林蘊蓄斎の文画な日々
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寝燈

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玉置保巳『寝燈』(文童社、一九七六年)。昨日の今日でなんだが、税務署へ出かけたついでに古本屋を一軒のぞくことができた。店頭100円均一でちょっとした資料的な本を一冊、店の中でこの『寝燈』を発見した。藤村義子宛の署名がある。藤村は『水甕』系の歌人のようだ。「あとがき」に

《敬愛する先達、板倉鞆音氏のおすすめで、黒部節子氏の主宰する詩誌「α」に加はることになつた。以来、端倪すべからざる「α」の詩人たちにまじつて、私は、詩をつくることとは、詩のことばとは一体なになのかと、戸惑ひをつづけてゐる。
 このたび少年時代をすごした京都に再び帰り住むことになつた機会に、兒玉実用氏の御紹介で、私の第二詩集を文童社から出して頂くことになつた》

と旧かな遣いで書かれている。詩も旧かな。「α」はアルファ。なお玉置については『spin』02の津田京一郎氏の論考に詳しいので、ぜひ参照されたい。編集工房ノアの『海鳴り』15号に山田稔氏による玉置追悼文が収められているが、多分読んだとは思うのだが、今、14号と16号があって15号が不見当なので引用できない。お持ちの方はご覧あれ。

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KYOさま、函とグラシンがあります。

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追悼といえば、本日届いた『ガーネット』54号(空とぶキリン社、二〇〇八年三月一日)は「追悼・寺西幹仁」である。年譜を要約して転載しておく。

1960年 8月7日、鳥取県鳥取市に生まれる。
1976年 鳥取県立鳥取商業高校入学。
1980年 近畿大学商経学部商学科入学。
1986年 コンピュータソフト制作会社にシステムエンジニアとして就職。
1987年 東京支店へ転勤。荒川洋治の教室に通う。同人誌「フラスコ」に参加。
1989年 大阪へ転勤。同人誌「♯♯♯」を主宰。
1995年 大阪文学学校入学。高階杞一クラスに在籍。
1997年 同人誌「FYYO」発行。第1回「詩マーケット」を開催(〜9回)。結婚。
1999年 詩集『副題 太陽の花』上梓。生駒市へ転居。
2000年 転職。
2001年 退職。四国八十八箇所を巡る。8月、詩学社に入社。
2002年 詩学社、本郷から湯島二丁目へ移転。
2003年 6月、パリの第23回マルシェ・ド・ラ・ポエジーに詩学社として参加。
11月、詩学社代表に就任。
2005年 詩学社、湯島三丁目に移転。離婚。
2007年 10月、詩学社自主廃業。11月27日、脳内出血により事務所兼住居で死去。


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それでもボクはやってない」(周防正行、2007公開)を録画で見た。痴漢のえん罪事件を扱った内容。芸達者を集めて(それにしても竹中直人は使えない、あの管理人、印象に残りすぎ!、小日向文世の裁判官が不気味で秀逸)職人的に精緻に演出しており、その意味でまさに映画になっている。『Shall we ダンス?』(1996)以来でかなり力が入っていたようだが、ある意味、チカラ入りすぎだったか。こんなに後味が悪いのはいい映画じゃない。
     
冤罪の「冤(えん)」という字は、白川静『字統』によれば「網に捕われた兎」を意味する。まさにぴったりだった。
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by sumus_co | 2008-03-03 21:41 | 古書日録
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