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近世畸人伝京都文化博物館で「乾山の芸術と光琳」(〜4/13)を見る。近年の鳴滝窯などの発掘成果をふまえつつ乾山の代表作を集めたなかなかの内容だった。武蔵美の学生のころに乾山が好きで、出光美術館や東博で目に焼き付けたものだが、今、あらためて見ると、陶芸としての魅力は薄いような気がした。 絵付けの絵は本格的でデザインは大胆、モダン。オランダ陶器を模倣したストライプ柄の湯のみなど、まさに現在の陶芸家が作ったものだとしても何ら違和感がないほど。ただ陶器としての技術レベルは、やはり素人窯の域を出ないのではないか。だからこそユニークだとも思えるが、陶芸はデザインだけで成り立っているわけではなく、鈍い陶器はやはり見苦しい。出品されていた絵画では「 成乙」印の画家というのが気になった。乾山の助手だったとも推定されているそうだ。 常設展示「池大雅と雛人形」ものぞいた。江戸後期から大正までさまざまな雛人形が並んでいた。明治時代のものがいちばん派手。それはともかく大雅の絵画と書(池大雅美術館所蔵)が十点ほども並んでいて感激した。 なかでも「高士訪隠図屏風」(寛延三、1750)は、二十七歳の作(屏風としては二作目とか)、とても晴れやかな、すみずみまで心の通った、しかも画家が楽しんで描いていることの分かる秀作だった。フランスの印象派と比較するのもあながちピントはずれではないようだ。「芝草之詩」も大したものだった。大雅を堪能できてラッキー。 で、帰宅して『近世畸人伝』(岩波文庫、一九八七年十四刷)を開いて池大雅のくだりを読んでみた。おもしろおかしく大雅の逸話を拾ってある。上の図は妻の玉瀾と合奏しているところ。 《又ある豪富者、画を托せしに、月日を経て果さず、使至るごとに、近日とのみいふ。一日童僕例のごとく来るに、尚画かざれば、門を出るより独罵りて、這(この)死画師、人を労することいくたびぞ。自負歟、惰歟、人をあなどるか、といへるを聞て、急に走り引きとどめ、君がいふ所甚理也、吾過(われあやまてり)[繰り返し記号]とて、直に筆を染て与へたり。》 《又一書林の僕、主人の金を用て遊興し、放逐にあひ、他国へ行んとする時、道人[大雅のこと]のもとへ来りて別を告ぐ。道人甚憐み、我主人に侘ん、といひて、持る所の書画調度を売て、その金をつくのひ、帰参せしめたり。》 《中にも奇なるは、石刻の十三経を得んとて、年比(としごろ)心にかけしかば、たくはふる所の銭百貫に及べりしに、書賈(しょこ、書店)なほ售(うら)ず。嘆息して、その銭を祇園の社に奉納す。》 大雅は畸人どころか、とても「いい人」だったようだ。ちなみに十三經(じゅうさんけい)は、易、書、詩など儒教の十三の経書。《石刻の》というのは拓本ということだろうか? 《銭百貫》は、一文銭一千枚がすなわち一貫文で、銭百貫文を金に換算すると大判五枚に相当したらしい。大判五枚は小判五十枚として、小判一両が現在の五万円とすれば二百五十万円。古い拓本ならそれくらいはしそう。 ちなみに乾山も大雅も中国福建省から隠元禅師によって持ち込まれた黄檗禅にかぶれていた。当時、仏教界が沈滞していたなかにあって、もっともアヴァンギャルドな宗派だったようだ。 ÷ 博物館の後、ブックファースト京都店へ。地方出版フェアーが終わったので、直納の残部を回収に出向いた。まったく期待していなかったが、予想よりも売れていて、こちらもラッキーだった。またいろいろ企画していただきたい。
by sumus_co
| 2008-03-11 21:55
| 京のお茶漬け
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