林蘊蓄斎の文画な日々
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泰西絵画彫刻

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木村荘八解説『泰西の絵画及び彫刻第八巻近古篇の一』(洛陽堂、一九一九年)。記名はないが、このデザインは清宮彬(せいみや・ひとし)であろう。見つけたときには古書店の帯が巻いてあり、安い値段が記入されていた。状態が良くないであろうことは想像できた。

しかし箱が一目で気に入った。ともかく中身を出してみようとしたが、出て来ない。ふつうは箱の開口を下にし両手で両側を持って少し振ってみればズルッとはみ出す、はずなのだが、ビクともしない。しかたがないので、左手で箱を持ち、右手の親指と人差し指で本の背をギュッと引っぱった。これまたビクともしない。あまり力を入れすぎると箱がバラバラになりそうだ。

まあ安いからいいか、帰宅してからゆっくり処置しよう、そう思ってレジへ持参した。店番の若い男性も同じような仕草を繰り返したが、やはり本は箱から出てこなかった。彼はとくに困ったふうでもなく、無言のまま帯を外し、簡単に包装して差し出した。

帰宅して薄いナイフのようなものを本と箱の間に差し込んで軽く動かしてみた。ちょっと力を入れるとわずかに紙が破れるような感触があった。箱を補修したときに糊が少しはみ出し、それが本を固めていたのだ。ようよう引き出してみると、ハードカバーの下端に三カ所、数ミリの箱の紙がこびり着いていた。たったこれだけでウンともスンとも動かなかったのだからすごい(古本力?)。

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石神井書林の目録を眺めている。『spin』01で珈琲漫談に登場した塚本邦雄自筆本『蒼鬱境』(湯川書房、一九七二年、二十部)が出ていた。そんなものは論外ながら、今月はいろいろ物入りだったので、何も注文できそうもない。ただ最終ページの千円均一にもいいのがあるなあ……。

 野猫炎天の獲物へ近付けり (永井龍男色紙)

 昭和衰へ馬の音する夕べかな (三橋敏雄全句集毛筆句)

 牧柵を越えてあまたの秋の蝶 (木下夕爾短冊)

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荻原魚雷氏と浅生ハルミンさんの「三重県人!〜わたしたちが東京に来るまで〜」という対談があるそうだ。詳しくは古書現世店番日記参照。ちなみに中尾ミエは小倉出身だって。
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by sumus_co | 2007-06-15 21:00 | 古書日録
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