林蘊蓄斎の文画な日々
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毒婦天人お駒 下

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旭堂南陵講演、山田都一郎速記、大淵渉編輯『毒婦天人お駒 下』(駸々堂、明治三十二年)。見返しに貸本屋の標が貼付けてある。岡本貸本部、碧海郡(へきかいぐん、へっかいぐん、愛知県 碧海郡旭村、現碧南市)となっているが、これ以外にも「岡崎本文貸本部」「貸本/天野屋/高浜町」という印もある。久し振りの二条通、水明洞にて購入。他にも状態の悪い貸本が数冊あったが、びわこのなまず先生の日記(mixi)を見ると、もっときれいな表紙の講談本を買っておられた。

じつは滋賀県湖南市立甲西図書館で「林哲夫「読む人」スケッチ展」(10月20日〜11月4日)を開催してくれるということで、京都岡崎の近代美術館の喫茶店で打ち合わせを行った。若い司書の方がネット上で「読む人」を見つけて企画立案してくれたという。読む人ばかりでなく、本の絵や装幀本も展示することになり、しかも最終日の4日には「林哲夫を囲む会」まで予定されている。湖南市の観光パンフレットをもらった。なかなか良さそうなところなので、秋の行楽がてら、お閑な方はぜひどうぞ(会場はJR草津線甲西駅より徒歩10分)。ま、その帰り道に二条通を通ったという話である。

÷

いのは画廊より「それぞれの気まぐれ美術館」展の案内を兼ねた『刻』35号が届く。大倉宏さんの絵を見る洲之内徹について書いた文章がとてもいい。大倉さんが新潟市立美術館に勤めているころ企画した物故作家の展覧会を洲之内が見にやってきた。

《話している時は、顔中に魅力的な皺を広げ、弾んだ声で語りかけた人が、絵のある部屋に来るとふっと静かになる。その切り替わりの自然な早さに、若かった私は少しはっとした。絵と人の間に静かに風が立ち、円筒形にめぐる風の渦の中で、人はすーっと絵に沈んでいく。
 絵はその人とだけになり、その人は絵とだけになる。》

詩人だなあ。大倉さんと言えば、移転した新潟絵屋でも「越後を愛した美術評論家没後20年「洲之内徹と新潟」展」を開催するそうだ。それ以外にも全国で洲之内を偲ぶ展覧会が開催される(詳しくは、下欄、展覧会案内をご覧ください)。

そうそう『刻』35号には後藤洋明氏も一文を寄せていて、世界文化社から出た二冊の洲之内徹随想集『おいてけぼり』『しゃれのめす』を編集した佐藤良和氏が没したとあった。《身なり構わず風呂にも入らずの「編集の虫」で白洲正子さんには随分可愛がられていたようです》。洲之内徹の署名本が高くなるわけだ。幸せな男である。

÷

二条通から川端通を南下するとweissraum(ヴァイスラーム)というギャラリーができていた。カフェもやっているらしい。御池の橋のところから鴨川に降りて川岸を歩いた。西岸にはずっと納涼の川床がしつらえてある。もうそろそろ店仕舞いだろうか。

アベツクの背に川床の幾夜あり

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by sumus_co | 2007-09-26 21:17 | 古書日録
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