ストランド書店(
STRAND BOOK STORE)の絵葉書を大田貫教授より頂戴した。ニューヨークのグリニッチ・ビレッジにある有名な書店。丸善ライブラリーの『世界の古書店』(一九九四年)では亀井俊介、大平和登、袖井林二郎の三氏が言及している。亀井氏はこう書いている。
《ストランド書店は「書棚が八マイルに及ぶ[ルビ=エイト・マイルズ・オブ・ブックス]」ことを自慢にしている。この表現、まんざらアメリカ人好みのトール・テール(法螺話)ではなさそうだ》
HPによればこの文句は、一九七〇年代に、ピュリッツアー賞受賞のジャーナリスト、ジョージ・ウィルが書いた記事がもとになっている。《"the eight miles worth saving in this city are at the corner of Broadway and 12th Street. They are the crammed shelves of the Strand Book Store."》。一九二七年、ベンジャミン・バスによって創業。店名はロンドンの出版街・ストランド街から。
そして現在の謳い文句は10マイル増えて「18 Miles of Books」。しかもまだまだ増棚中ということらしい。なお袖井氏は《並べて立てれば延々十三キロにわたるほどの本が、小さな体育館ほどの建物の高い壁、平台、林立する棚のスペースを埋めつくしている勘定になる》としているが、これは勘違い。そう言う意味では、標語ひとつ調べるのもラクチンになった。
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「一枚の絵葉書が物語る 絵葉書展」(9月27日〜10月9日、
りーちあーと)のDM。「神戸三ノ宮」という文字が見える。右手上部に兵庫県本庁舎(現・兵庫県公館)らしき洋館の屋根がのぞく。だとすれば落成は明治三十五年なのでそれ以後の写真であろう。正面の陸橋は現在の元町駅あたりではなかろうか。
秋暑し黒煙凄く爆走す