.jpg


ときおりコメントをくださる「通りすがり」さんより。サンフランシスコの伝説的な書店、シティライツのごく最近の写真が送られてきた。お許し願って読者のみなさんにも見て頂く。《世界中の詩人や詩の読み手が集まるビート文学のメッカのような場所だと思ってください。とは言え、絵画、音楽、哲学、映像等の人文系書籍も充実している書店です》とのこと。上の写真は二階のビート文学のコーナー。《ケルアック、ギンズバーグ、バロウズ、スナイダー、ファーリンゲティ等、ビートの主力作家・詩人の新刊本はすべて揃います。特に最近出たフィリップ・ラマンティアの詩集が目につくように並べられていました。》

b0081843_1328495.jpg


《この書店は3階建て。地階、1階、2階の構成ですが、ここでは特に1階と2階について報告させていただきます。まずは1階。主に小説と美術書を揃えたここはこんな感じです。》《上方に見える写真は、この書店のオーナー、ローレンス・ファーリンゲティの若き日の姿。サンフランシスコの初代桂冠詩人にもなったファーリンゲティは、もう90歳近い年齢ですが、まだまだご健在。先述のように1階は小説中心ですが、まんべんなく売れ線の小説を並べるよりは、一癖二癖あるタイトルを置いてあるので、立ち読みのしがいがあります。もちろん立ち読みのみでなく、座って読むこともできるように、奥の方にちょっとした机と椅子も置かれています。》

b0081843_13282229.jpg


《2階は名にし負う「ポエトリー・ルーム」。なにしろオーナーが詩人ですから、充実した詩集の品揃えです。1階から2階への階段。》

b0081843_1330340.jpg


《階段上方の壁。若き日のファーリンゲティと「爆弾ではなく本を」のメッセージ。》

b0081843_13301871.jpg


二階西側の《奥に置かれた机上の詩集。最近逝去し国際的なニュースにもなった、パレスチナの詩人マフムード・ダルウィーシュの選詩集が左手前に見えます。中手前に見えるのは、ブレイクやロルカの選詩集》

b0081843_13433118.jpg


b0081843_13434958.jpg


古書もわずかだが、置かれているとのこと。また、かつてはシティライツがあるコロンバス・アヴェニューのはす向かいに、ブラックオーク書店というとても気の利いた古書店があったのだが、撤退してしまったそうだ。

写真を眺めていると、うずうずしてくる。ちょっくら出かけてこようかと思う。よって、しばらくブログを休みます。
[PR]
by sumus_co | 2008-09-14 13:52 | あちこち古本ツアー

百鬼園の独逸語

b0081843_2020476.jpg


井上友一郎『竹夫人』(文明社、一九四六年、装釘者=花森安治)。花森のデザイン・パターンのひとつ。箪笥の上の器物。二色をじつにうまく配置している。発行人は田宮虎彦である。

÷

『Quelle(クヴェレ)』55号(クヴェレ会、二〇〇七年十二月)を頂戴した。ドイツ文学およびドイツ語の研究をめぐる諸問題の検討を目的とした雑誌とのこと。大阪大学言語文化部ドイツ語資料室が事務所となっている。Quelle は泉、源、出所などの意味のようだ。フランス語なら「ケル」と発音し「どんな」(=what)の意になる。ともに女性形。

江川英明氏の「百鬼園の独逸語」を面白く読んだ。たしか以前も大泉黒石について書かれたものを紹介したと思うが、こちらは法政騒動の顛末。調査の行き届いた力作だ。内田百間(戦前は間を使用)は東京帝大文科大学でドイツ語を専攻し、陸軍士官学校のドイツ語学教授に任官するも、借金問題で辞任、次いで野上豊一郎に引っ張られて発足したばかりの法政大学の教授となり大正九年から昭和九年一月まで在籍した。

ドイツ語教師としての百間をその著作や生徒たちの回想から考察し、さらには法政騒動の本質に迫っている。簡単には大学権力の中心にいた野上に与しない若手教員たちが森田草平を担いで、野上や百間らを辞職に追い込んだ、そういう事件だった。詳細をここで書いてしまっては労作が報われないので、ご興味のおありの方は直接入手されたいが、「おわりに」のところに

《森田派の人々に法政大学とはまた別の繋がりがあることに気付かされた。日本近代史上最大の言論弾圧である「横浜事件」と、その犠牲になった「昭和塾」である》

云々とあるのが鋭い指摘のように思う。もし「おわりに」に書かれていることが中心に論じられていれば、さらに凄みのある論考になっただろうが、このスケッチだけでもなかなかのものだ。

大学を辞めざるを得なかった百間は、それを機にプロの物書きとして目覚めるわけだから、百間の愛読者にとっては有り難い事件だったとも言えるかもしれない。
[PR]
by sumus_co | 2008-09-13 21:20 | 古書日録

たんぽぽ

b0081843_200899.jpg


b0081843_2002392.jpg


坂本遼『たんぽぽ』(地帯社銀河手帖、一九七〇年)。元本は銅鑼社から一九二七年に刊行されている。その復刻版。序=草野心平、跋=原理充雄、表紙絵口絵=浅野孟府。

  厩

曇つとるな
あしたも曇るな
たこがあがつとるど

おらは高いこまい格子窓へ首をのばしあげた

白い空が冷いから
じつとがしとるのやな
左肩をあげてじつとしとるのやな

おらは歩かう
太いかんぬきの中を歩かう
だまつて歩くよりしやうがない
なきやうにもなくことがないし
この貧乏した破れ家の端で
動いてゐるのはおらだけか

だまりながら
歩いとる
うつむいて
じつと歩いとる

涙出さうになつてくるのや
[PR]
by sumus_co | 2008-09-11 20:24 | 古書日録