林蘊蓄斎の文画な日々
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伊豆湯ヶ島

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昨日の「淀野繁様」で、淀野隆三が初めて梶井基次郎に会ったのは大正十四年一月と書いたのは早とちりだったので訂正する。確認したら大正十三年十二月二十四日だった。そこにこうある。

《夜あけぼので劇研の先輩、外村茂兄、梶井兄[赤鉛筆で三字傍線]、中谷兄に会ふ。[一行空き]そしてその夜外村と梶井と浅沼と北神とは僕の家でとまつた。外村と梶井とが、議論した。梶井は敬虔な宗教的な考へであり、外村は生活を第一とする異端の徒だ。僕は二人とも首肯できる。そして大いに得たことは
 自分自身を強く表現せよ
と云ふことだ。》

「あけぼの」は円山公園の料亭か(旅館?)。『梶井基次郎全集別巻』(筑摩書房、二〇〇〇年)の詳細な年譜では十二月二十七日のこととして記されている(この部分の典拠は記載されていない)。

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この二枚は淀野隆三資料に含まれる「梶井日記」第九帖(複写)より。昭和二年十二月に湯ヶ島で書かれた梶井の創作メモと日記の一部。下の左三行から次の頁にかけてこう書いてある。

《三好に手紙かかうとして中途でよす、[消=淀野は]/今日は浅見渕君より来信、糧道時代の後身なる文芸都市といふのへ推きよしたが同人になら/[次の頁へ]ぬかとの誘、心決せず、三好への手紙もそのことをかかうとして結局心決まらぬ故中止にしたのである》

結局、梶井は『文藝都市』の同人となり「ある崖上の感情」などを発表した。……というところで、先頃の明治古典会七夕古書大入札会に出品されていた「梶井基次郎日記」十六冊などはどうなったのか? とても気になったので某氏に訪ねてみた。最低入札価格800万円が設定されていたが、その倍までは行かなかったものの、さすがの値段で、さもありなん、という店が落札したようだ(なんのこっちゃ、企業秘密だそうです)。どこに収まるのだろうか。

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神田神保町二丁目のブック・ダイバーで、12日(土)まで「ダイバー店内で開く、ガールズ&ミセスのミニ古本市」が開催されている。
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by sumus_co | 2008-07-08 21:42 | 古書日録
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