『日本古書通信』933号の高梨章「戦時の本の奥付を見る」という論考を面白く読んだ。定価の上に○に停の記号が付いているのは何故か? どういう意味か? 小生も不思議に思っていたところだった。結論から言えば、昭和十四年十月十八日勅令第七百三号で公布された価格統制令で規定されている記号であって、同年九月十八日現在の価格を最高価格として商品等の値段を据え置くことを指示したもの。敗戦まで存続したという。「九・一八停止価格」の意味である。
なお「特別行為税」とあるのは昭和十八年に導入された消費税の一種。本の場合は「印刷、製本」(ただし、公共団体や神社、学校のためのものなどは除く。)が課税対象となった。
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『たいせつな風景』6号(神奈川県立近代美術館、二〇〇六年九月)を読んでいると、松本竣介の墓は松江にあると書いてあった。知らなかった。松本家は松江藩の士族で島根県庁の裏手に広大な邸宅があったという(竣介は松本家の養子)。
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『不忍ブックストリートMAP』が届く。年々グレードアップしている。地図は見やすく、内澤イラストもじつに楽しい。広告がまたおシャレなのだ。29日は一箱古本市、もう四回目になる。