林蘊蓄斎の文画な日々
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読書の腕前 トーク&サイン会&一箱古本市

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梅田かっぱ横丁のギャラリーりーちへ。6月14日〜26日に「讀む人林哲夫展」を開催することになったので、その打ち合わせ。その後、山下陽子『花と果実の紋章』出版記念展へ。四ツ橋線本町下車。「chef-d'oevre シェ-ドゥーヴル」というお洒落な、じつに場違いにパリが出現したような、カフェ・レストラン。クスクスがメニューにある。その奥が展示スペース。

小生、八〇年代には現代美術の個展をよく見て歩いていたが、そして本町駅の近くには信濃橋画廊という老舗があるが、その時代をまざまざと思い出した。ロマネスクでありながらストイックな空間。さすが山下陽子という感じである。昨夜のオープニングは相当賑やかだったようだ。

肥後橋までもどって久しぶりにカロさん(Calo Bookshop & Cafe)を訪ねる。チキンサンドのセットで昼食。『spin』、『ミカン ア・ラ・モード』など置いてもらってますのでよろしく!

路傍の梨の花が満開だった。梨の実と同じような甘い匂いが辺り中に充ちていた。

梨の花吸いよせられし蟲のごと

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阪神電車で元町まで。今日はまっすぐ海文堂書店に。福岡店長、岡崎氏と雑談。一箱古本から『THE NEW ENGLISH PRIMERS』(三省堂、一九三二年)を購入、おまけしてもらう。三時頃にはほぼ満員。晩鮭亭さんは文芸文庫新刊の阪田寛夫を持参している。岡崎トークは、ラジオの書評番組、城山三郎インタビュー、『十人十色』時代、サンデー毎日の書評などときて、マイブーム本についてあれこれ。得意のプレゼントがあったりして、たちまちの一時間半だった。最後に3月28日の50歳の誕生日を祝ってケーキが出された。イキなはからい。今日は事情があって打ち上げは参加せずに帰宅。4月1日はガケ書房だよ。
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by sumus_co | 2007-03-31 21:52 | もよおしいろいろ

NEW JACK AND BETTY

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『NEW JACK AND BETTY ENGLISH STEP BY STEP 2ND STEP』(開隆堂出版、一九五三年三版)。 英語を習い始めたとき、教科書に初めて登場した男女の名前は何だろう? 昭和二〇年代ならきっとジャックとベティに違いない。小生は昭和四十三年に中学一年生だから、そのときの教科書ではロイとパールだった。架蔵の明治二十年初版のナショナル・リーダー第二ではフランクとジェーンとなっている。

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東京は桜が満開だとか。神保町さくらみちフェスティバルも開かれているし、UBCの準備も進んでいるようだ。巷に噂の「地下展の古書展」またの名を、アンダーグラウンド・ブック・カフェ(U.B.C)、そろりそろりと第9回の開催準備をはじめているのです。

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『新潮』3月号に載った四方田犬彦「先生とわたし」が話題になっているようだ。高橋輝次さんも古書往来で絶賛しておられる。鶴見俊輔さんはこの作品を鴎外の『渋江抽斎』に匹敵するとおっしゃったそうだ。

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『ビートン夫妻のヴィクトリア朝婦人生活画報』全4巻+別冊(The Englishwoman's Domestic Magazine - The Reprint of the Mid-Victorian Ladies Journal, 1852-56)、監修・解説(別冊・日本語):中島俊郎(甲南大学文学部教授)、付録:『家内心得草 : 一名・保家法 』 ビートン夫人著・穂積清軒訳(明治9年)の日本語解説を読む。

夫のサミュエル・ビートンは『アンクル・トムの小屋』や『緋文字』といったアメリカ文学をイギリスで出版した人物でミドルクラスの女性を対象として『婦人生活画報』を創刊した。1852年。日本で言えば嘉永五年。ペリー来航の前年である。驚いたのは当時の雑誌事情。

《上流階級向けの諷刺雑誌『パンチ』(Punch)は売れても4万部どまり、高級誌『アシニアム』(Athenaeum)にいたっては僅々7200部であったのに対して、『ロンドン・ジャーナル』(London Journal)は毎号ほぼ50万部売りさばいていたのである。》

さすが雑誌キングダム。

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花虻が一階の三畳間に迷い込んで来た。カーテンと硝子戸の隙間でブーン、ブーンと羽を鳴らしている。網戸がきっちり入っているために窓が開かず、そっとつかまえて外へ放してやろうとするのだけれど、どうしてもうまくゆかない。帽子で押さえようとしても駄目。十分ほども苦闘して、ふと気づくと、古ぼけた窓の木枠からガラスが外れそうになっているではないか。これだ! 外へ出てそのガラスを取り外してみた。すると花虻はサッと飛び立った。めでたしめでたし。で、問題は、ガラスが元に戻らないんだな、これが……。

虻逐ふて風穴ひとつあけにけり

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近くの家の外観を偵察に出かけたついでにTSUTAYAでDVDの「X-MEN ファイナルディシジョン」(X-Men: The Last Stand、2006)を借りて帰って見る。ミュータントを普通の人間にもどすキュアが開発され、マグニートはその大元である少年を抹殺せんとして……マンガだ。マンガです。
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by sumus_co | 2007-03-30 22:15 | 古書日録

フロオベルとモオパッサン 他

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文林堂書店/岸田国士『ふらんすの芝居』(三笠文庫、一九五三年)
都丸書店/中村光夫『フロオベルとモオパッサン』(筑摩書房、一九四九年三版)
H.MAUER/『Französisch゠Deutsches und Deutsch゠Französisches Tastchen‐Wörterbuch』(Philipp Reclam jun, )
それぞれの古書店レッテル。都丸書店は阿佐ヶ谷に住んでいた頃、よく通ったので懐かしい。赤いドイツ語はレクラムの『仏独・独仏ポケット辞書』に貼られているが、H.MAUER、書籍・美術商店とある。場所は Greifswald、ドイツの北東部になるようだ。

この『仏独・独仏ポケット辞書』には書き込みがたくさんあって面白い。以前にも紹介したかも知れないが、もう一度。

《本書ハ昭和十七年中、無策快心ノ掘出物也 専門店ナラザル道頓堀ノ一古本屋ニテ余リ、高カラザル価ニテ求ム》

この文章を書いたのは《松本蔵書》という印章を押したのと同じ人物だろう。書き方で分かる。他に《Kiichi Tanaka OSAKA, JAPAN》というエンボス(空押し)があるのが珍しい。またゴムの名前印で《谷藤悃》とあって、さらに名前は読めないのだが、裏見返しに《……蔵》というシールまで貼ってある。書物は流転する、ですか……。

そうそう『彷書月刊』4月号の特集が明治・大正の辞書辞典だ。先日上京する新幹線の中で斜め向いの席で中日新聞を読んでいる人がいたが、そこに「英和対訳袖珍辞書」の草稿や校正原稿が、古書市で発見されたとカラー写真で報道されていたのが目についた。共同通信の配信記事だろうと思って調べると以下のような内容。

《1862(文久2)年に幕府の命で編さんされた日本初の本格的な英和辞書「英和対訳袖珍辞書」の草稿や校正原稿が、古書市で発見された。これまで存在が知られておらず、幕末のペリー来航時に通詞を務めた堀達之助らによって英和辞書が成立する過程を解明する貴重な資料となりそうだ。高崎市の古書店「名雲書店」の名雲純一さんが古書市で出されていたのを見つけ、堀の子孫で日本英学史学会の堀孝彦・名古屋学院大名誉教授らが本物と確認した。手書き原稿約20枚は、和紙の左側に横書きの英語、その右側に意味が対応する日本語が縦書きで書かれていた。朱で校正され、「森」など担当者らしい名前が記されている。》

名雲書店さんは友愛書房で修業されたとある人から聞いた。友愛書房さんがかつてはこのジャンルのリーダーだったそうだ。その後継者となったのが名雲書店さんだという。

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渡辺竜王と「ボナンザ」の棋譜が『週刊将棋』3月28日号に載っていた。ボナンザは予想以上に強い。しかしそれを上回る渡辺竜王の強さだ。ボナンザが見落とした手を竜王はかなり前から読んでいたという。この直観的な判断力ではまだプロ棋士の方が上手のようだが、アマでこのボナンザ(市販のものではない、チューンナップ・モデル)に勝てる人はそう多くないだろう。
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by sumus_co | 2007-03-28 21:13 | 古書日録

hay cinema bookshop

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イギリス南西部ウェールズにある古書の町ヘイ・オン・ワイhay-on-wyeの書店マップとヘイ・シネマ・ブックショップのパンフレット。昨日の目録とともにNTさんに頂戴した。

先日の上京中、ヘイ・オン・ワイみたいな町が日本にもあればいいなあ、という話になった。例えば、神田の古書会館では毎週大量の不要本を処分している。生半可な量ではないという。当然、なかには価値ある本も少なくない。保管する場所さえあればむざむざ裁断されなくてもすむのだ(古書会館で処分するわけだから転売禁止、つぶすのみ)。

バブルの頃、京都の古本屋さんの間でもそんな話が出ていたのを覚えている。そのときは北海道あたりに古本村を作ったらというようなことだったと思う。まあ、北海道はともかく(夕張、もしかして?)、どこか過疎の町を借り切るような形で、倉庫にして、夏場は宿泊施設つきの古本祭りを開催する。映画館古書店なんかもやってみたら面白い。(言うだけならカンタンなんだけどなあ)

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『CABIN』9号届く。山田稔「前田純敬、声のお便り」が絶品。『VIKING』初期の同人だった前田との風変わりな関わりを見事に描いている。そのなかに『en-taxi』で坪内祐三さんが「前田純敬の死」という短文を書いているというくだりがある。

《坪内は、彼の尊敬する福田恆存が有望視していた新進作家として前田純敬を憶えていたにすぎないようだが、いずれにせよ、彼の死について書く若い評論家が一人でもいることに、私はかすかな慰めをおぼえた。》

内堀弘「古本屋大塚書店」もしんみり読ませる。かつての古書界の閉鎖性をスパイスに用いながら一九七〇年代の新しい古本屋の風を感じさせてくれる。当時は古書目録を作る費用が今とは比べものにならないくらい高かったという。

《そんな頃、神田の古書店でリースのワープロを入れた店があるというので一緒に見学に行ったことがある。オルガンほどもある大きな機械に心電図でも映すような小さなモニターが付いていて、「じゃあ動かそうか」というと、そこの主人はおもむろにサングラスをかけるのだった。》

小生も一九八〇年代初め頃に中古の和文タイプライターを買った古本屋さんを知っている。グリコ森永事件(一九八四年)が起こった後、刑事が調べに来たと言っていた。そのタイプライターで彼が目録を作ったかどうかは覚えていないけど。

他に松本八郎「蒐め癖」は少年時代の松本さんがいきいきと描かれている。扉野氏の「能登へ」は加能作次郎の郷里を訪ねる紀行文。これを読んで一句。

小石置く富来に波寄す春のなゐ
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by sumus_co | 2007-03-26 20:28 | 古書日録

Lars Müller Publishers 2005

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『Lars Müller Publishers 2005』Lars Müller Publishersの出版目録である。ラルス・ミュラーは一九五五年にオスロに生まれ(小生と同い年だ)、六三年以来スイスに住んでいる。オランダ、アメリカ合衆国などで学んだ後、八二年にバーデンにスタジオを開いた。八三年にタイポグラフィ、デザイン、アート、建築に関する本の出版を始めたとのこと。ゴシック系の文字をシンプルに使うところに特徴があるようだ。下はヘルヴェチカ(書体名)という本の紹介ページ。

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なゐの朝つばき皆落つ心地する

けっこうグラリグラリと、弱くではあるが、長時間揺れたのでぎょっとした。木造の町家は構造的に揺れるようにできていると聞いたが、実際そのとおりだ。
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by sumus_co | 2007-03-25 21:05 | 古書日録

尋常小学校読本 卷三

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『尋常小学校読本 卷三』(文部省、博文館、一九〇九年)。明治四十二年の国定教科書。開巻一頁が「サクラ」である。挿絵にはサインがないものの、なかなかの描き手。

昨日の村井弦斎、いかにも掘り出しのように書いたが、実は梶田半古の口絵が切り取られていた。『俳諧独学』の口絵のことを書きながら、『鎧の風』の方をうっかりするのは、ボケの進行を如実に示している。高値の理由は口絵だったのだ。

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ロードス書房の目録から注文した山本鼎『美術家の欠伸』(アルス、一九二一年)が届いた。これも、安いと思ったのだが、やはり巻末の自社広告頁に破れと補修があった。こんなものか、世の中甘くない。昭和二十二年の加藤一雄『無名の南画家』も同時に注文したが、駄目だった。

閑閑堂の目録71号を何気なく見ていると、『第3回松本竣介遺作展出品目録』(一枚刷り二つ折り、北荘画廊、昭和二十四年七月)が四万円で出ている。へえ〜と思う。洲之内徹『棗の木の下』(現代書房、一九六六年)が見返し切り取り(献呈署名があったか?)で一万円。『絵のなかの散歩』(新潮社、一九七三年)献呈署名入り、箱帯、がやはり一万円。どちらも持ってる。良かった。

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貸家一軒内覧する。なんと、場所は北白川久保田町。知恩寺からもガケ書房からも、そして古本ソムリエ宅からも遠くない場所。建物もそんなに悪くはなかった。ただ、もうちょっと改修に神経使って欲しいと思うが、これだけはなんとも仕方がない。興味ある方はNabeQuestへ。
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by sumus_co | 2007-03-24 20:51 | 古書日録

俳諧独学

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『日用百科全書第拾一編俳諧独学』(博文館、明治三十年三版)。装幀および口絵は富岡永洗。この時期の口絵は木版刷りが多いので見逃せない。一昨日、東山区まで貸家の内覧に出掛けた帰りに尚学堂書店で発見した。むろん表の二百円均一。

帳場で会計を済まして、ふつうならそのまま出てしまうのだが、この日は、ちょっと棚も眺めてみようかな、ふとそう思った。『婦人世界』などがけっこう積み上げられているなかに、『凸凹黒兵衛』『こぐまのコロ助』などがあるも、状態が悪いわりにはそこそこの値段がついていた。

それでもひっくり返していると、おや、と思う一冊が目に留まった。明治時代の小説本だ。ほぼ『俳諧独学』と同じような体裁で、タイトルが定家流というのか、独特のクセのある文字で書かれている。かろうじて作者名が村井弦斎と読めた。奥付を確かめようとしたら、裏表紙と奥付の小口をくっつけてしまっている。本文は割ときれいなので扉で確かめると、間違いない。『鎧の風』だ。明治三十一年刊行。

ところが値段がどこにも見当たらない。ちょっと期待しながら、ご主人に尋ねてみる。ご主人がいたのもラッキーだった。奥さんなら分からない。
「村井弦斎か……、値段つけてなかったかなあ」
ひっくり返したり、くっついた奥付を広げたりして点検したあげく
「千円です」
内心「ナイス!」。値段を付けていないから売らない、などとは決して言わないご主人である。
「千円ですか……、どうしようかなあ」
などともったいぶって間を置いたあと「じゃあ、頂戴します」と頂戴した。

帰宅後、さっそく村井弦斎ならこの人、黒岩女史にメールしてみると、未所蔵だというではないか。個展のときに手土産までいただたいていたので、差し上げても良かったのだが、それも失礼のような気がして、千円でお譲りすることにした。ネットで検索すると、やはりかなりの値段が付いていた。むろんもっと状態はいいのだろう。村井弦斎に「ちょっと、ちょっと」と呼び止められたような、不思議な収穫であった。

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『サンパン』掲載の曽根博義氏の小林多喜二発見が朝日新聞の文化欄に大きく取り上げられていた。松本さんによれば、今号はたいへん評判が良いとのことで、再出発としては上々の滑り出しだ。

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神奈川県近代美術館より「パリのエスプリ佐伯祐三と佐野繁次郎展」のチラシと招待状をいただく。葉山はまだ行ったことがないので行きたいが無理だなあ。

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渡辺竜王とコンピュータの戦い。棋譜が見てみたい。コンピュータが強くなったのは、計算速度の進歩ではなく、人間的な判断基準を取り入れたためである(チェスがそうだ)。だからポカもするようになったのか。

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井上明彦さんの父上が亡くなられたとブログで知った。

咲かぬまに散らぬ国へと越し行けり
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by sumus_co | 2007-03-23 20:49 | 古書日録

2007年3月16日

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いつもの上京より少し早めに出て九時四十三分京都駅発のぞみ124号に乗り込む。予約した7号車の7D席だったが、先客が坐っているので、チケットを見せ合うと、その人は5Dだった。すでに完全にリラックス体勢だったため、荷物や上着や、飲み物からゴミクズまで、全部ふたつ後ろの席へと移動したのだが、ちょっと申訳なかった。

十二時に東京駅着。浜松町まで戻ってそこから美術倶楽部まで歩く。地図がいい加減だったためウロウロしてしまった。自分の展示ブースへ行く前に会場全体をひと回りしておく。鉄斎堂の富岡鉄斎展がもっとも見応えがあった。中川一政展のなかにごく初期のガラス瓶の静物画があり、これだけが良かった。黒田陶苑の加守田章二もかなかなかだ。岸本画廊の拙作展示の隣が弥生画廊の若林奮展で、若林先生には武蔵野美大の一年生のときに共通彫塑という授業で指導を受けた。カッコイイ先生だった。

岩田和彦さん見える。黒岩比佐子さんは神保町の帰り道(遠回りですが)に寄ってくださった。いろいろ収穫を拝見する。画集とか古い写真集や絵葉書などである。女性で黒岩女史ほどディープな古本者はさすがにまだそう多くはないだろう。つづいて青柳さん見える。装幀の打ち合わせを少々。やはり愛書会での収穫を。『上方』(創元社)一冊。二百円だったとか。なるほど。ちょっとムズムズしてきた。書肆アクセスで買ったという岡崎武志『読書の腕前』(光文社新書)の似顔絵入りサイン本を持っていて「いいでしょ、坪内さんにしました」と見せてくれる。

しばらく知人がとぎれて、五時に柳瀬氏が来たのでロビーで雑談。家の話や自転車通勤についてなど。日比谷まで同行して別れる。まだ仕事だそうだ。春日の東横インにチェックインして神保町へ引き返す。今夕は八羽で飲み会が予定されている。すでにAさんとBさんが居て、半年ぶりで乾杯する。Bさんはタンタン・ヘアになっていた。

そこへ少し遅れて長谷川郁夫さんいらっしゃる。初めてお会いするが、著書から受ける印象よりもずっとくだけた感じである。ABさんとも十年ぶりだとか。まだ来ていないCさんが声をかけたそうだ。そこへ『美酒と革嚢』(河出書房新社、二〇〇六年)の担当編集者のKさんが見える。長谷川さんが呼んだ。さらにDさん登場。『美酒と革嚢』が芸術選奨文部科学大臣賞に選ばれたという発表が六時の相撲終了後のニュースであったとの報告あり。皆でカンパイする。

だいたい十日前ぐらいには打診があったとのこと。賞金は税金の還付という形なのだそうだ。D夫人も加わる。さらにCさんもやっと仕事を終えて到着。Cさんから嬉しいことを聞いた。萩原魚雷くんの単行本が中川六平さんの編集でもうすぐ出版されるというのだ。去年、中川さんに会ったときには「魚雷なんか才能ないよ」なんて軽くいなしていたのだが、やっぱりちゃんと考えていてくれたのだ。スムース文庫版『借家と古本』の担当編集者としてはたいへん嬉しいニュースだった。

にわかに長谷川さん受賞記念会の雰囲気となる。Dさんがみんなで感想を言い合おうというので、まずは担当のKさんから初校を長谷川さんに渡してから四ヶ月も帰って来なかったという裏話が出る。それはやはり第一部と第二部の扱いに悩んだことに由来しているようだった。

つぎに隣の小生に回って来たので第一部はいらなかったと言ってしまう(ちょっとお酒が入ってました)。Kさんよりいささか反論あり。Dさんが「林さんは普通の読み手じゃないよ、ディープな読み手だけど……」と言いかけたときに、Cさんの仲間のEさんFさんが出来たばかりの本を届けにきた。Cさんが呼んだのだ。Cさんは長谷川さんに一冊差し出した。長谷川さんが「いいよ、これはいい本だ」と褒めちぎる。DさんとEさんは昔からの知り合いだったというので、Cさんは二人が帰ると言っているのを引き止め「いっしょに飲もうよ」と招き入れる。

座敷が満員になってしまった。Bさんが、ちょっと憮然として、「おれ帰ろうかな」とぶつぶつ言うので、小生はむろん冗談のつもりで「帰れば」と言ってみたら、なぜか突然、Dさんが「帰る」と言って立ち上がり、さっさと出て行ってしまった。一同唖然とする。Bさんはジャンパーを羽織ったりしながら、EさんFさんを追い立てたりしたので、Dさんは当然、風のように姿を消していた。「待っていてくれないんだ」と泣きそうになりながらBさんはもどってきて、D夫人も「ごめんなさい」といいながら出て行ったので、Cさんに向かって文句を言い始めた。

CさんとBさんはちょっと互いに手がでるんじゃないか、と思うくらい、激しく言い争っていたのだが、みんなになだめられて、Dさんは最近忙しすぎるんだよ、というようなあまり説得力のない説得でだんだん落ち着いて来た。AさんBさんともDさんとは長い付き合いだが、あんなふうに帰ったのは初めてだとしきりに首をひねる。まあ、それで席はすっかり白けてしまって、なんとなくBさんの独り舞台の感じになってくる。

なんだかDさんの「だけど……」の後が気になって仕方がない。『美酒と革嚢』の第一部はやっぱり必要なんだよ、林さん、わかってないな、と言いたかったのかも知れない。長谷川さんは「厳しい意見」とおっしゃっていたが、厳しいつもりで言ったわけではなく、その方が、読者には親切かなと思っただけなのだが……。もちろん著者の想いというものも分かっているつもりではあるが。

Aさんの絶版になっている名著がX文庫に入ることになっている。しかし、Aさんは追加百枚書くつもりで一枚も書けていないという話が出る。長谷川郁夫さんは、追加はいらない、元のまま文庫にして、その後のことは小説にしないと書けないよ、としきりにAさんに小説を書くようにすすめる。Bさんは「Aなんか、全然、たいしたことない奴だよ」とかなり悪酔いしている。Aさんはまったくいつものことだというふうで気にせず、「こいつはバカですから、ほんとバカなんですよ」と柳に風。

ついにはBさんが「芸術選奨なんかぜんぜんたいしたことない」と言い出す。Aさんは「バカなんで許してやってください。こいつは人の幸せをこわしたい奴なんですよ」とフォローする。長谷川さんは笑っているだけ。そんなふうになんとなく料理もなくなって解散となる。CさんとBさんは固く握手して別れる。AさんBさんと三人で水道橋駅まで歩く。Aさんは酒を飲まないのでずっと素面だったわけで(御苦労さまでした)、素晴らしい人だ、あらためて尊敬し直した。Bさん、ほんと正直もほどほどにね。
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by sumus_co | 2007-03-22 21:08 | 東京アレコレ日記

2007年3月17日

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東京タワーを横目に美術倶楽部へ。十時過ぎに到着。右文書院主と『遥かなりペ・ヨンジュン』の作者 photographer さんが来場。韓国の出版事情などをうかがう。

十一時に yoshiken 氏、しばらくして西秋氏来場。ロビーで来年五月のUBCに合わせて「佐野繁次郎装幀展」を古書会館二階のギャラリーで開催するための打ち合わせ。 yoshiken 氏のコレクションの最新リストを見せてもらうが、かなり網羅している。いくつかの高額商品が抜けているものの、それらはUBCの参加店から借りることも可能だし、これまでの装幀本の展示ではもっとも充実したものになるだろう。中野書店さんも来られたので四人で神田へ。入れ違いにハマビン夫妻が。挨拶だけで申訳ない。

ランチョンで昼食、ぶらじるで珈琲という、まさに神保町な展開。中野さんの古書業界ばなしは興味津々だった。 yoshiken 氏と古書会館の愛書会へ。さすがにそう買い込むわけにもいかないが、それでも『上方』(創元社)を五冊ばかり。なぜか大阪関係の本がまとまって出ていた。帳場で計算してもらうと、ある古書店さんが表紙を指して「これ、貼付けてあるんだね」と驚くので「木版画ですよ」と講釈してしまう。『上方』は復刻版もあるが、元本が一冊二、三百円じゃあ可哀想。

書肆アクセスへ。畠中さんはお休みで会えなかった、残念。青木さんたちと立ち話をして、内澤旬子『世界屠畜紀行』(解放出版社、二〇〇七年)のサイン本を求めようとすると、品切れだった。青木さんが奥から一冊を出してくれたが、ひょっとして大事な本だったかも知れない。申し訳ない。そこでバッタリ「つばめ」さんと遭遇する。ぶらじるであれこれ。永山則夫についてなど。

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山の上ホテルへ。新館二階で『遥かなりペ・ヨンジュン』の出版記念が開かれていた。装幀者として顔出しを頼まれていたので、終わりの方に参加したのである。女性陣の熱気に圧倒される。受付にいた青柳さんと立ち話をしていると、昨日、愛書会で青柳さんが買った『上方』はカフェー特集号だったというので驚く。それが欲しかったんだけどなあ、さすがだ。

美術倶楽部へ戻る。坂崎翁、生田氏など留守中に来場いただいていた。工作舎のIさんが見える。岡崎・山本対談本はお盆の納涼古本まつりまでに仕上げたいそうだ。じつに楽しみ。これがうまく行けば……という話も出て、いよいよ楽しみになる。

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夕食は岸本画廊主に連れられて銀座七丁目すずらん通りの「やす幸」へ。この色の薄いおでんは関東では珍しいのではないだろうか。西銀座の「保志」へ回ってスコッチのハイボールなど。早めにホテルに戻る。
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by sumus_co | 2007-03-21 20:45 | 東京アレコレ日記

2007年3月18日

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[白山通沿いの古書店にこんな看板が]

午前十時にホテルを出て白山通り沿いに神保町へ向かう。西神田あたりの路地を気まぐれに曲がったりして写真を撮る。ガス工事を大々的にやっていた。日曜日なので大方の店は休み。岩波ブックセンター信山社の前で白水社のSさんと落ち合う。白水社まで歩いて二階の編集室で打ち合わせをする。当たり前ながら休日なので誰もいない。応接テーブルの横の本棚にはクセジュの元版がずらりと並んでいる。となりには新しい(黄色い表紙の)白水社版クセジュ。

構成について擦り合わせ。書き下ろしエッセイを一編追加することになる。刊行は、六月までの予定がすでに埋まっているため、七月以降、秋までの適当な時期になるそうだ。

Sさんと地下鉄で御成門へ。美術倶楽部の展示を見てもらって、二階の大広間で一緒に弁当を食べる。臨時の大食堂である。柿安のおにぎり弁当1050円。正面の床の間には奥村土牛(?)が掛かっていた。北側全面のガラス窓から和風の庭園が眺められて気持ちがいい。食後、S氏と別れる。

淀野隆三の次女の方とそのお嬢さんが見える。二階の茶室で抹茶をいただきながら淀野日記についてなどあれこれ。小生は無作法なのでがぶのみだったが、茶碗は、石黒宗麿、中川一政、ルーシー・リーなど。床の間には山口長男の三号ほどの油絵、これがよく合っていた。花はヨコハマ緋サクラと何とかいう椿、花生けは訊き忘れた。

桃色の櫻のありて茶三服

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吉上夫妻が四角と丸の奇抜な眼鏡をかけて現れる。隠居中の長井さんも来合わせたので、二階で抹茶をふるまって(抹茶券をたくさんもらっていた)、ロビーの椅子で雑談。三方はみな東京生れなので、マンションのベランダでとんぼを育てる話など、おもしろおかしく。

コレクターのT夫人が見えて話しこんでいると、セラヴィさんが終了時間近くに現れる。フェアーに展示されていた若林奮の作品や三岸好太郎の珍しい小品静物の話、神田や飯田橋の古書店で書き入れ本と自筆原稿をすすめられて買う気になっているという話など。銀座まで三人で雑談しながら歩き、結局、四丁目の竹葉亭でうなぎ丼を食して別れる。

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by sumus_co | 2007-03-20 21:53 | 東京アレコレ日記