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カテゴリ:もよおしいろいろ( 95 )

牧野伊三夫展ツアー

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個展終了でとりあえず一息ついた。来週はまた少々ドタバタしそうなので、本日市中を一回り。まずはメリーゴーランド京都で牧野伊三夫展。上の写真の真ん中に写っているコラージュ(+ペインティング)が渋くて実に良かった。展示はどれも抽象的な作品だった。

バスで河原町通りを北上し今出川で下車。善書堂の均一をのぞき、歩いてWEスペース下鴨・ギャラリー&カフェへ。知人が参加している「5つの表現展」を見る。通りから奥まった隠れ家風になっており、花々が咲き乱れる庭を眺めてゆったりできるスペースだ。

出町柳まで歩いてバスに乗り、白川通りまで。久し振りのガケ書房で牧野伊三夫展。こちらは具象的なスケッチ風の作品が中心。写真が一点あって、これがまた欲しくなるほどの逸品。

来年の花森安治カレンダーの表紙が素晴らしく、これも欲しくなった。結局は店内の古本棚から詩集一冊求めただけでガマン。牧野さんの題字とイラストのフリーペーパー『飛騨』と『雲のうえ』をもらう。活版刷の絵葉書は購入。

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善行堂へ立ち寄る。主人不在。遠路、鹿児島へ出張中だとか。奥さんとしばし雑談。三本松という地名が出て来てびっくり仰天。

二条通へ回って水明洞を見る。珍しく何も買わなかった(!) そこから目と鼻の先のブックカフェ&ギャラリー・ユニテ UNITÉを訪問。二条通りからわずかに北へ入ったビルの奥にあるが、扉を開けると別世界の感じだった。右手ギャラリースペースには絵の他に陶芸、木工などの作品が常設されており、中央に書棚、左手がカフェである。神戸の個展に来てくださったご主人としばらく談話。

ユニテから南下。ユニテのご主人に頂命寺の境内を抜ける道を教えてもらう。仁王門通りに出て川端通りの手前で左折(南下)。町家のギャラリーnowakiでまたまた牧野伊三夫展。こちらはスケッチと抽象性の強い作品と両方並んでいた。小物もいろいろ。

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牧野伊三夫展ちらし
http://chirashcol.exblog.jp/18705616/

最後にアスタルテ書房まで足をのばしてみた。残念ながらまだ「緊急入院」の張り紙はそのままだった。

          ***

海文堂書店の平野さんがブログを移転して再開しました。

ほんまに日記
http://hiranomegane.blogspot.jp
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by sumus_co | 2013-10-18 20:38 | もよおしいろいろ

第6回「小さな古本市」メリーゴーランド京都

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お元気ですか?
メリーゴーランド京都は、この秋で6周年を迎えます。そして、毎年ご好評をいただいている「小さな古本市」を今年もまた開催したいとおもいます。絵本・読みもの・画集・詩集など、とっておきの本が、贅沢にも二日間だけメリーゴーランド京都に集まります。誰かが読んだ一冊の本を、別の誰かがあたらしい気持ちで、また懐かしい気持ちで、手に取る・・・。古本を見ていると、本の不思議な運命のようなものを想わずにはいられません。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

○開催日  2013年
10月13日(日)10:00~19:00
10月14日(月・祝)10:00~17:00

○会場   
寿ビル5F ギャラリーギャラリー(メリーゴーランド同フロア)
〒600-8018 京都市下京区河原町通四条下ル市之町251-2 寿ビル5F
電話 075-352-5408

オコリオヤジ改め「ぺるデュ書店」として出店します。先日の『季刊湯川』を五冊揃えるために余分に購入した数冊など、今回は渋めを出すつもりです。
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by sumus_co | 2013-10-10 21:42 | もよおしいろいろ

約100人のブックカバー展 in Loft UMEDA

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小生も上のような架空書店「ぺるデュ書店」のカバーを出品した。ということで本日会場を視察。および自作を購入してサクラとなる。

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ブックカバーはいずれもデザイン的に見て非常にレベルが高い、すぐに商品化できそうなものばかりだった。黒っぽいのはほとんどなかったが、ま、その意味では目立っていた。若い女性向けのイラストレーションが多数を占めるような感じがした。

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同時開催の古書市もなかなかのレベル。やはり「固有の鼻歌」さんが渋すぎる大人の出品で(加能作次郎とか由良君美とか)、今日、これだから初日あたりはどうだったんだろうと、心配になるほど(何が?)。


 *

イラストレーターやデザイナー、作家やショップ、会社員や学生 etc. 老若男女約100人が「こんな本屋さんがあったらいいな」と考えた「架空の本屋さんの、架空のブックカバー」の展覧会。味のある印刷で人気のレトロ印刷JAMで作られた約100種類もの紙の紙のブックカバーが会場内の壁面等にズラリ一同に展示される様子は正に圧巻。もちろん気に入ったブックカバーはその場で購入可能です! また会場内では古本市や本にまつわる様々なイベントもご用意。読書の秋にふさわしい、もっと本が好きになる、そんなイベントです。

日時:9/13(金)~10/8(火) 10:30~21:00(最終日は17時まで)

場所:梅田ロフト 7階 ロフトフォーラム

主催:kof book sellers union
(駒鳥文庫・ON THE BOOKS・FOLK old book store)
http://bookkaba.lolipop.jp/wp/

協力:レトロ印刷JAM 梅田ロフト

 *
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by sumus_co | 2013-09-30 20:28 | もよおしいろいろ

安保倶一「子どものいる風景」展

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本日、河原町通りの mina というビルにあるユニクロで洋服を見ていたところ、「林さん!」と声をかけられた。扉野氏だった(今月三度目の予期せぬ遭遇!)。東京での「藤井 豊「僕、馬 I am a HORSE」展」から戻ったばかり。オープニングトークは盛況だったとのこと、何より。「今、メリーゴーランドで、もう亡くなった方なんですが、面白い展覧会をやってますよ。谷内六郎みたいな絵なんですよ」と言われて、へえ、と思って足を運んだ、もちろん三密堂書店をちょっと覗いてから。

この作家(と言えるのかどうか、生前は発表していなかったらしい)を発見したのは若い絵かきさんだという。手書きの説明文にはこのようにあった。

《安保倶一、兵庫生まれ。
 東京に上京しデパートのディスプレイデザインなどを担当。のちに兵庫にもどり、半身不随になりながらも筆を執り、絵を楽しんだ。
 安保倶一氏は無名の画家でしたが、その愛らしい、小さな絵の中には、確かな息づかいが感じられます。
 この小さいながらも確かな絵の世界からは、同時代を生きた、もう一人の画家。長谷川潾二郎氏の次の言葉が思い出されます。「よい画はその周囲をよい匂いで染める。よい画は絶えずよい匂いを発散する。よい匂い、それは人間の魂の匂いだ。人間の美しい魂の匂い、それが人類の持つ最高の宝である。」》


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額縁も手作りだという安保(あぼ)氏の作品はわずか六点だけの展示だったが、たしかに「よい匂い」が香るようであった。色の使い方に特に感心した。おそらくそのあたりによい匂いの秘密があるように思う。

無名の画家ということで関連させると、たまたま、9月21日から洲之内徹生誕百年記念のコレクション展がギャラリー島田で開かれることになった。洲之内徹がエッセイに書いた画家たちの作品が並ぶ。21日、初日の午後五時より、洲之内徹の臨終にも立ち会った画家の木下晋さんと小生がトークをすることになった。トークといっても小生は木下さんの話を引き出す役割になるだろう。今からどんな話が聞けるのが楽しみでならない。入場無料(要予約)ですので、お近くの方、洲之内徹にご興味のある方、ぜひご参加ください。
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by sumus_co | 2013-08-31 20:46 | もよおしいろいろ

タイポグラフィ2つの潮流

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『タイポグラフィ2つの潮流』(武蔵野美術大学美術館・図書館 武蔵野美術大学造形センター、二〇一三年五月二〇日、デザイン=朴志勲)。

ご覧のようにかなり凝った造本である。二冊を一枚のカバーで包んでいる。

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しかも背は綴じが見えている。本来ならここに表紙を貼付けるわけである。それがいわゆる並装(なみそう)本ということになる、いや、厚い表紙を付ければハードカバー(上製本)。並装の場合はこの写真のように糸綴じせずに糊で固めるだけの場合が多い。

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「2つの潮流」とはどういうことか? ものすごく簡単に言えば、この二分冊の表紙に印刷された「R」の文字の字体が示している通りである。一つはウィリアム・モリスによる中世復古デザインの流れ。もうひとつはユーゲント・シュティールからロシア構成主義を基盤とする新しい文字デザイン「ニュー・タイポグラフィ」。形からだけ言えば、後者は「サンセリフ」(日本では何故かゴシック体と称している、「セリフ=髭状の飾り」がない字体)が主体である。

《わたしたちがもちいる基本の書体は、サンセリフであるべきで、ライトウェイトからボールドまでのふとさと、さらにコンデンスからエキスパンドまでの字幅を包含します。》(ヤン・ヒチョルト『基本タイポグラフィ』、本書より)

ただしサンセリフが本文の文字として読み難いことは証明済みであろう。この展覧会はそういうことは抜きにしても、これらの書物の実物を目することができるというだけで、たいへん貴重な機会であろう(ほとんどは武蔵美のコレクションだそうです)。

タイポグラフィ 2つの潮流
Two Streams of Typography
2013年5月20日(月)ー8月18日(日)
武蔵野美術大学美術館 展示室3
http://mauml.musabi.ac.jp/museum/archives/6502
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by sumus_co | 2013-07-16 17:29 | もよおしいろいろ

『西荻街角ミニミニふるほん市』@盛林堂

6月1日・2日
今年もやります!『西荻街角ミニミニふるほん市』@盛林堂!!

参加店は、以下の通りです。

聖智文庫 (神奈川・藤沢 http://www5.ocn.ne.jp/~syouchi/)
古書善行堂 (京都 http://zenkohdo.shop-pro.jp/)
古本オコリオヤジ(林哲夫)(京都 http://sumus.exblog.jp/)
古書あやかしや (広島・ネット古書店 http://homepage1.nifty.com/maiden/)
アカミミ古書店 (東京・ネット古書店)
古本屋ツアー・イン・ジャパン
東京セドリーヌ&MONGA
プロ・アマ混合のどの店舗も何が出てくるか楽しみな感じです。
6月1日(土)は、11時よりご覧頂けるように準備を進める予定です。
宜しくお願い致します。
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by sumus_co | 2013-05-26 17:37 | もよおしいろいろ

暮らしと美術と高島屋展

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世田谷美術館で開催中の「暮らしと美術と高島屋」展図録を頂戴した。高島屋は京都烏丸松原上西側で天保二年(一八三一)一月十日創業。創業百八十二年の記念事業として(?)世田谷美術館はじめ各所で高島屋関連の展覧会が開催されている(されていた)。

高島屋が初めて開催した美術展覧会は明治四十二年十月京都店での「現代名家百幅畫會」だった。三越はその前年十一月に「半切畫展覧会」を心斎橋の大阪店で開催して一歩先んじていたようである。昭和三十年生まれの立場で喩えれば、少年マガジンと少年サンデーのつばぜり合いみたいなもの。三越大阪支店美術部は明治四十二年創設だが、高島屋の大阪店は四十四年開設とここでも一歩遅れている。

しかも三越の初代美術部長・北村鈴菜は高島屋の京都本店が編集していた『新衣裳』という雑誌(本図録にも書影多数あり)を大阪朝日新聞の大森痴雪とともに担当していたという経歴の持ち主だったから、ある意味、仁義なき戦いだったもよう(北村鈴菜と三越美術部については山本真紗子氏による論稿を参照)。

とにかく百貨店の扱う美術というのは、七〇年代、八〇年代の美術展ラッシュを待つまでもなく、日本の美術の流れのなかでも無視できない大きな存在であったのは確かであろう。その辺の様子も本図録を見るとよく分る。時代に応じて当代の一流作家が百貨店美術部を賑わしてきた。本図録掲載作家を参考にして簡単に言えば富岡鉄斎から元永定正まで、節操のないようで節度をわきまえた品揃え、というような気がする。

その意味では、美術館で作られる美術史と百貨店美術部で作られる美術史は共通しながらもかなりの程度で異なるわけだが、どちらかが優れて、どちらかが劣るというよりも互いに補完する関係のようである。そんなことはともかく、図版のなかで一番欲しいと思ったのは上の図、島成園「お客様」(一九二九)。二人の少女、姉妹(?)の緊張振りが伝わってくる見事な描写だ。

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明治二十六年頃の高島屋飯田新七東店(京都)の建物。内部は椅子とテーブルでなかなかハイカラなインテリアである。

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高島屋日本橋店は昭和九年に「現代日本民藝展覧会」という民芸運動にとっての画期的な企画を打ち出した。この年、柳宗悦(上の写真は一九一三年撮影)は「日本民藝協会」の初代会長となり、その活躍によって昭和十一年に駒場の日本民芸館が開館の運びとなる。おそらく高島屋の果たした経済的役割は決して小さなものではなかったろう。総支配人の川勝堅一の民芸(とくに河井寛次郎)への入れ込み方は一通りではなかったようだ。

もうひとつ美術とは別に高島屋出版部も注目に値する。これについても『書影でたどる関西の出版100』に高橋輝次さんが書いておられるが、そこに出ていない書影もこの図録には掲載されていて、たいへん参考になる。
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by sumus_co | 2013-05-18 21:26 | もよおしいろいろ

阪大で「オオサカがとんがっていた時代」を見る

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梅田から阪急宝塚線で石橋下車。ここの駅西側の商店街は、それこそ昭和三十年代の匂いが色濃く残る貴重な遺構である。


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異界へのトンネルのような商店街を通り抜けて大阪大学へ向かう。


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高速道路の高架下に太田書店。久し振り。梅田のかっぱ横丁にも出店している。文庫本までもビニール袋に封入して完璧に状態を保っていることに驚く。堅い本が多い大学町の古書店というイメージそのまま。表は210円均一。これは拾える。


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太田書店から歩いて数分。緑の多いキャンパス、校門を入ると正面左手に総合学術博物館の建物が見える。初めての訪問。

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「オオサカがとんがっていた時代 戦後大阪の前衛美術 焼け跡から万博前夜まで」は三階企画展フロアにて開催中(入場無料)。

いきなり小石清の『初夏神経』(国書刊行会の復刻版)、『柳屋』の未来派特集号が並んでいてビックリ。前田藤四郎の「時計」や銅板画のプレートを貼付けた本などもある。池田遊子の油彩画や彫刻作品。デモクラート関連で、瑛九のフォトデッサン作品集、早川良雄のポスター、泉茂、三上誠、下村良之助、河野芳夫。

目玉のグタイピナコテカ(大阪中之島に吉原治良が伝来の土蔵を改修して作った展示施設)関連では、白髪一雄、嶋本昭三、元永定正、村上三郎、田中敦子、マチウ、サム・フランシス、ミッシェル・タピエ、ポール・ジェンキンス、アッセット、カポグロッシ、フォンタナらの作品展示。グタイピナコテカでの展覧会パンフレットや案内状、写真資料がズラリ。新歌舞伎座関連で村野藤吾、辻晉堂、建畠覚造。オリンピック関連で横尾忠則など。

たしかにトンガッテいる。近畿圏が戦後の非具象美術を(国際的にも)牽引していた時期があったことが如実に分かる仕掛けになっている。図録があれば買いたかったけど…なかった。プリント資料のみ。

『古書店地図帖全国版』(図書新聞社、一九七三年五月一〇日二刷)によれば石橋の周辺には太田書店だけ。平和堂書店が池田の近くにある。また『大阪古書店案内114』(980企画社、一九八〇年六月一日)には太田書店と《マチカネ書店 阪大正門の正面にある》が掲載されている。古書キリコは石橋と池田の中間くらいに現在も営業しているようだ。訪ねてみればよかった(「天神さんの古本まつり」に出店)。他に古書組合などに登録していない古本屋もあったかもしれない。
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by sumus_co | 2013-05-17 20:21 | もよおしいろいろ

墨画と浮世絵展

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洛東遺芳館で開催されている「墨画と浮世絵展」を見る。天気もよくて、暑くもなく寒くもなく、ちょうどいい散策日和。四条河原町から鴨川沿いに歩く。川端通り、五条の橋を過ぎて一本東側の問屋町通りを五条から少し下がったところに柏原家邸宅(洛東遺芳館)が見えてくる。柏原家の祖先は肥後熊本の出だそうで正保二年(一六四五)に当地に居を構え、小間物などを扱いながら成長して豪商となった。柏原家の江戸時代から伝承の品々を毎年春秋の二度公開しているという。

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浮世絵では歌麿と北斎、国芳などが出ていた。こちらは北斎画の『潮来絶句集』二冊。

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最近、とくに興味を抱いている水墨画では、文晁の屏風など大作もあったが、この展示ケースが気に入った。右から野呂介石、谷文晁、貫名海屋。

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美術館の建物を出て、邸宅の方へ移動。玄関から応接間、控えの間、床の間、仏間、裏庭まで公開されており、いくつか屏風などが展示されている。ここでしばらく庭を眺めてぼんやりしているのは、なんとも気持ちがよかった。これだけの邸宅を管理するのはなかなか骨が折れるだろうなと思いつつ。

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穴場というほどでもないかもしれないが、土曜日の午前中、来館者は小生一人だった。本展は五月五日まで。
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by sumus_co | 2013-04-27 20:09 | もよおしいろいろ

東京オリンピック1964 デザインプロジェクト

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東京オリンピック1964 デザインプロジェクト』(東京国立近代美術館、二〇一三年二月一三日)図録を頂戴した。深謝です。今、東京近美のギャラリー4で開催中(フランシス・ベーコン展と終了日は同じ)。

《東京オリンピックの開催が決定すると、1960(昭和35)年春、10名のデザイン関係者が招集され、デザイン評論家勝見勝を座長とするデザイン懇談会が発足した。》

《シンボルマークについては指名コンペで亀倉雄策案に決定、「日の丸」を連想させるシンプルで力強いシンボルマークはすべての公式印刷物に使用されることになった。そして、色の使用については河野鷹思、書体については原弘、全体の調整を勝見勝が行うというルールが確立された。》

本展は招致活動のポスター類からオリンピック関連グッズまで、おおよそのオリンピック・デザイン・フィーバーが感じ取れる展示内容になっているようだ。ただ、はっきり言って、今見ると、あらゆるデザインが古くさい。おやっと目がとまるのは粟津潔の「Here is JAPAN」くらいかも。

そのなかでは公式ポスターの三点がたしかに成功している。戦前のドイツ・デザインを連想させはするものの、時間によってさほど風化されていない。

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第2号ポスター(第1号は日の丸と五輪を組み合わせたもの)。一九六二年二月か三月に日本人の陸上選手三人(久保宣彦、岡本政彰、潮喬平)と米軍所属の選手三人(アームスター、エバンス、タッカー)によって国立競技場で撮影が行われた。約三時間にわたって三十回から四十回スタートダッシュが繰り返されたそうだ。およそ百本のフィルムのなかから全員の顔が見える一枚が選び出された。ADは亀倉雄策、撮影は早崎治、フォトディレクターは村越襄。B1サイズのグラビア印刷は日本初だったそうで大日本印刷と凸版印刷に各二万五千枚発注された。増刷もあって合計九万枚が印刷されたという。


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第3号ポスターは東京体育館で一九六二年十二月と翌年一月の二回撮影が行われた。亀倉から「水を凍らせろ」という指示が出されストロボ六十台が水面に当てられた。モデルは早稲田大学水泳部の岩本光司。撮影は早崎治。こちらも当初は五万枚、後増刷して七万枚印刷。


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第4号ポスターは落ち着きのあるものをという組織委員会からの注文で聖火ランナーを取り上げることになった。モデルは順天堂大学陸上部の田中良明。一九六四年一月、荒川土手で撮影された。6×6サイズのフィルムの端に写っている人物を大きく引き伸ばしたため画面が荒れて点描画のようになった。撮影は早崎治。東京大会の公式ポスターなので会期も記されている。五万枚納品。


東京オリンピック、といっても個人的にはあまり記憶にはない(なにしろ九歳だったもので)。開会式や女子バレーボールの映像は覚えているような気もするが(もちろんテレビで見た)、後年、何度となくくり返し振り返られる映像なので単なる刷り込みかもしれない。
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by sumus_co | 2013-04-05 21:45 | もよおしいろいろ