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ビリチスの愛の歌

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栗田勇『ビリチスの愛の歌』(新書館、一九六七年、装幀=宇野亜喜良)。For Ladies Seriesの一冊。

ビリチスは西暦前六世紀にパンフィリイの東部、メラス河畔の一山村に生れたそうだ。ギリシャ領だった現在のトルコである。彼女はサッフォーの同時代人であり、ライヴァルでもあった。今日、知られるようになったのはピエール・ルイス(Pierre Louÿs)が『Les Chansons de Bilitis』を一八九四年に公刊して以来のこと。これは、まあ、ピエール・ルイスがギリシャ語資料から翻訳したことになっているが、彼の詩集だと言ってもそう間違いではないようである。

《当時、レスボスの島は、いわば世界の中心だった。今日でいえば、パリとかニューヨークなどとでも言おうか、いや世界が狭かっただけに、もっとこの町はにぎやかで、あらゆる富が集中されていた》

これは逆。今こそ世界が狭い。昔はもっと世界は果てしなく広かった。一昨年のトルコ旅行でベルガマ(ペルガモン)やエフェスといったギリシャ時代の遺跡を見物した帰り道、海岸沿いの道路を車で突っ走っていたとき、岸からすぐ近くに見える大きな島がレスボス島だと教えられて、なんとなくあっけなく思ったのだが(例えば、明石海峡をはさんで明石側から淡路島を見るようなかんじ?)、レスボス島は今もギリシャ領なのでその距離はあんがいと遠いようだ。

÷

『本のとびら』(読売新聞東京本社広告局)の10号を某氏が送ってくれた。特集が「アラウンド50向け出版の現状」。アラウンド50とはどういう世代かというと、元祖アンノン族、サザンやユーミンを聴いて育ったニューミュージック世代なのだそうだ。ひょっとして小生もそうか?(そうです)。ユーミンといえば荒井由美だもの。巻頭で雑誌『エクラ』(集英社)の編集長がこう定義している。

《37年前の「アンアン」(マガジンハウス)、36年前の「ノンノ」(集英社)創刊当時に中高生時代を過ごし、大学生になったら「モア」(集英社)が生れ、「リー」(集英社)を読みながら結婚・出産を経験したという元祖雑誌世代。モノを見抜く力も、雑誌を選ぶ目も持っています》

ちょっと集英社的に手前味噌な分析なれど、思い当たる節は充分にある。日本の平均世帯では49歳が支出のピーク、五十代後半が収入のピークだとか(電通調べ)。だからこの世代の雑誌では通販が必須アイテムとなる。

《彼女たちのファッションキーワードに’かわいい’が欠かせないこと、モノ選びには文化の香りを求めること。通販ページが好評なのはそれを押さえているからでしょう》

で、大先輩ライヴァル『家庭画報』(世界文化社)はその通販で年間20億円を売り上げるという。読者から長年の信頼を得ている証拠だと『エクラ』編集長氏は述べている。

そしてその記事の下に『エクラ』を日本一売る(『ハナコ』を日本一売った)という吉祥寺・弘栄堂書店の雑誌担当氏がダメ押し。

《私たちがしているのはお客様がきちんと本が選べる環境を整えることだけなんですね。/そのためには、まず自分の店の客層を知ること。吉祥寺はおしゃれで経済的にも余裕のある女性客が多いのが特徴です。『エクラ』はそんなうちの客層にぴったりの雑誌でした》

以上、集英社の広告でした(?)。
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by sumus_co | 2007-11-27 22:24 | 古書日録
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