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PLAYBOY『プレイボーイ[日本版]』396号。総力特集「ミステリー徹夜本をさがせ!」。「日本のミステリー・ベスト100」が巻頭、五人の読み手が選ぶオールタイムベスト。小生ほとんどミステリーは読まないので知らない作品ばかり。江戸川乱歩の一部(ここでは『日本探偵小説全集2江戸川乱歩』創元推理文庫が挙っている)と星新一『ボッコちゃん』(新潮文庫)はさすがに大昔に読んで面白かった記憶がある。他には中井英夫『虚無への供物』(講談社文庫)、あまりの退屈さに途中で挫折した(分厚いしね)。 ベスト100に挙っていないところでは、夢野久作は読み終えられたものの、小栗虫太郎は駄目だった。そうそう、横溝正史はいくつかブームのときに。また日影丈吉の短篇がとても面白かった記憶もある。ミステリーじゃないかもしれない筒井康隆はどうも合わない、『腹立ち半分日記』は傑作だが。そのていど。あ、大西巨人『神聖喜劇』はとても面白く読了したぞ(光文社文庫五冊)。 それよりも「こんな文学全集がほしい」という記事に注目。池澤夏樹個人編集の世界文学全集(河出書房新社)と任天堂DSソフト『文学全集』の発売にひっかけた記事である。業界では一九八九年(『集英社ギャラリー世界の文学』『河出世界文学全集(ステラ版)』)以来の文学全集出版ということになるらしい。記事の内容は谷沢大先生の意見を要所で引用しながら、文学全集を百貨店になぞらえてその興亡をざっと述べている。 目を惹かれたのは古本としての文学全集が三セット、写真入で紹介されていること。さすが一ツ橋にある版元だ(神保町のとなりです)。 『新潮世界文学』1970 全49巻 15,000 神保町・某書店 『集英社世界文学全集』1972 全45巻 25,000 神保町・巌松堂図書 『集英社版世界の文学』1978 全38巻 35,000 神保町・巌松堂図書 ちなみに『新潮世界文学』は田村書店では33,000。月報の有無、状態の善し悪し等でこれくらいの差は出るのだろう。他にも中央公論社『世界の文学』とか筑摩書房『世界文学全集』の揃も「日本の古本屋」ではおおよそこの程度の値段で出品されているようだ。講談社『新訳世界文学全集』全48巻、25,200は街の草さん。 ざっと見たところでは地方の古書店の方が評価が低いようだ。まあ、今さら世界文学全集でもなかろうし、元来シリーズものを揃えようという意志が希薄な人間なのでどっちでもいいのだが、春秋社の『世界大思想全集』とかをバラで集めてみたら面白いかな、などとどうでもいいことを考えた。でもいったい何巻あるのかな?(国会には第124巻まで)。 この『プレイボーイ』は買ったわけではございません(若い頃には買った覚えもございます)。なんと『古本屋を怒らせる方法』の取材があったのだ。その見本誌としてもらったのである。PBに『古怒』は似合わないでしょう。だが、本欄でもコメントいただいたように『大阪スポーツ』(と『東京スポーツ』)に島地勝彦氏(『プレイボーイ』元編集長)がうれしい書評を書いてくださったため、その関係で編集部K氏とライターの早見和真氏が来訪とあいなったのである。早見氏は若くて古本にもそう詳しくはないながら、なかなかいい取材ぶりだった。それにしてもピンナップのテイストがほとんど変わっていないのには驚かされた。
by sumus_co
| 2007-11-28 22:33
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