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茂田井武画集

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『茂田井武画集』(茂田井武画集刊行会、一九六〇年)。最近は茂田井武の作品集も充実したものがいくつも出ているようで、またトムズボックスの「もたいたけし文庫」という労作もある。やはり『セロひきのゴーシュ』(福音館書店、一九五六年)は個人的に印象深く好きな作品。茂田井の歿年に描き上げられたものだが、まったくそんなことは感じさせない清々しい風が抜けるような絵本だ。

これは存在を知って以来ぜひ欲しいと思っていた画集。たまたま安く入手できた。茂田井の友人たちが一周忌に間に合うように刊行を企てたものの、実現したのは四年経った一九六〇年だった。内容はカラー、モノクロ図版に、三芳悌吉が「小伝」を書いている他、長谷川如是閑の序文、清水崑、高井貞二ら十八人ほどの回想、そして安泰の「画集刊行に当って」。校正ミスからか、山本夏彦の「作り話」という文章が途中から抜けてしまったため、別刷りの紙がはさんである。編集に慣れない人々が作ったという手際の悪さが見えているが、しかし、だからこそこの画集がすばらしいと思われるのだ。

昭和二、三年ころ、茂田井はお茶の水のアテネ・フランセでフランス語を学んでいる。そこで中原中也と知り合ったそうである。じつは小生も一九七八年にアテネ・フランセに通っていた。最初は日本人教師の入門クラスを二つ、次にフランス人教師の会話クラスへ進み、モジェ(?)の教科書で、最初に習った会話は「アットンション! マドマッゼル(危ない! お嬢さん)」だった。さすがおフランスと思った。

茂田井については「茂田井武びじゅつかん」がよくまとまっている。

÷

『gui』82号を頂戴する(上の写真の手前にある白い本)。岩田和彦氏の連載は「関西で出逢った人達」。海文堂書店でのキャロル中島とアルトー鈴木のトークバトルに来場してくださったときのようすなどが記されていて懐かしかった。早いもので、もう師走だ。

奥成達氏の連載「アイ・ガット・リズム」はケネス・レクスロス(Kenneth Rexroth)について。1905年シカゴ生れ、詩人、画家として中西部で活躍。サンフランシスコに落ち着き、ビート・ジェネレーションの先駆者としてアメリカ文学史に名前を残す。その後、放浪を開始。東洋への関心から日本も何度か訪れ、京都に住んでいたこともあるという。ほんやら洞でトークとリーディングも行われた。一九八二年に歿した後、千葉外国語大学にケネスの旧蔵書が収められている。日本文学研究者・詩人のジョン・ソルト氏はケネスの弟子であり親友だったとのこと。そう言えば、今年の春頃に貸家探しをしていたとき、堀川通りから一本入ったあたりにソルト氏の表札を見つけた。渋い町家であったように思う。
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by sumus_co | 2007-12-01 22:35 | 古書日録
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