林蘊蓄斎の文画な日々
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生花正意四季之友

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落帽堂暁山『生花正意四季之友』巻下(西村源六、渋川清右衞門、中川茂兵衛、寛延四年正月) 。三密堂書店の200円均一より。寛延四年は一七五一年、宝暦元年でもある。徳川吉宗が死去、また大岡忠相も歿している。書林(版元)は三人連名で江戸の西村、大阪の渋川、京の中川。『花道古書集成』(思文閣、一九七九年)に三巻本として収録されているようだ。図に添えられた文字は
  冬柳
  子咲梅
  大ふくへ
「ふくへ」は瓢簞。ひょうたんを加工して花器とした。

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四条を一本下がったところのフランス料理店でランチを食す。初めての店。蕪のスープは悪くなかったが、その他はまだまだ修行が足りないという感じ。ちょっとアテはずれだった。その後、京都文化博物館で開かれている「川端康成と東山魁夷」展を見る。しばらくぶりに川端コレクションの浦上玉堂「凍雲篩雪図」と「十便図十宜図」を見ておこうかという気分だった。

二点とも国宝に指定されている。あるブログによれば、川端康成自身が国宝選定委員のときに購入して国宝にしてしまったのだそうだが、たしかに国宝というにはちょっと弱いし、国宝にするような質のものでもない。なにしろ画面に「酔作」と書いてあるんだから(実際にそうではないとしても)。お上の権威で箔付けする必要はない。そのへんに晩年の川端の執着(しふぢやく)というもののありようを見る思いがする。しかし文士のコレクションという意味では川端に特級の眼力があったのは認める。

たしか以前ここでも触れた金農の「墨梅図」も展示されていた。こちらはまったくつまらない作。とくに美術館的な照明の下ではどしようもない。幽邃な書院にでも掛けてあれば、おや、と思うかもしれないが。どれか一点くれるなら古賀春江の油絵「煙火」がいい。これは裸(ガラスのない額縁)で誰でも触れる場所に展示されていたけど、大丈夫だろうか。とにかく観覧者の平均年齢が高いので。

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コトクロスのブックファーストで開催中の小出版社フェアーをのぞいた。いや、たいしたものだ。にわか仕込みとは思われない。担当氏の眼を感じさせる。サバト館の在庫もけっこう並んでいた。これは目玉かもしれない。古書目録では高くなっている。

÷

某氏より頂戴した佐野繁次郎装幀本『ピラミッド』を佐野カテゴリーにアップした。装幀もシャレているが、本自体もおもしろそうだ。エジプトでは「ピラミッド」とは呼ばない。ギリシャ人が名付けたもので「ピラミス pyramis」という三角形のパンに姿が似ているところからきているらしい。そういえば子供のころにそういうカステラみたいな三角パンを食した記憶がある(ピラミッドとは関係ないですね)。

古代エジプト人は一般的には「ムル(メル)」と呼んだようだが、実際は個々のピラミッドの名称、例えば「アケト・クフ(クフは地平に属す)」など、によって区別していたそうだ。そしてまたずっと後年(といっても紀元前五世紀)になるとごくありきたりな牧夫の名前「ピリティス」などとあだ名を付けて軽んじていたともいう(by ヘロドトス)。どう呼ぶかというのは大事なことだ。それにしても三角パンとはねえ。
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by sumus_co | 2008-02-02 21:27 | 古書日録
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