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ウィリアム・モリス・ギャラリー

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ウィリアム・モリス・ギャラリー。モリスが青少年期を過ごした自宅。1848から56年までモリスの一家が住んだ。1750年頃に建てられたジョージア王朝様式の建物とか。ロンドンのWalthamstow にある。やはり松本八郎さんの撮影。

÷

ここしばらく田口竹男戯曲集『賢女気質』(世界文学社、一九二四年)を読んでいる。田口は明治四十二年東京生れ、昭和二十三年に京都で歿した。昭和二年に京都へ来て昭和八年まで京都府庁に勤めた。その後東京へもどり中央電話局に転じ、短期間海軍に召集された。戦後初めて発表された作品が「賢女気質」で、昭和二十四年に新藤兼人脚色、中平康監督で映画化(「才女気質」轟夕起子主演)されている。表題作以外に戯曲五編が収められており、すべて京都とその近辺が舞台となっている。京都言葉、いわゆる廓言葉ではない市中の会話がなんとも興味深い。

例えば「京都三条通り」(昭和十年発表)。三条通りの西外れに近いメリヤス店が舞台。昭和七年の設定で、デパートの台頭で小売商が閉店に追い込まれる話をコミカルに描く。そのなかに長兄が東京に就職が決まりすぐに出社せよとの電報が届く場面がある。

《貞江 いまから立つても、間に合ふやろか、お昼まで?
祐吉 えら間に合ひや。急行なら九時間で行く。(つと立つて居間の箪笥の上を探し回り)おい、汽車の時間表、どこへやつた? 箪笥の上においてあつたやろ。
貞江 知りまへんえ、あたし……
祐吉 知らん筈があるものか。こゝにちやんとのせといたんや。またいつもの伝で、どこぞへしまひ込んだきり、忘れてしもたんやろ。ズボラなんで、やりきれん。実際。……欣三[三男]、本屋へ行つて、一つとつて来てくれ、旅行案内。……
欣三 時間表なら、亮ちやん[次男]の本に出てるやろ?
祐吉 なんて本や?
欣三 文藝春秋かなんぞや。》

このくだりを読んで、まず気になるのが東京〜京都の九時間という所要時間。ざっとしらべると以下の通り。

明治22 新橋〜神戸 20時間5分
明治29 新橋〜神戸 急行 17時間22分
明治39 新橋〜神戸 最急行 13時間40分
大正3 東京〜新橋開通
大正10 新逢坂山トンネル、東山トンネル開通(一時間短縮)
昭和5 東京〜神戸 超特急「燕」9時間
昭和33 東京〜神戸 特急「こだま」6時間50分

もう一点は『文藝春秋』に時刻表が載っているというところ。これはたしか岡崎武志氏がどこかに書いていたが、この頃から文芸誌には時刻表が付いていたのだ。イギリスの例にならったのだったと思う。文中「亮ちゃん」は小説家志望という設定なので、このフレーズが生きているわけである。

÷

本日、『古本屋を怒らせる方法』に登場する大田貫教授が遊びに見えた。貧しい蔵書の一部を見て頂き、いろいろ雑談。桂離宮周辺を散策して中村軒でかき氷を食する。蒸し暑い午後だったので美味。その後もいろいろと古本道および震災直後のお話を。家賃45万円の豪華マンションに二年間住んだ(!)、住むしかなかったという聞くも涙の……借金地獄(天国?)。面白かった。

ねぢ花をねぢ戻せばや日々の過ぐ
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by sumus_co | 2007-09-07 23:10 | 古書日録
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