街の草さんに川端康成『高原』(甲鳥書林、一九四二年再版)を送ってもらったら、この書皮をおまけに付けてくれた。
書皮友好協会の第22回書皮大賞を受賞した現行のものもいいが、いつ頃だろうか、このハデハデな感じが元町らしいという気がしないでもない。版元のマークがちりばめられているのも良き時代の証しではないか。
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立原道造記念館より「立原道造の世界IV 生前未発表詩・物語を中心として[前期]」(10月6日〜12月24日)のチラシが届く。奉書紙に書かれた草稿が図版として出ている。昭和十年三〜四月頃。
たそがれ
換気筒も、雲も、歯車も
あはれ、みんな廻るなり。
煙のやうな 街のたそがれ。
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扉野氏より『渡邊一夫著作集』の内容見本が届けられる。ある方が譲ってくださった。全12巻と増補全14巻の二種類。これはいいものだ。有り難い。それにつけても
昨年の百万遍、著作集6000円が惜しまれる。
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赤まんま塀と路とを破(わ)り咲けり