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小学読本卷一

小学読本卷一_b0081843_19444490.jpg


師範学校編纂『小学読本卷一』(文部省、一八七五年)より。見返しに文部省刊となっているが、奥付発行元は大阪心斎橋の、瀬戸清次郎、大野木市兵衛、中川勘助、中野啓蔵である。明治七年八月改正、《文部省御蔵版翻刻明治八年一月官許》。

《群児、相集り、毬を投げて、遊び居り、◯彼等の棒を持てるハ、投げたる毬を、受留るを以て、楽とするなり、若し其毬を受留ること、能ハざる者をバ、負とするなり、◯此毬ハ、柔にして、堅きものに、あらざるゆゑ、人に中りても、傷くことなし》

というふうに上図は説明されている。どう見ても「野球」だが、《棒を持てるハ、投げたる毬を、受留る》としてあるのは書き手が実際の野球をまったく知らなかった証拠である。

日本で野球らしきスポーツを初めて行ったは第一大学区第一番中学(後の開成学校)の教師だった米国人ホレース・ウィルソン Horace Wilson とされる。彼が明治五年にノックのようなことをし、開成学校となった翌六年にクラーク(ウィリアム・スミス・クラーク William Smith Clark)が学生たちのチームを作って試合をさせた。ほぼ同時期かやや早く北海道開拓使仮学校のベーツが生徒達にベースボールを教えていたという説もある(大和球士『真説日本野球史明治篇』)。

ということならば、この絵の説明が正しくなくても仕方ないかなという気はする。この挿絵は外国の教科書などから模写した可能性が大きい。だったとしても、日本における野球らしきスポーツの紹介記事としては最初期のものであろう。

ちなみに「野球」という訳語を考案したのは中馬庚(ちゅうまん・かなえ)。明治二十七年、第一高等中学校(第一高等学校)の卒業に際して執筆したベースボール部史(翌年『一高野球部史』となる)で用いたのが最初らしい。その四年前に正岡子規が野球(のぼーる)という雅号を使っていた。また「打者」「走者」「四球」「直球」「飛球」「遊撃手」などの訳語も子規が考案したという(Wikipedia の要約)。

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『文游』26号が届く。長谷川憲一「印刷における日本語表記」の冒頭に明治初期の漢字廃止・漢字節減論について簡単に触れられていて興味を覚えた。前島密が漢字廃止の建議をしたのが慶応二年だそうだ。学制発布とともに文部省は漢字節減を打ち出し、3167字を決定した。同じ頃、福沢諭吉は小学校用国語教科書『文字之数』で漢字803字を提示しているという。それにしては上記引用文をみても実際にはかなり難しい字を使っていたのだね。

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昨日、急に、装幀の仕事が入った。ところが、手回しよく、紙の見本帳とDICカラー・ガイド(印刷色の見本帳)をすでにどこかのダンボール箱にしまい込んでいたので、さあ、たいへん。紙の見本帳は一箱だったから容易に見つかったが、カラー・ガイドはどこに入れたかすっかりきっぱり忘却の果て。ううう〜んと唸って、おみくじを引く思いで一箱開ける。これじゃない。もう一箱に手をかける。これでもなかった。ならばこれか、ということで三箱目に発見、超ラッキー!

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城北古書会展の目録が届く。石神井さんの頁に欲しい本がいくつも並んでいる。目の毒、目の毒。引っ越しがすむまではガマンの一手なり。
by sumus_co | 2007-04-28 21:06 | 古書日録
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