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最新写真機

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『最新写真機』(上田写真機店、一九二〇年)。カメラ機材のカタログ。天神さんで300円(ページ欠と破れがある)。上田写真機店の住所は大阪心斎橋筋順慶町北となっている。明治三十六年創業。竹翁こと上田寅之助が大正十年に「藝術冩眞社」(雑誌『芸術写真』)を興したことで知られるようだ。父は儒医の上田文斎、兄に野々村藤助、上田貞治郎(上田写真機店創業)、そして青木嵩山堂を興した青木恒三郎(三男)がいる。

橋爪節也さんの『モダン心斎橋コレクション』(国書刊行会、二〇〇五年)に出ている桑田商会(浪華写真倶楽部の本拠地、写翁こと桑田正三郎が創業、雑誌『写真界』)のライバル店だったか。上田写真機店のあった順慶町と桑田商会の安堂寺町は、今で言うと、どちらも心斎橋筋の南船場三丁目になるようだ。軒並みに時計店や貴金属店、洋雑貨の店が並ぶゾーン。『モダン〜』掲載の明治三十三年の心斎橋筋営業案内には上田写真機店はまだ出ていないものの順慶町三丁目に「写真機商鴻野多平」とあるので、この店が数年後には上田写真機店になるのかもしれない(?)。

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で、先日の小出楢重の絵葉書。男性の持っているカメラが何なのか、このカタログで検討してみたのだけれど、ぴったりくるのがなかった。胴体が四角で覗きガラスのようなものが上部に出ているし、レンズ蛇腹の下部に蓋がない。本体とレンズをつなぐ枠のような線が描かれている。ヴェスト・ポケットコダックは胴体の端が丸いし、その枠がない。数年の時間差があるので別の新機種かもしれないが……。

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ヴェスト・ポケットコダックは28円50銭から111円まで五種類あったようだ。コーヒー10銭(なんでも珈琲で較べる)として×3500〜4000倍。10万円前後から購入できたことになる。vest pocket だったんだ。今はじめて気付いた。

÷

attention』2号の富岡勝(元・勁草書房編集者)インタビューを読む。面白い。氏の手がけた本は一切読んでいないが、編集の仕事についてはまあ同じようなもの。廣松渉『世界の共同主観的存在構造』(一九七二年)が勁草書房入社後はじめて手がけた本。市川浩『精神としての身体』(一九七五年)、坂部恵『理性の不安』(一九七六年)、伊東俊太郎『文明における科学』(同年)などがあって浅田彰『構造と力』(一九八三年)、橋爪大三郎『言語ゲーム』(一九八五年)、宮台真司『権力の予期理論』(一九八九年)、大澤真幸『身体の比較社会学I』(一九九〇年)などとつづく。

《評価が定まっていない人の本を出して、それが注目されて、著者にとってもいい経験と呼べるようなことを一緒にできることは非常に面白い。だから第1作目をつくることにはこだわってましたね》

面白い研究者をさがすためには、まず耳学問、最近若手の面白い論文を読んだか? 信頼できる著者に尋ね、教えてもらった人の論文を読んでみて、自分でも面白いと感じたら会いに行く。あるいは大学や学会の紀要の目次をしょっちゅうさっと見る。面白そうなら会いに行く。これが基本。企画は70点もって年間10点刊行できる。

《読者からお金をいただいているのに著者に印税を払わないなんてとんでもない。商業出版では売れるか売れないかということはとても大事なことです。とくに人文書の世界には、いい本さえ出していればいいじゃないか、というような傲慢でくだらないセンチメンタリズムがありますね。そんなことでは絶対に堕落していく》

痩我慢なんてとんでもない、でしょ。インタビュアーは武秀樹氏(「週刊読書人」編集者)、じつに手際よくまとめられている。

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『書肆アクセスという本屋があった』を朝日新聞の読書欄で重松清氏が取り上げてくれた。書影入り(案外、モノクロ写真になってもスリップがうまく写っている)。
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by sumus_co | 2008-02-17 21:03 | 古書日録
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