林蘊蓄斎の文画な日々
by sumus_co
カテゴリ
古書日録
もよおしいろいろ
おすすめ本棚
京のお茶漬け
東京アレコレ日記
佐野繁次郎資料
宇崎純一資料
渡邊一夫の本
青山二郎の本
spin news
読む人
パリ古本日記
写真日乗
あちこち古本ツアー
装幀=林哲夫
著述関連
画家・林哲夫
雲遅空想美術館
淀野隆三関連
喫茶店の時代
うどん県あれこれ
貧乏こっとう
ほんのシネマ
以前の記事
2017年 03月
2016年 11月
2016年 01月
2014年 02月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
more...
お気に入りブログ
フランス落書き帳
フランス美食村
退屈男と本と街
ニューヨークの遊び方
gyuのバルセロナ便り ...
奥成達資料室blog版
空ヲ洗フ日々 十谷あとり
浅生ハルミンの『私は猫ス...
古書渉猟日誌
bookbar5
わたしつくるひと
猫額洞の日々
トスカーナ オリーブの丘...
フォロニアム
昨日の続き
モンガの西荻日記
往来座地下
天音堂★山口ヒロミ工房_...
NabeQuest(na...
フランス古道具 ウブダシ
Mの日記@古本T「たまに...
日常と夢の記憶
Gallery Shim...
and so on...
亡兎観現世
石のコトバ
ボローニャに暮らす
糸巻きパレットガーデン  
Kumatetsu Ga...
Muntkidy
Lenzgesind
奈良 智林堂書店  
うらたじゅんの道草日記
高遠弘美の休み時間・再開...
ネジ式
さし絵のサイン
机の上で旅をしよう(マッ...
森のことば、ことばの森
新潟絵屋Blog
オックスフォード便り
白 の 余 白
Madame100gの不...
ツレヅレナルママニ(みど...
関西の出版社
めぐり逢うことばたち
古本万歩計
りはびりカメラ
ムッシュKの日々の便り
Books & Things
ちらしDMコレクション
ネコと文学と猫ブンガク
daily-sumus2
最新のコメント
今はネット古書行脚でしょ..
by sumus2013 at 20:41
学生時代は、カンダの古本..
by 根保孝栄・石塚邦男 at 07:34
御教示に深謝です。蓜島氏..
by sumus_co at 08:37
「『正誤正刪『日本近代文..
by MY at 11:05
了解いたしました。
by sumus_co at 08:30
神谷様 御教示に深謝いた..
by sumus2013 at 20:06
神谷道一と神谷由道は親子..
by 神谷 at 15:59
kikiさま コンドルで..
by sumus_co at 15:53
ジャン・コクトーだなぁ。..
by 根保孝栄・石塚邦男 at 06:59
先日来、調べごとをし..
by kaguragawa at 22:13
メモ帳
お問い合わせはこちらまで

本を散歩する雑誌 [スムース]
洲之内徹略年譜
『書肆アクセスの本』
ほんまに日記
恵文社一乗寺店
Calo Bookshop & Cafe
貸本喫茶ちょうちょぼっこ
BOOKONN
奥付検印紙日録
とらんぷ堂
書肆砂の書
みずのわ編集室
みずのわ放送局
エエジャナイカ
蟲文庫
古書日月堂
海月書林
田中栞日記
古書の森日記
日用帳
なえ日記
lady pippon
古書現世店番日記
海ねこ的日々の暮し
m.r.factory
ナンダロウアヤシゲな日々
内澤旬子・空礫絵日記
四谷書房日録
森茉莉街道をゆく
ねこそぎ記念
本の街日記
リコシェ
旅猫雑貨店
津田明人
北方人日記
柳居子徒然
駅前糸脈
日々のあわ.。o○
晩鮭亭日常
空想書店書肆紅屋
bibliomaine mod
autographes et …
BiblioMab
Le blog de Yv
Le Monde
Gibert Joseph
bnf
BRITISH LIBRARY
Galaxidion
Library of Congress
Strand Bookstore
The Book Design Review
penguin blog
Mark Simonson Studio
modernmechanix
くうざん本を見る
神保町系オタオタ日記
ma-tango
jun-jun1965
書物蔵
スローラーナー
本はねころんで
漁書日誌
城戸朱理
町家古本はんのき
古書ダンデライオン
Kanecoの日記
吉岡実の詩の世界
qfwfqの水に流して
古本屋ツアー
清水哲男
Automat svět
細馬宏通
中野晴行
古通・編集長日誌
昭和初期抒情詩と江戸時代漢詩のための掲示板
喫茶・輪 
古本ときどき音楽
本と暮らす
ウロボロスの回転
表現急行
tundowの日記
盛林堂日記
フクヘン
ですぺら
花森安治の装釘世界
文壇高円寺
ぶろぐ・とふん
medievalbooks
マン・レイと余白で
okatakeの日記
古本ソムリエの日記
最新のトラックバック
京都印刷発祥之地 記念碑建立
from 印刷見聞録|からふね屋|京都
本を散歩する雑誌 [スム..
from 相互に旅をする人
土曜日のブックオフ
from 古本万歩計
[書評][詩歌に寄せるエ..
from 読書百篇
第33回西荻ブックマーク
from 西荻ブックマーク
北野武似の少年は夏休み、..
from 月の風ノート
【ライト兄弟】についてブ..
from 最新キーワードチェック!
『田辺茂一と新宿文化の担..
from じんぶんや「紀伊國屋書店と新宿」
美の名言
from 美の名言
横尾忠則の小説
from Mの日記@古本T「たまにはス..
ライフログ
検索
人気ジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


<   2007年 11月 ( 34 )   > この月の画像一覧

書肆アクセスという本屋があった

b0081843_2013116.jpg


2007年12月20日発行

編者 岡崎武志・柴田信・安倍甲 
装幀・カバー写真 林 哲夫
発行者 『書肆アクセスの本』をつくる会
発 売 右文書院

b0081843_2155834.jpg

[PR]
by sumus_co | 2007-11-30 21:37 | 装幀=林哲夫

書肆アクセスという本屋があった

b0081843_2013116.jpg


『書肆アクセスという本屋があった』(『書肆アクセスの本』をつくる会、二〇〇七年)の見本が届いた。表紙はアクセスの奥の半畳スペースにあるスリップ(短冊)の棚。撮影したときにちょっと照明が足りなかったせいか予想したよりも暗くて粒子の粗い仕上がりになってしまった。もっとツルンとした用紙にすればよかったか、などと反省する。装幀はこういうところが難しい。

本文は執筆者それぞれに抱くアクセスに対する深い思いで溢れている。永江朗氏がどこかで発言していたように、閉店する本屋は多いが、こんな本を作ってもらえるところは他にはないだろう。畠中さんはじめスタッフのみなさんの人徳というもの。付録として「神田神保町路地裏マップ」1号と2号が挟み込まれているのがスバラシイ。文中で印象に残る一言は荻原魚雷氏のコレ。

「わたしはまだあきらめていません」

なお神保町の某氏からの報告によれば、アクセスの役割の一部は三省堂に引き継がれたもよう。

《三省堂4階に引き継がれる(?)という地方小コーナー見てきました。最初なかなか見つけられませんでした。どうもいくつかあるフェアコーナーの1つで、「地方史」というコーナーがそれにあたるようです。特に「地方小」や「アクセス」の表示は無く(当たり前か)、よく見るとマイナーな版元の本が県別で並んでいます。隣が以前からある「本、出版」本のコーナー。一部のミニコミ(本当に一部)がそこに引き継がれたようです。(スムース文庫もあり)》

退屈男と本と街「あの棚が」(12月1日)にはその後の様子が報告されている。また三省堂書店 神保町本店 キャンペーン 催事場ページに写真入りでの紹介あり。

ということで、12月8日、はるばると神戸へ畠中さんを招いて海文堂書店で行われる近代ナリコさんとのトークショーは逃せないですよ。『書肆アクセスという本屋があった』も店頭初売りになるはず! ぜひご参加ください。

÷

塩ジイじゃなかった塩山御大の『東京の暴れん坊』(右文書院)が東京堂書店ベストセラーの第六位に(11/27調)。これは目出度い。バンバン売って悪態側賞でも貰っていただきたい。

賞といえば、利根川裕氏が第20回尾崎秀樹記念大衆文学研究賞を『歌舞伎ヒーローの誕生』『歌舞伎ヒロインの誕生』(ともに右文書院)で受賞された。装幀を担当した者としてはうれしいかぎりである。拙著『喫茶店の時代』が受賞したのと同じ研究賞というのも奇遇というか因縁か。
[PR]
by sumus_co | 2007-11-30 20:58 | 著述関連

女の侮辱

b0081843_20123972.jpg


丹羽文雄『女の侮蔑』(三昧書林、一九四七年、装幀=中原史人)。daily sumus 2005/11/13に中原史人について少しだけ書いたので参照されたし。いい感じの絵柄である。三昧書林の刊行物は他に下記四点が確認できた。

廣津和郎『訓練されたる人情』(一九四六年)
須田栄『千夜一夜』(一九四六年、青蛙房より一九六〇年再刊)
家庭薬統制組合編『家庭薬全書』(一九四七年)
大畠道三『怒りの谷間』(一九五八年)

÷

映画「はんなり」を観るために妻とともに九時二十分ごろに COCON KARASUMA 三階の京都シネマへ到着。開場は九時四十分から。すでに待っている男性が一人いた。九時半をすぎると次々に来場者があり、結局はシネマ1(定員109人)がほぼ満席となったようだ。ちょうどいい広さで、椅子も悪くなかった。

b0081843_203478.jpg


「はんなり」はアメリカ人向けに作られているということもあって、かなり盛りだくさんな内容だった。ドキュメンタリー映画というか京都の観光案内というおもむきである。京都の花街の華やかなところと、それを支える裏方たち、染織、鬘、扇子、舞踊などの紹介が手際よくなされていてとくに前半は快調に見られた。クロースアップを多用し、証明も自然光を活かした(闇をうまく演出した)映像が多く、迫力があった。いかにもカメラを担いで撮りましたというドキュメント・タッチではなしに、ちゃんとフレーミングを考えた上での撮影になっていた。舞踊の場面はいずれも印象的に撮れていたと思う。感心したのは、英語字幕、ナレーションの英語の簡潔さであった。端折り過ぎか、ギリギリのところでまとめていた。いまひとつだったのは音楽。ちょっと耳障り。京都の五花街(上七軒、先斗町、祇園甲部、祇園東、宮川町)と島原を紹介した入門フィルムとしては上出来であろう。明日まで。明日も午前十時より上映。
京都シネマ

昼飯を二人で東洞院通の某店でとり(ハズレ)、ジュンク堂四条店から三密堂書店をのぞいて帰宅。均一で駄本を数冊買って満足する。
[PR]
by sumus_co | 2007-11-29 21:21 | 京のお茶漬け

PLAYBOY

b0081843_2124728.jpg


『プレイボーイ[日本版]』396号。総力特集「ミステリー徹夜本をさがせ!」。「日本のミステリー・ベスト100」が巻頭、五人の読み手が選ぶオールタイムベスト。小生ほとんどミステリーは読まないので知らない作品ばかり。江戸川乱歩の一部(ここでは『日本探偵小説全集2江戸川乱歩』創元推理文庫が挙っている)と星新一『ボッコちゃん』(新潮文庫)はさすがに大昔に読んで面白かった記憶がある。他には中井英夫『虚無への供物』(講談社文庫)、あまりの退屈さに途中で挫折した(分厚いしね)。

ベスト100に挙っていないところでは、夢野久作は読み終えられたものの、小栗虫太郎は駄目だった。そうそう、横溝正史はいくつかブームのときに。また日影丈吉の短篇がとても面白かった記憶もある。ミステリーじゃないかもしれない筒井康隆はどうも合わない、『腹立ち半分日記』は傑作だが。そのていど。あ、大西巨人『神聖喜劇』はとても面白く読了したぞ(光文社文庫五冊)。

それよりも「こんな文学全集がほしい」という記事に注目。池澤夏樹個人編集の世界文学全集(河出書房新社)と任天堂DSソフト『文学全集』の発売にひっかけた記事である。業界では一九八九年(『集英社ギャラリー世界の文学』『河出世界文学全集(ステラ版)』)以来の文学全集出版ということになるらしい。記事の内容は谷沢大先生の意見を要所で引用しながら、文学全集を百貨店になぞらえてその興亡をざっと述べている。

目を惹かれたのは古本としての文学全集が三セット、写真入で紹介されていること。さすが一ツ橋にある版元だ(神保町のとなりです)。

『新潮世界文学』1970 全49巻 15,000 神保町・某書店
『集英社世界文学全集』1972 全45巻 25,000 神保町・巌松堂図書
『集英社版世界の文学』1978 全38巻 35,000  神保町・巌松堂図書

ちなみに『新潮世界文学』は田村書店では33,000。月報の有無、状態の善し悪し等でこれくらいの差は出るのだろう。他にも中央公論社『世界の文学』とか筑摩書房『世界文学全集』の揃も「日本の古本屋」ではおおよそこの程度の値段で出品されているようだ。講談社『新訳世界文学全集』全48巻、25,200は街の草さん。

ざっと見たところでは地方の古書店の方が評価が低いようだ。まあ、今さら世界文学全集でもなかろうし、元来シリーズものを揃えようという意志が希薄な人間なのでどっちでもいいのだが、春秋社の『世界大思想全集』とかをバラで集めてみたら面白いかな、などとどうでもいいことを考えた。でもいったい何巻あるのかな?(国会には第124巻まで)。

この『プレイボーイ』は買ったわけではございません(若い頃には買った覚えもございます)。なんと『古本屋を怒らせる方法』の取材があったのだ。その見本誌としてもらったのである。PBに『古怒』は似合わないでしょう。だが、本欄でもコメントいただいたように『大阪スポーツ』(と『東京スポーツ』)に島地勝彦氏(『プレイボーイ』元編集長)がうれしい書評を書いてくださったため、その関係で編集部K氏とライターの早見和真氏が来訪とあいなったのである。早見氏は若くて古本にもそう詳しくはないながら、なかなかいい取材ぶりだった。それにしてもピンナップのテイストがほとんど変わっていないのには驚かされた。
[PR]
by sumus_co | 2007-11-28 22:33 | 著述関連

ビリチスの愛の歌

b0081843_217288.jpg


栗田勇『ビリチスの愛の歌』(新書館、一九六七年、装幀=宇野亜喜良)。For Ladies Seriesの一冊。

ビリチスは西暦前六世紀にパンフィリイの東部、メラス河畔の一山村に生れたそうだ。ギリシャ領だった現在のトルコである。彼女はサッフォーの同時代人であり、ライヴァルでもあった。今日、知られるようになったのはピエール・ルイス(Pierre Louÿs)が『Les Chansons de Bilitis』を一八九四年に公刊して以来のこと。これは、まあ、ピエール・ルイスがギリシャ語資料から翻訳したことになっているが、彼の詩集だと言ってもそう間違いではないようである。

《当時、レスボスの島は、いわば世界の中心だった。今日でいえば、パリとかニューヨークなどとでも言おうか、いや世界が狭かっただけに、もっとこの町はにぎやかで、あらゆる富が集中されていた》

これは逆。今こそ世界が狭い。昔はもっと世界は果てしなく広かった。一昨年のトルコ旅行でベルガマ(ペルガモン)やエフェスといったギリシャ時代の遺跡を見物した帰り道、海岸沿いの道路を車で突っ走っていたとき、岸からすぐ近くに見える大きな島がレスボス島だと教えられて、なんとなくあっけなく思ったのだが(例えば、明石海峡をはさんで明石側から淡路島を見るようなかんじ?)、レスボス島は今もギリシャ領なのでその距離はあんがいと遠いようだ。

÷

『本のとびら』(読売新聞東京本社広告局)の10号を某氏が送ってくれた。特集が「アラウンド50向け出版の現状」。アラウンド50とはどういう世代かというと、元祖アンノン族、サザンやユーミンを聴いて育ったニューミュージック世代なのだそうだ。ひょっとして小生もそうか?(そうです)。ユーミンといえば荒井由美だもの。巻頭で雑誌『エクラ』(集英社)の編集長がこう定義している。

《37年前の「アンアン」(マガジンハウス)、36年前の「ノンノ」(集英社)創刊当時に中高生時代を過ごし、大学生になったら「モア」(集英社)が生れ、「リー」(集英社)を読みながら結婚・出産を経験したという元祖雑誌世代。モノを見抜く力も、雑誌を選ぶ目も持っています》

ちょっと集英社的に手前味噌な分析なれど、思い当たる節は充分にある。日本の平均世帯では49歳が支出のピーク、五十代後半が収入のピークだとか(電通調べ)。だからこの世代の雑誌では通販が必須アイテムとなる。

《彼女たちのファッションキーワードに’かわいい’が欠かせないこと、モノ選びには文化の香りを求めること。通販ページが好評なのはそれを押さえているからでしょう》

で、大先輩ライヴァル『家庭画報』(世界文化社)はその通販で年間20億円を売り上げるという。読者から長年の信頼を得ている証拠だと『エクラ』編集長氏は述べている。

そしてその記事の下に『エクラ』を日本一売る(『ハナコ』を日本一売った)という吉祥寺・弘栄堂書店の雑誌担当氏がダメ押し。

《私たちがしているのはお客様がきちんと本が選べる環境を整えることだけなんですね。/そのためには、まず自分の店の客層を知ること。吉祥寺はおしゃれで経済的にも余裕のある女性客が多いのが特徴です。『エクラ』はそんなうちの客層にぴったりの雑誌でした》

以上、集英社の広告でした(?)。
[PR]
by sumus_co | 2007-11-27 22:24 | 古書日録

古書籍高価買入!!

b0081843_20105938.jpg


神戸の坂口通りにあった白雲堂書店の買い入れチラシ。《物資活用》とか《(西兵六九)》などからして戦争中のもののようだ。紙がかなりうすく粗悪。どうやら活版刷ではない。某氏より頂戴した貴重な資料である。深謝です。某氏によれば来年は太宰治生誕九十九年になるそうだ(明治四十二年生)。だからどうしたというか、生きていればそんな年齢なのだ。

÷

b0081843_20283020.jpg


『京の学生文化を歩く '60ー'70年代グラフィティ』(らくたび文庫、二〇〇七年)に掲載されている一九六一年四月発行の「京都学生書店街地図」より《百万辺[ママ]銀閣寺付近書店案内》。赤字が古書店。間違いの目立つ地図だが、こちらも貴重であろう。

土曜日に買って、びわこのなまず先生に見せた。先生は千原書店に毎日のように通っていたそうだから。すると「むかしのことは忘れたなあ、ぼくはむかしのことに興味ないんですよ」との答え。古本大好きの先生にしてこの発言。おそらく「古本は新しい」というココロであろう。最近の懐古ブームを一蹴する態度のようで、印象に残る。
[PR]
by sumus_co | 2007-11-26 20:40 | 京のお茶漬け

日米会話手帳

b0081843_20184459.jpg


okatakeの日記に『彷書月刊』12月号の「ナナフシの散歩道」で田村さんが『日米會話手帳』(科学教材社、一九四五年)について書いているとあったので、まだ開いてなかった『彷書月刊』の封筒を切って読んでみる。特集は「語りの文学」。落語、説教、河内音頭、講釈・浪花節、語り部、平家物語、詩の朗読、テキヤの口上、絵本の読み聞かせ、天満繁昌亭日乗。かたり……は「かたり」(騙り)か。田村ナナチアンいわく

《小店目録の一番人気は『日米會話手帳』。誠文堂新光社の小川菊松さんが敗戦の日にひらめいたという戦後最初のベストセラーだ。刊記は昭和二十年十月三日。刷り数の記載がないので何刷かわからない。記録によれば九月に刊行されているらしいので、初刷ではないと思う。思うので売値を四千円とした。で、注文が四名。厳正ニ抽選ヲ行フ。》

上に掲げたのも十月三日発行となっている。科学教材社は兄弟の会社。ググってみると初版は九月十五日発行だったらしい。これをどこで買ったのかは忘れたが、安かったのは間違いない。ほとんどパクリとおぼしい『ポケット会話』(京都印書館、一九四五年)と『実用日米会話』(綜文館、一九四六年)も一緒に保存してあった。後者は大阪の版元。

『日米會話手帳』、一ページ目を開くといきなり日常会話からスタートである。

1. 有難う  Thank you !
Arigato  サンキュー

2. 大変有難う  Thank you awfully.
Taihen Arigato  サンキュー オーフリ

3. 今日は  How do you do ?
Kon-ni-chiwa  ハウ ディ(ハウ ディ ドウ)/Good day ! グッディ

などと30番(今忙しくて駄目です Sorry, I'm in a hurry ソリ、アイム イナ ハリ)まで。チョコレートもらってすぐにお礼が言えるように「サンキュー!」が一番最初かな(?)。他に単語や数、そして道を訊ねる会話があって、それに関連した施設名などが収められている。日本人向けであると同時に外国人にとってもカンタンなカイワのテビキになるよう工夫されていた。

京都の『ポケット会話』の方は十一月に発行(奥付によれば四万五千部)だが、おもむろに予備知識やアルファベットから説き起こす初歩の教科書的な構成。大阪の『実用日米会話』は後発(昭和二十一年一月)のせいか、英文には一切カタカナの発音表示はなく、ページの片面・英文、裏面・日本語訳というふうに会話を丸暗記するためのやや上級向けの内容である。

他にもたくさん類似商品が出回ったのだろうが、この三冊を較べるだけでも、小川菊松のぶっつけ本番的な編集は、ただ人より先んじたというだけではない、ベストセラーにするだけのウマさを感じさせる。今、人が何を欲しているのか、それが分かっていた。なお現時点では「日本の古本屋」には見当たらないようなので注文が重なるのも頷ける。国会にもなく Webcat でもヒットしないし。
[PR]
by sumus_co | 2007-11-25 21:29 | 古書日録

大空

b0081843_205176.jpg


尾崎放哉句集『大空』(春秋社、一九二六年)。芦屋で入手。昭和四十七年版は持っているが、初版はやはり格別。傷んでいるし、補修もある裸本なれど、初版は初版。芦屋から帰る阪急電車の中であちらこちら読んでいたが、やはりうまいものだ、ときとしてうますぎる。

犬が覗いて行く垣根にて何事もない昼

つくづく淋しい我が影よ動かしてみる

寝そべつて書いて居る手紙を鶏に覗かれる

落葉へらへら顔をゆがめて笑ふ事

÷

午前中は部屋の模様替えを少々。午後から寺町へ出かけ畠中光享さんと日下部さん個展を見る。そのあと、三条の京都文化博物館(旧館)での秋の古本まつり特選オークション会場へ(下の写真)。展示物を見ながら海鯛先生にいろいろ古本講義を受ける。さすが何でも知っている(海鯛先生については拙著『古本屋を怒らせる方法』参照)。二万冊からの蔵書を処分にかかっているそうだ。

栗田勇『ビリチスの愛の歌』(新書館、一九六七年、装幀=宇野亜喜良)を500円で見つけるが、ちょっと難アリだった。同じシリーズは2〜3千円。淀野隆三関連の資料に遭遇。多少値が張ったが、これを逃したらと思うと買わずにはおられない。あとは Editions du seuil のNABILE FARES『Yahia, pas de chance』(1970)をつい買ってしまう。言うまでもなくフィリップ・ソレルスらの雑誌『テルケル Tel Quel』の版元。

b0081843_2123138.jpg


午後四時から二階で広瀬千紗子女史(同志社大学)の京都古書研究会三十周年記念講演会「京の顔見世」を聴く。とても参考になった。六時から記念パーティ。一応、小生は八十年代の初めからポスターのデザインをさせてもらったから、そういう意味では内輪の人間である。松尾尊允(たかよし、允にハ)先生の挨拶、森田憲司氏(奈良大学)の乾杯の音頭で開始。もっぱら、びわこのなまず先生(京大教授)とケンショクの吉積さんと森田先生とブックオフ談義。びわこ先生は昨日、滋賀県のブを巡って40冊ほど購入したそうだ。年間2000冊以上買っているらしい。なまず先生のお仲間で2800冊買っている猛者がいて、その人が日本一多くの本を買っている人間ということになっているらしい。ところが吉積さんは資料室の蒐集と個人を合わせて年間5000冊以上買っているという。いずれの方々も小学校時代からの蒐集歴を誇るというから、50年以上のコレクター人生である。石川古本店の石川さん、其中堂の三浦さんらと少し話す。松尾先生にも御挨拶しておく。松尾先生は『京古本や往来』の一号の執筆者のなかで唯一現存されている方とのこと。とてもいい雰囲気の会だった。一澤帆布のバッグを記念品としてもらった。即売会は明日25日まで。
[PR]
by sumus_co | 2007-11-24 21:44 | 古書日録

モダニズムと装幀

b0081843_205848.jpg


芦屋美術博物館へ十時半頃到着。かなりな賑わいである。見知った人たちにあいさつしたり、ロードスさんと話したりしてからおもむろに本を眺め始める。各店はそれぞれいい本を出しているように感じたが、均一コーナーがないのがちょっとさびしい。まず一冊を見つけると、後は気楽に見て回れた。計六冊ほど。あらためて紹介したい。

タルホの新発見資料『関西学報』を街の草さんが見せてくれる。なかなかしっかりとした編集でいい雑誌だ。すでに買手が付き、発表される手筈もととのっているらしいと聞いた。何より。

b0081843_20141816.jpg


二階のブック・アンデパンダン展を見る。二部屋あって本をテーマの美術作品の部屋に拙作がじつにゆったりと飾られていた(平面作品の出品はほとんどなかっただけだが)。

b0081843_20183747.jpg


b0081843_20185437.jpg


b0081843_20191012.jpg


この反対側の部屋には手作り本というか、さまざまな本の試みが展示されていて、そちらの方も楽しめた。結局、200人以上の出品者からおよそ500点の作品が寄せられたそうだ。何をもって「本」とするのか、そのボーダーを考えさせられる。

古本ソムリエ、M、扉野、BOOKONN、とらんぷ堂、エエジャナイカ、O先生、なえ、キティ・ウーさんらとヴァーデン・ガーデンというガーデン・ショップの二階にあるカフェでランチ。チキン・カチャトーラ(ラタトゥーユ)900円を食す。扉野氏がブッダハンドぶりを発揮した大発見を聞いてショックを受ける(つぎのcotoに書きます)。ソムリエ氏は三条のブックオフの単行本105円が目の前で200円に値上げされたショックがさめやらぬ様子だった。アトリエ箱庭さんで小さな即売会があるとBOOKONN氏がDMをくれる(催案内欄参照)。

b0081843_2034354.jpg


b0081843_20342327.jpg

[PR]
by sumus_co | 2007-11-23 20:19 | 画家・林哲夫

はんなり

b0081843_2019584.jpg


b0081843_20201768.jpg


西院のかわい書房をのぞく。以前にも紹介した、いかにも町の古本屋らしい古本屋。表の均一が案外いい。店内も安めの値段になっている。吉田健一の『金沢』(河出書房新社、一九七三年)が100円だった(函アリ、帯ナシ)。

÷

ハリウッドの日本人女性監督が撮ったドキュメンタリー映画「はんなり Geisha Modern」が25日〜30日、京都シネマで上映される。チケットを入手したので鑑賞してみたい。

芸者といえば、祇園のお茶屋で一度だけ接待されたことがある。以前も少しだけ書いたかもしれない。接待というかお相伴で、アメリカでヒットしたゲイシャ小説を翻訳するのでその担当編集者が取材という名目で、翻訳者と、なぜか小生を、呼んでくれた。その後その編集者には、別件でかなり長文の原稿と資料を渡したが、形にならず仕舞いで、彼は姿を消してしまった。原稿も資料も戻らなかった。この業界ではよくあること(らしい)。何年か前に東京の出版社に復職したらしく、最近作った本を送ってくれた。あのときの原稿は水泡に帰したが、蕎麦をごちそうになったり、お茶屋なるものを見学させてくれたので、それで充分釣り合いはとれている、と思うことにしよう。

そのときの取材を横で聞いていると、花街のシステムというものが、おおよそ分かった。祇園は女性社会であるとか、遊ぶのにお金がいらない(チップ以外は茶屋がたてかえ、後日まとめて請求あり)、メンバーズ・オンリーだからいちげんでは遊べないとか。必ず常連の紹介者が必要なのだという。それに関して覚えているのは、ある有名なグルメ・コミックの作者が、どこやらの外国人シェフを祇園へ案内したいからといって、紹介されてやってきたことがあるらしい。仲介者が茶屋の常連を紹介して、その常連さんが紹介したらしい。ところがその作者は代金をビタ一文払わなかったというのである(まずまちがいなく大金持ちのはず)。ダダ食い、タダ遊び。こういうときには紹介した者がツケを払うことになる。しかも有名な料理屋の仕出しを取ったそうだ(茶屋は食事などの提供をしないのが普通)。むろん別料金。ゲイシャ・ガールを呼べばさらに費用はかさむ。紹介者にしてみれば、見知らぬ他人にサービスしたようなもの。友人の友人はアルカイダだった、みたいな話(かな?)。

ちなみに「はんなり」は「はな+ほんのり」「はななり(花形・花姿)」「はなあり(花有)」などの語源が考えられるようだが、はっきりしない。意味は、明るくはなやかなさま。《開き初めたる早咲き梅のはんなりと(近世歌謡・落葉集)》のように使われた江戸初期ごろからの言葉(副詞)らしい。
[PR]
by sumus_co | 2007-11-22 21:45 | あちこち古本ツアー