海文堂書店の書皮のコピー(を撮影したもの)を某氏より頂戴した。これは海文堂書店に展示されていた(いる?)そうだ。以前も現行のデザインとは異なる書皮をこのブログで紹介したことがある。
去年の十月二日。いつごろの時代のものだろう? 左手、特徴的なデザイナーズ・チュアー、どこかで見たような形だが、思い出せない。そのすぐ上に室生犀星の詩が刷り込まれている。
本
本をよむならいまだ
新しい頁をきりはなつとき
紙の花粉は匂ひよく立つ
そとの賑かな新緑まで
ペエジにとぢこめられてゐるやうだ
本は美しい信愛をもつて私を囲んでゐる
出典は『第二愛の詩集』(文武堂、一九一九年)、元本は恩地孝四郎装幀、と教えてもらった。創業大正三年の海文堂が元町に出て来たのは大正十二年だそうだが、元は海事出版社で、総合書店となったのは戦後だと聞いたような記憶がある(ご教示を乞う)。椅子のデザインから考えて戦後だとは思うのだが……。
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装丁家の多田進氏がブログ「
白の余白」を開設された、と古書現世の向井氏が知らせてくれた。和田誠、間村俊一、工藤強勝(敬称略)とともに「版下バカ」の展覧会に参加されていた方なので、ブログというのは意外であった。しかも、なんと、拙著『文字力100』(みずのわ出版、二〇〇六年)を紹介してくださっている。ありがたいことです。ちなみに多田氏は向井透史『早稲田古本屋街』(未來社、二〇〇六年)の装幀を手がけておられる。
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ある洋書を検索していて「
Lis tes ratures!」というフランスの二十一歳の女性(と書いてあるけど)がやっているブログにたまたま行き当たった。むろんこれは「リテラチュール littérature(文学)」という単語を三つに分けて(綴りは少々違うが発音は同じ)「リ(読め)テ(おまえの)ラチュール(削除箇所)!」と洒落た命名。そのカテゴリー欄にマンガ(Mangas)があったので覗いてみたら『デスノート』絶賛の内容だった。やっぱりマンガは世界文学だ。いずれノーベル文学賞はマンガの原作に与えられる?(ノーベル絵画賞ってないもんね)。