『文学雑誌』創刊号(三島書房、一九四六年十二月二十日、表紙=吉原治良)。以前から目録で見つける度に注文していたが、三度目の正直でやっと当選した。藤沢桓夫編輯となっているものの、藤沢は金主兼アドヴァイザーという感じで、初めの頃の実務は長沖一がやっていたらしい。やはり藤沢の肝いりだろうが、三島書房はこの時期に文学書をかなり出版して気を吐いた。三島文庫(文庫判ではなく四六判)シリーズ(十七冊?発行)も最近はけっこう古書価が付いている。昭和三十年代まで出版物は確認され、最後には楳図かずおの初期作品を何点か刊行している。古書価の点ではこれらがダントツか。
創刊号の表紙とカットは吉原治良で、その意味でも貴重な雑誌と言える。現在も刊行されているのかどうか確認していないが(
杉山平一氏の自宅が発行所)、関西の文芸雑誌のなかでも長寿の一つであって、その発行所の変遷は下記の通り。52号(昭49.9)に総目次あり。
三島書房 1巻1号〜
大丸出版社 3卷3号(昭24.3)〜
帝塚山學院短期大學出版部 復刊1号(昭25.10)〜復刊2号(昭26.1)
文学雑誌発行所 19号 (昭27.6)〜
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みずのわ出版よりBCCメールあり。
「佐野繁次郎装幀集成——西村コレクションを中心として」(西村義孝編著/林哲夫構成)が、31日夕刻出来上ってきます。B5判111頁のうち、カラー図版が96頁で600点超、これで2310円はお買い得です。ご予約承っております(ご予約分は、11月1日のねこメエル便で発送します)。
31日はアトリエ箱庭での佐野本陳列日。箱庭では1日から販売します。貸本喫茶ちょうちょぼっこへも1日午後に届く予定です。
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テレコムスタッフの撮影初日、絵を描いているところをずっと撮られるというのは、思っていた以上に疲れる(
NabetsumaJunkに現場写真あり)。普段なら、けっこうチンタラ描いているのだが、やっぱりカメラが張り付いているときばってしまう。明日は百万遍での撮影。インタビューをお願いする方もあるやも、その節は宜しく。