ジャン=ジャック・キム、エリザベス・スプリッジ、アンリ・ベアール『評伝ジャン・コクトー』(秋山和夫訳、筑摩書房、一九九五年)。450頁以上ある。興味の中心はもちろん、以前この日録でも取り上げた「Editions de la Sirene」(人魚書房)だったが、それについては
《一九一八年の春、コクトーはブレーズ・サンドラール、ジャック・ラフィットと人魚書房を設立した。以後数年にわたり、ここから彼らおよび彼らの友人たちの作品が出版される》
このくらいのことしか書いてなかった。ただ他にモーリス・サックスのキャトル・シュマン書店、ポール・モリィヤンのモリィヤン書店、ジェラール・ヴォルムのロシェ書店など、コクトーが関係した書店・出版・画廊の複合体(かつての紀伊國屋書店がそうだったような)の存在についてわずかだが知ることができたので善しとする。