『THE NEW ENGLISH PRIMERS BOOK 1』(三省堂、一九三二年)。昭和七年である。さすがに外国人の登場人物はいない。主人公は TARO。カラー口絵はブラジルへ移民した日本人がコーヒーを収穫しているようすを描いた油絵(サインなし)。本文中にもお父さんとコーヒーを飲む場面がある。とにかく挿絵が多く、洒落たタッチ。男子が高畠華宵ふうの凛々しい表情。SuZu(筆記体)というサインが入っている。表紙も可愛い。
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ひさしぶりにブックオフへ。引越を控えてナベツマがマンガ本を処分した。154冊を買い取ってもらったら、そこそこの金額になった。藤田和日郎『うしおととら』(小学館)は愛読書なので迷ったようだった。別にひとまとめに箱に入れて査定してもらうと700円とか。一冊20円。「名作よ!」ということで引き取って戻る。息子にメールしたところ「送って欲しい」という返事があった。「売らなくてよかったわ、ほとんどあの子が買った本なのよ」
神戸の地震のときに息子は高校三年生だった。京都へ引っ越すにあたって親二人は蔵書のほとんどを処分してしまったが、息子だけはガンとして本を持って行くと言い張った(マンガとゲーム本ばっかり)。よーやるわ、とあきれたのだが、京都で落ち着いてくると、親たちは、結局、以前所持していた本の多くを買い戻すはめになってしまった。息子の判断の正しさを思い知ったのである。というわりには、またしても、かなり処分した……ああ。
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プラトン社のスライド資料が島良作氏より届いたので、関連事項をチェックする。会場の
大大阪は
ダイビルにあるのだが、まだ訪ねたことがない。ネットであれこれ調べてみる。渡辺節事務所の設計で一九二五年に完成。実質は村野藤吾の作品らしい。場所は
中之島3-6-5、朝日新聞社の西、堂島川側。
ここで本日の回文。「を」と「お」は見逃してチョ。
ダイビルを問い、かの大大阪に傘を置いたの怪盗ルビイだ
だいびるおといかのだいおおさかにかさおおいたのかいとおるびいだ